Episode II
「今日“ミュラン”にMinami出るらしーよ!」
「知ってる知ってるー!Minamiマジかっこいいよね!絶対観るー」
「そうかなぁーー」
二人がギョッとして私を見た。
「え、初華それマジで言ってんの?」
「えー、だってさー、あんな眩しー金髪にチャラチャラピアス付けてダッサイじゃん?」
「…分かった。じゃね、初華」
ガタン、と椅子から立ち上がる二人。
「え!?ちょっ、今集合したばっかじゃん!」
「あたし達今からMinamiのコンサートに行くんだよ。せっかく初華の分のチケットあったのに。残念ね」
「あぁ…じゃーね…」
…はあ。
私、 神崎初華(かんざき いちか)はいつもこうだ。
皆MinamiがどうとかMinamiこうとか私は全く興味がないものだからいつも仲間外れ。
嗚呼、Minamiを好きになれたらな…
「…帰るか」
私がよいしょ、と立ち上がった瞬間
「へ、う、きゃああ!」
長い自分のスカートを踏み、見事に転倒。
だっさ…
何やってんの私…
私は起き上がるために傍にあった青い布を引っ張った。
「…は?」
「え」
男の低い声が聴こえたと思ったらまた背中に痛みが走った。
「いったぁっ!」
「お前何すんだよっ」
聞き覚えのある声に顔を上げると
「……!み、み、みな…んーっ!ん、んーっ!」
口を塞がれ、
あの、金髪でピアスをチャラチャラ付けたMinamiがいた。
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