関心を持つきっかけは人との無駄話

新聞紙面に『人との対話が「回路」ひらく』という記事がありました。(H28.6.30付)

若者が政治に関心を持ち投票するにはどうすれば良いかを考えます。


その内容は…

政治の知識を「わかりやすく」解説するといったやり方は、「もともと政治に関心のある人にしか届かない」


「政治に無関心な人には届かないし理解しない。」知識やデータの提供以前に必要なものがある。


若者が政治に関心を持つきっかけは、回りに居る先輩や友人との対話であり「人間はデータでなく人間に動かされる」

と言います。


今の暮らしの中で私には家族以外で政治の話が出来る人が居ます。

もっとも選挙期間中だけの事ではあります。


それは、与党を推す団体に属する御近所の女性が「候補者をお願いします」と挨拶に来られる時です。

玄関先で気兼ね無く話せるのは、やはりよく顔を合わす知り合いだからです。


込み入った話などしないですが、ニュースで気になる話題を話せます。

その女性も良く勉強されていて、私の疑問にも適切に答えて下さいます。


普段は会ってもお互いの健康や日常の出来事しか話しません。


だからといって、この方が推薦する候補者に一票入れるか否かは私が決める事です。


普段不便に思っている事があったので、以下の事情を伝えた事があります。

団地前の歩道が狭い割には学生や住民の往来が多いのです。にも関わらず歩道の横にある暗渠の植え込みがやたら広い。雑草が多くゴミも落ちて見苦しい。せめて植え込みを半分でも歩道に変えて広げたら、歩き易くなって傘をさしたままでも楽に往来出来ます。


しかし、一部地域の人の為だけの意見は議員に上げられないのでしょう。数十年何ら変わり無く不便なままです。団地の総会に提案して多数の賛同を得て役所に陳情する、という手続きが必要です。気の小さい私は、不便な方を選んでしまいます。


夫とは投票する候補者や党について話します。

夫は多面的に政策を眺めていますが、私は一面的で単純だと思わされます。


話し合いは大切です。

『おぼしき事言はぬは腹ふくるるわざなり』

吉田兼好の『徒然草』に出てくる言葉で、

思ったことを言わずに黙っているとストレスが溜まってきます。


夫婦仲も同じでしょう。

胸の内に溜めると自分の中だけで深刻な問題になってしまいます。


「もともと政治に関心のある人にしか届かない。…政治に無関心な人には届かないし理解しない。」


これらの新聞記事の文章に似た言葉遣いは、

齋藤孝著『語彙力こそが教養である』の感想文で、かつて私も書きました。


「この本を手に取る人は、すでに言葉への関心がある人です。“教養をひけらかすほうが人間としてどうなの”という人はこの本に無関心のままです」


政治も言葉遣いも、どれ程わかり易く書かれた本でも無関心な若い人には届きません。

人と無駄話をする機会は大切です。

何がきっかけになって政治や言葉遣いに関心を持つようになるか分かりませんから。

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