skill 2
そんな話をしている間に時間は7時29分を指していた。……俺らずいぶん話してたんだな。
『そうだな。あのゲームがようやくプレイできると思うとなんか感動を覚えるな』
『このために色々と考えてきたからな。例えばステータス特化仕様とかについてとかな』
そう、このゲームにはステータスの特化仕様が実装されている。この仕様は自分のプレイスタイルを作るというのが目的だ。基本は、ポイントを割り振って決めるのだが事前の登録時に特化したものが初期は高くなる。そこから、対になるステータスを上げるか一つのステータス値を飛び抜けさせるかはプレイヤーの自由である。
『日向はステ何に特化するんだ?』
『スピード特化のパワー型がいいな。蒼はどうすんだ?』
『剣を使うとなるとなにを特化させてもいいから悩みどころだなー』
とまぁ色々と悩んでいる様子だった。まぁステータスは今後に関わるからあまり突っ込まないほうがいいと思った。……ホントに後で責任取れと言われたら頭あがんなくなるからな…。言わないとは思うけど。
『とりあえずゆっくり考えればいいんじゃないか?』
『それもそうだな』
『てか、そろそろ開いても良くね?』
『もう7時45分過ぎだしな…。俺ら学校間に合うか?』
そう、このゲーム屋は時間という言葉を知らないようで開店は朝からとしか書いていない。
『微妙だな…』
『8時までに開くほうに100円』
『じゃあ逆に100円で』
という小さな賭けをもちかけられたのでのってみることにした。100円ってどんだけ俺ら金ねぇーんだよ……。
*
そんなこんなで時間が経ち、いよいよ7時59分がやってきた。
『あと1分しかないぞ?』
『いやまだ希望はある!』
『どっからくんだよ、その自信……』
何故か賭けをしてその時間も残り1分に近づいていた。ホント俺らショーもねー。てかもう8時だ。賭けとか関係なしでこの時間はまずいな……。学校間にあわねぇよ。だいぶ日が昇ったこともあって、ゲームショップ店の前も人で賑わってきた。おそらくは、ゲーマーだな。
『ダァー!!あと10秒しかねぇよ!』
『これは貰ったな』
俺は余裕の笑みを浮かべ蒼を見た。そんな俺を恨めしいように蒼は見つめていた。これは勝確だろ。
『5...4...3...2...』
ガラァー
このドアが開いた時の特有の音は……。まさか…!
『開きやがったよ……』
『ウッシャーー!100円ゲットだぜ!』
『それ、ポケ○ンだろ……』
と思わず出てしまうのと同時に蒼の手のひらに100円硬貨をのせる俺だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます