僕を見つめて

波の音しか聞こえない

人影が一つも見えない静かな海辺

砂浜がやけに広く見える

少し肌寒い風が 頬を掠めていく

波と戯れている君は

時々僕を振り返り 笑顔を見せてくれる

僕の好きな歌を口ずさみながら

貝殻を拾い集めている君

よそ見をしないで

僕を見つめて



サンダルを脱いで君は

そっと海に歩み寄る

透き通った海の水が

君の足元の砂をすくっていく

この大きな海の前で 君はとても小さくて

波と一緒に消えてしまいそうだよ

よそ見をしないで

僕だけを見つめて

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る