Episode Ⅵ


「こっちが本物だっつーの」


「…んんっ」


舌が強引に私の中に侵入してきた。


「…っ、ふぁっ…んっ…」


『ナチ。好きだ』


「…んあっ…っ!ひ、あっ!そこ、はっ」

「…お前は神崎初華。ナチ姫じゃない」


「……っ!わ、分かってるわよそんなの!」

「何。もっとして欲しかった?」


「そんな訳ないでしょっ!」


何この変態!


「…どこまで思い出した?」

「どこまでって…私…が、舞踏会でハルに会ってそれで…ハルと一緒に別荘にいって二人で幸せになった…っていう…」


「じゃあ死んだ所は思い出してねーんだ」

「死ぬ…?…ナチ、が…?」


「…はーっ…良かった。言ってただけで覚えてねーんだ…」


なんの、話?

私が死んだ時、水魅はいたの?


そんなに、私の死が酷かったの?


「話して。私が死んだ時のこと」

「は?お前バカ?話すわけ…」


「お願い。これは私のことよ?私に知る権利があると思う」

「……傷ついても知らねーから」


水魅はそう言うとゆっくり話し始めた。


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