【オリジナルシナリオ】視線を追え
【入門用少人数シナリオ】
メタリックガーディアンRPG
使用ルールブック
メタリックガーディアンRPG EXルールブック(サードワールドウォー)
【入門用シナリオ】
視線を追え
【セッション概要】
初心者少人数用情報収集型判定大量シナリオ。
*本シナリオでキャラクターを作った後、それを転用してキャンペーンに途中参加するなどしても構わない。レギュレーションさえ合っていれば、今後追加されるシナリオなどで使用してもよいだろう。
【対象人数】PC1~2人
【推奨レベル】3
【場所】イヅモ特別区鳳市
【NPC】2人
【モブ】複数
【エキストラ】複数
【経験点】基礎点+α
基礎点
『60点』
シナリオ・ミッションを達成した。
『1点』
セッションに最後まで参加した/グランドミッションを達成した(人々の平和を守る)/個人ミッションを達成した。
評価点
『1点』
良いロールプレイをした/他のプレイヤーを助けるロールプレイをした/セッションの進行を助けた/手配、提供、連絡、調整を行なった。
【アフタープレイ時のPC成長】
本シナリオの次回キャンペーン推奨レベル7~9。
【セッション・トレーラー】
戦う為に戦う。そんなバトルマニアより何かを守る為に戦う者達の方が世の中では多数派だろう。それが平和な先進国の兵隊家業なら尚更の話だと言える。そんな守護者達の砦の一つ鳳市防衛隊駐屯地。極東の島国を守る彼等はその日も確かに襲い来るテロリストや奈落獣に対し、万全の体勢で備えていた。しかし、突如としてサイレンが鳴り響き、次々に味方が倒れ付せば、その上には不気味な影が忍び寄る。それはまるで静かな狂気にも似て、基地の全てを蓋い尽した。
次回メタリックガーディアンRPG。
視線を追え。
鋼の腕で影を砕け!!
【ハンドアウト】
『PC1』
君は裏社会では知る人ぞ知る運び屋だ。今日も愛機を駆ってやってきたお得意様の基地には君が届けるはずだった武器弾薬の臭いよりも先に硝煙の饐えた煙が充満している。非常事態だと逃げ出そうとした君だが、どうやら基地の外には連絡も移動も出来ないらしい。その上、内部には多数の得意様が倒れ付しているようだ。これを放って逃げ出せば、信用問題にも成りかねない。そうなれば、仕事は激減。愛機の整備どころか明日の食事も危ういだろう。仕方ないと君は何が起こったのかを確認する為、動き出した。君にとって仕事の受注は命と愛機の次に切実な問題なのである。
『PC2』
君は運悪く気を失わずにいられた基地の兵士最後の1人だ。何が起こったのかは分からないが、ナニカしなければならないのは間違いない。一体、何が起こったのか。そして、何が攻めて来たのか。それを知る為には基地内部を探索する他無いだろう。倒れ付す同僚達を前に君は一歩ずつ基地の内部に歩みを進めていく。ホラー映画やゾンビ映画なんてしばらく見ていない君は出てくるなら撃ち殺せる奈落獣かテロリストの仕業である事を祈った。少なからず、銃弾で倒せる相手なら、君に撤退の二文字は無いからだ。
【オープニング・フェイズ】
『マスターシーン』
登場者/オリジナル・エキストラ複数
場所/鳳市防衛隊駐屯地地下
作業員A「オーライ。オーライ。オシッ!! クレーン止めろー!! ゆっくり降ろせよぉ!! コイツの中身はクソ高いってこったからなぁ!!」
基地内地下物資搬入用倉庫内。
作業員達が一際大きな褐色のコンテナをトラックの上から大型クレーンで吊るし上げ、ようやく下ろして一息入れようとしていた。
作業員B「ところでおやっさん。今回のこいつはまたガーディアンの補修パーツなのか?」
作業員C「いや、違う。実はローレシアの方にある研究所からの直輸入品でな。何でも画期的な電子戦装備なんだと」
作業員D「それにしても随分と大きいですね。直径で20mはあるんじゃないですか?」
作業員A「空輸するのにも手間取ったらしいが、こいつの実戦データが集まれば、今より楽に戦える装備が開発出来るってな話だ。ま、原理なんぞは分からなくともいいんだよ。兵隊さんはな」
作業員F「はぁ……それにしても出来立てホヤホヤの試験装備で次世代戦力を教育しようなんて、防衛隊の上層部も剛毅ですよねぇ~」
作業員A「一般的な装備も最初は誰かが運用してデータ取って改良して量産してってな具合でようやくモノになるんだ。こいつが将来、戦場を変えた時、それに精通してる奴がいれば、それだけ死人が少なくなるかもしれない。こういうのはとりあえず手を出しておいて損は無ぇさ」
作業員F「そんなもんすか」
作業員A「ああ、そんなもんだ」
作業員達が話し込んでいる間にもコンテナのハッチが専用の機材でゆっくりと開けられていく。
しかし、その作業が半ばを過ぎた頃。
サイレンと共に周囲の電源が落ち、非常灯が周囲を照らし出した。
作業員A「どうした!! 何があった!?」
作業員達のリーダーが情報収集を始めようとした時。
数人の工員達が次々に倉庫内へ慌てて駆け寄ってくる。
工員「荷物は大丈夫か!! 外部からの襲撃を受けているらしい!! 今、部隊が応戦しているが、敵の―――」
声を掛けて近付いた工員がコンテナに近付いた途端、唐突に糸の切れた人形のように崩れ落ちて地面に倒れ込む。
作業員C「お、おい!? ど、どうした!? だ、誰か手を貸してく―――」
作業員達が慌てて駆け寄ろうとして、やはり唐突に意識を失ったように倒れ込む。
そのあまりの後景に恐怖した誰もがその場から逃げ出そうとしたが、バタバタと倒れ込んでいく。
作業員A「一体、何が起こってやがるんだ……う―――」
それから数十秒の後。
コンテナの周囲は倒れた者達で埋め尽くされた。
それと同時に半開きとなったコンテナ内部から僅かな燐光が漏れ出す。
やがて、非常灯の光すら落ちた基地は静まり返り、小さな輝きに満たされた倉庫は分厚い非常用隔壁によって閉ざされ、人が僅かに呼吸する音だけが響く世界と化したのだった。
『オープニング・フェイズPC1の場合』
登場者PC1/オリジナル・エキストラ複数
場所/鳳市防衛隊駐屯地南側正面ゲート
シナリオ・ミッション/基地の状況を把握し、兵士達を安全に退避させる。
風景描写
その基地は静まり返っていた。不審な程に音のしないいつもとは違う様子はいっそ廃墟だと言われた方がしっくりと来るに違いない。バー上がったままの検問所。野外に倒れ付している歩哨。倉庫の前で横転したトラック。人々が血の一滴も流さずに臥せっている様子は異様に違いなかった。逃げ出そうにも何故か端末は繋がらず。外に逃げ出そうにも見えない不可視の壁が周囲を遮っている……誰かから見られているような気がする。
判定 現在の状況の手掛かりを探す
兵士達の持っている端末又は肉体の症状の観察。
【理知or知覚11】それぞれを好きな値で2回振る。
端末に付いて。
成功/何かしらの敵が攻めて来た事が伺える緊急コールの文面を発見する。
失敗/何も分からない。
肉体に付いて。
成功/外的要因による昏睡でこのまま放置されると危険だと判断出来る。
失敗/何も分からない。
判定 周辺の不可視の壁と端末の通信妨害に付いて。
【理知or知覚13】それぞれを好きな値で2回振る。
不可視の壁に付いて。
成功/それが重力による防壁の類だと分かる。
失敗/何も分からない。
通信妨害に付いて。
成功/軍事基地内は電磁妨害阻止機能(ECCM)が働いている為、軍用のECM以上の出力を持つ機械が働いている可能性に思い至る。
失敗/何も分からない。
*クリティカル時にはミドルフェイズでの情報収集での失敗を打ち消すなどの措置を取ると良い。
結末
シナリオ・ミッションを与え、基地から兵士達と共に脱出する為に動き出したら終了。
『オープニング・フェイズPC2の場合』
登場者PC2/オリジナル・エキストラ複数
場所/鳳市駐屯地北側
シナリオ・ミッション/基地の状況を把握し、敵を排除する。
風景描写
北側から基地内に入ると異様な程に静まり返っていた。緊急コールを受けて駆けつけた者がいたとしても、その誰かが見るのは倒れ付して昏睡する兵士ばかり。通信も出来ず逃げ出せもしない陸の孤島となった世界には風すらも吹いていない……誰かから見られているような気がする。
判定 どんな敵がどの方角から攻めてきたか?
緊急コールを受け取った際の情報と基地周囲に倒れた人間の数と場所から割り出す。
【理知or幸運12】それぞれを好きな値で2回振る。
どんな敵か?
成功/対空陣地に倒れている兵が多い事から空からの敵だと分かる。
失敗/何も分からない。
どの方角から攻めてきたか?
成功/高射砲が向けられていた方角から西より攻めて来た事が分かる。
失敗/何も分からない。
判定 敵が何処に潜んでいるか?
兵士としての長年の感と空から攻めて来た敵の潜みやすい位置の特定。
【知覚or幸運14】それぞれを好きな値で2回振る。
基地の内部構造を精確に把握しているか?
成功/精確に把握していおり、西側の棟に通信施設が集中している事に気付く。敵の位置を予測出来たか?の判定+2
失敗/把握していない。
敵の位置を予測出来たか?
成功/敵は西棟にある発令所内部に潜んでいる可能性が高いと分かる。
失敗/西側から移動したかかもしれないとの疑念が湧く。
*クリティカル時にはミドルフェイズでの情報収集での失敗を打ち消すなどの措置を取ると良い。
結末
シナリオ・ミッションを与え、敵の排除に動き出したら終了。
『ミドルフェイズ・合流』
登場者PC1/PC2/
場所/駐屯地内部中央センターブロック
風景描写
全ての棟には構造的に中央からしか入れないブロックが存在する。重要施設に入る為には一度通らなければならない基地中央の渡り廊下には人が今も数多く倒れ付していた。辺りにはペンや紙、缶コーヒーや食事がぶちまけられ、ピクリともしない兵達の服に染みを作っている……誰かから見られているような気がする。
PC2人以上の場合は以下の描写を追加。
彼等はほぼ同時にその場所に現れ、動く相手に銃口を向ける事となった。
対決 相手を無力化出来るか?
PC間の対決ロールだが、人数が1人の場合は省略してそのまま情報収集フェイズへ。また、3人以上の場合は達成値を儲けて判定ロールとする。判定値と描写を任意に設定。ここでRPを挟みながら遊んでも良いだろう。
【体力】
【反射】
【知覚】
【幸運】
結末
どちらか、あるいは全員の結果として互いが知り合って、共に情報収集を開始して終了。
『情報収集』
登場者PC1/PC2
調査方法
まず調べるブロックを決め、描写後にブロックへと移動。その後、判定し、成功すればイベントを起こして次のブロックに進む。失敗した場合はイベントを起こさずに進行する。一つのブロックを調べる前に必ずGMが2D6を振る。そして、達成値10以上が出た場合、カウンターを一つ保持する。このカウンターが3つ以上溜まった状態で調査を終えるとPC達と2D6で意思対抗ロールを行う。意思対抗ロールの際のGMの基本値は2として扱う。詳細は調査後の項目に回す。
調査内容
1東ブロック・武装保管庫・ガーディアン格納庫・弾薬庫
描写
分厚い対爆隔壁によって守られ、地下に設置された弾薬庫の前には歩哨が二人倒れている。しかし、それ以外に被害者は積み荷を運んでいたと思われるトラックが数台のみで辺りは静まり返っている……誰かから見られているような気がする。
【知覚11】
『イベント/技師の端末』
偶然にもガーディアン倉庫付近にて電源の入ったままの端末を入手する。その開かれたメールの中には『新型とレムリア製制御システムを同期させて運用せよ』という文面が見て取れる。他のメールを覗こうとするものの、すぐに端末へロックが掛かり、電源が落ちてしまう。
公開情報/敵の襲撃後、ガーディアンが出る間もなく昏睡が始まったことが分かる。ガーディアンの平均搭乗出撃時間は4分。
調査結果
成功/違和感を感じて観察してみると昏睡している人々が一様に同じ西側方向を向いて昏睡している事が分かる。
失敗/何も分からない。
2南ブロック・兵舎・売店・談話室
描写
兵舎の付近は特に倒れている者が多く。殆どの場所で兵達が昏睡している。
【理知11】
『イベント/奇妙な端末』
通路に落ちていた端末の画面から灯りが漏れているが、その後ろのカバーは落下の衝撃で外れており、充電池が外れている。それなのにどうして端末が動いているのか。奇妙な端末は見付かってすぐに動きを止めた……誰かから見られているような気がする。
公開情報/中には銃を取り出そうとして倒れ込んでいる者もいる。
調査結果
成功/よく観察してみると通路の端の壁に小さな文字列の刻まれた紋様が薄らと細いマジックで目立たないように描かれているのを発見する。それは間違いなくレムリアの魔法使い達が使う魔法陣と分かる。
失敗/何も分からない。
3北ブロック・医務室・備品倉庫・電算室・バックアップストレージ
【幸運12】
描写
北部ブロックはよく利用される医務室の他は情報解析を行なう電算室。それに付随した基地内情報のバックアップストレージが置かれた立ち入り禁止区域しか存在しない。しかし、殆どの兵達にとって要らない備品が詰め込まれた場所というイメージが強い為か。医務室付近を離れると掃除の行き届いていない埃っぽい場所やほったらかしにされた部屋が数多く存在し、今現在もそれはまったく変わった様子は無かった……誰かから見られているような気がする。
『イベント/医師の端末』
医務室内で倒れていた医者の端末が開いており、それを拾い上げると画面には幾つかの文面が見て取れた。『緊急事態、新型のパイロットデータを即時ストレージから抹消されたし。イシュヴァエルによる工作に注意』『送られた電子兵装扱いのレムリアンハートを死守せよ』『これはアーディティヤ本部からの絶対厳守命令である』
調査結果
成功/偶然にもデスクトップが起動しており、操作している時に意識を失ったのか。自動でカメラが録画していた映像がフォルダに入っていた。それには『見るな。み、見るなぁああああ』と絶叫する医師が映っていた。
失敗/何も分からない。
4西ブロック・情報通信室・発令所・上官個室棟
【知覚13】
描写
情報通信室付近のブロックは緊急時の隔壁で固く道を閉ざされており、通れそうにもない。しかし、付近に併設されている尉官以上の個室がある一角には入れそうである。そちらの道にはまだ隔壁は下りていない……誰かから見られているような気がする。
『イベント/佐官の端末』
個室がある区画内において見知った佐官級の人物が倒れていた。鳳市防衛隊内ではあまり良くない噂を持つ人物であるが、その端末はまだ生きており、内容を覗くと数行のメールが開かれている。
『レムリア系の技術陣が騎士達の捜査によって捕縛される可能性が出てきた為、連中は証拠を消そうとしているようだ。だが、奴等は一体何を考えたのかよりにもよってイシュヴァエルと共和国に情報を流したらしい。気を付けろ……襲撃者達に奴等からの技術供与が疑われる』
『もしもの時の為に対抗用魔法陣を添付する』
調査結果
成功/佐官の個室内から印刷が終ったばかりらしい魔法陣のプリントアウトされた紙を見つける。
失敗/何も見付からない。
アイテム『対抗用魔法陣』を入手。
『調査後』
クリティカル情報
4つの調査においてクリティカルが1つでも出るか。または2つ以上の結果を成功させると調査項目に地下物資搬入用倉庫が追加される。また、4つのブロックの調査が終った時点で調査方法で前述されているカウンターを3つ以上保持している場合、PC達と2D6で意思対抗ロールを行う。GMは意思基本値3で振り、もし勝利した場合はPC達にバッドステータス【重圧】を与える。これはクライマックスフェイズまで続き、戦闘開始時も【重圧】を受けたままとなる。
描写
何かに見られている。咄嗟に君達はその視線を感じた方角の通路を向いた。其処には何か薄い靄のようなものが掛かっており、先を見通す事は出来ない。しかし、そこから吹き付けてくる圧倒的なプレッシャーに君達は拳を握った。
対抗ロール
【意思】3+2D6
勝利時/鋼の意思により重圧を撥ね退けた。
敗北時/相手の気配に萎縮して【重圧】が全身に降り注ぐ。探索時及び戦闘開始時バッドステータス【重圧】を受けた状態となる。
EX調査可能時追加描写
その視線を振り切って何とか逃げる事に成功した時、何処をどう走ったのか。君達は地下物資搬入用倉庫の前まで来ていた。その扉は半開きになっており、明かりが消えたはずの基地内部にあって、僅かに光を漏れ出させている。扉を開いた時、其処には巨大な箱が据えられており、その前には1人の女性が立っていた。
EX地下物資搬入用倉庫内
『イベント/グラン・グリーズ』
其処にいたのはPC2ならば知り合いであり、PC1ならば基地で前に見かけた事のある軍人であると分かる。PC2ならば名前を知っていて友人もしくは自分の部下でもよい。
NPC【葦原ミズホ】
年齢22 性別女
境遇 守護
個人ミッション 弱者を守る
出自 有名人
カバー 防衛軍の軍人
ライフスタイル 当主(財産点+3)
住宅 豪邸(舞台裏 HP6D6回復)
カバー
イズモにて古より続く呪術師の一族「葦原家」に生まれた防衛軍の軍人。父親は防衛軍のエース、母親は一族でも優秀な呪術師であり両親の才能を余す所なく受け継いだ才媛である。また代々「星を見る者」や「ESP」などの特殊能力を持つ人材を輩出してきた葦原一族においても特にその力が強く、スターゲイザーとして覚醒している。この事から歴代でも最も優秀な呪術師と目されており両親とも健在であるにも関わらず、すでに当主の座に就いている。温和で心優しい性格であり、防衛隊に入隊したのも自分の力で少しでも多くの人を助けたいから。物腰穏やかで誰にでも丁寧に接するが少々天然ボケの気もある。自分が恵まれた環境に置かれていることは自覚しており、それに少し引け目を感じている部分もある。
台詞
PC1に対して
ミズホ「無事な方がいたんですね。良かった……貴方は確か運び屋の」
PC2に対して
ミズホ「PC2さん!! 良かった……何とか守れたようで……」
汎用台詞
ミズホ「今、この箱の中身の力を使って何とか敵の離脱を食い止めているんです」
ミズホ「あの視線は魔法によるモノ。あの襲撃者の精神攻撃から何とか皆さんを守るのに精一杯で動けず……申し訳ありません……」
ミズホ「ですが、私はこの状態を維持する為に此処から離れられません」
ミズホ「どうか、襲撃者の排除をお願いします。位置は西の発令所上空。アビス・ステルスによる高度な迷彩によって隠れているはずです!!」
ミズホ「どうか御武運を……あちらの精神攻撃が止めば、私も何とか参戦しますので」
PC達が去った後の台詞
ミズホ「レムリアンハート……レムリア製の“グラン・グリーズ”の中核電子兵装……もし、これが今回の襲撃の核心だとすれば……私は……私なら……」
結末
主人公達が自らの機体に乗り込んで発進するところでシーンを終了。また、クライマックス・フェイズにおいて戦闘中、BOSS属性エネミーのFPが5割を切った場合、『イベント/ミズホからの支援砲撃』が発生する。
『クライマックス・フェイズ』
登場者PC1/PC2/
場所/鳳市防衛隊駐屯地西ブロック上空
風景描写
暮れ掛けた夕暮れ時の基地上空には何も無いように見えて実際には何かがいた。それをハッキリと感じられるのは重圧を受けて尚立ち上がる彼等だからこそだろう。彼等がその場所と相対した時、さすがの襲撃者も姿を隠し続ける事を止めた。其処にいるのはほんの小さな機体。ライトニング級のガーディアン。しかし、機体のあちこちから禍々しい黒いオーラが立ち上っており、尋常のものではない事が分かる。そして、機体を囲むように虚空へ魔法陣が複数浮かび上がると、その内部から奈落獣が出現し、地表へと落下、機体を守るように唸り声を上げ始めた。
もはや昏睡する人々に猶予は無い。
その鋼の腕で影を砕け!!
*戦闘開始直前
アイテム『対抗用魔法陣』を入手していれば、重圧を受けていた場合、回復する事が出来る。
描写
持っていた只の紙であるはずの魔法陣から光りが零れ、心身を束縛していた重圧から解放されていくのを彼等は感じた。
『イベント/ミズホからの支援砲撃』
条件/EX地下物資搬入用倉庫内を調査/敵BOSSエネミーのFPが3分の2を切った瞬間。
台詞
ミズホ「皆さん!! 下がってください。その機体を消し飛ばします!!」
ミズホ「縮退路出力開始!! 射角調整!! シュバルツシルトクラスターッッ!! シュゥウウウウウトッッッ!!!」
描写
基地施設の倉庫の一角から猛烈な重力場が渦巻き、巨大な暗黒の塊が上空の敵へと打ち出された。
BOSSエネミーに対して援護攻撃が加わる。
命中値12+2D6
砲撃武装『シュバルツシルトクラスター』(闇+60)
攻撃後の台詞
ミズホ「システムダウン?! やっぱり、遠隔から中枢を接続しただけじゃダメなの!? すいません!! こちらの機体はもうダメみたいです。後は頼みます!!」
【エネミーデータ】
『
種族アビス・ビースト
レベル2(モブ) サイズS
移3 行7 FP28 EN14
体7+2 反7+2 知7+2
理7+2 意7+2 幸7+2
命7 回12* 砲7 壁12*
武装1:七爪
攻:(斬)7+/白兵(7) C値:12
対:単体 射程:0
武装2:七光
攻:(闇)7+/射撃(7) C値:12
対:単体 射程:1~6
防御:斬0/刺0/殴0
特技 《プロテクション10》《剛打3》《イベイジョン》《斉射2》《移動強化3》
描写
巨大な七つの爪を駆使する奈落獣。漆のような黒い体に七本の尾を持つ。七つの尾から放たれる閃光はあらゆるものをアビスの力で蒸発させる。
NPC【マリーカ・アル=クラシー】
年齢14 性別女
境遇 宿命の子
出自 パイロット
個人ミッション 戦いの意味を知る
邂逅 師匠(ロドニー・チャン)
カバー 共和国の軍人
レベル10 サイズS
機体名【ピースダイバー】
クラス
アタッカー
ライトニング
種族:アビス・ガーディアン(ライトニング級)
移4 行18 FP180 EN100
命10 回5 砲10 壁5
武装1:アビス・パイラー
攻:(斬)+15/白兵(10) C値:10
対:単体 射程:0 代償:弾数1
弾数:3
武装2:オールレンジ・スプレーガン
攻:(闇)+25/射撃(10) C値:10
対:範囲2選択 射程:1~5 代償:EN30
防御:斬10/殴10/炎10/光10/闇10
特技 《瞬発行動1》《必中強化2》《プロテクション10》《状態獲得:飛行》《シールドガード10》《斉射3》《弱点属性雷:3》《無効属性:砲》《ライバル属性》
*《無効属性:砲》は《弱点属性:雷3》が1度でも発揮されるか。またはダメージでFPが-50以上された場合、無効になる。また武装の弾数が0になりENがオールレンジ・スプレーガンの発射出来ない値まで下がった場合、このエネミーは撤退する。
加護
《トール》(ダメージロール 対象単体 ダメージに神属性10D6)
《ネルガル》(メ 射程視界 対象場面で攻撃を行う)
《エーギル》(対象の達成値-20 クリティカル打消し)
《オーディン》(加護打消し)
《バルドル》(達成値+20 ファンブル打消し)
《ニョルド》(15D6の神属性ダメージ)
*《ヘルモード》(場面からの退場時のみ使用。空間転移で場面から退場する)
描写
背後に両肩に伸びるビームスプレーガンポッドとマント型のシールド、禍々しい左腕のパイルバンカーを装備しているのか。その姿は何処かガンマンのようにも見える。アビスの力で強化された外見は雷剛に似てこそいるが、能力は明らかに別物だろう。
戦闘描写/特技使用時
《シールドガード10》
肩と背部を覆うマントが攻撃に対し、大きく広げられ、衝撃と威力を減殺していく。
《弱点属性雷:3》
機体の動きが僅かに鈍った。電子系統のショートか。関節からはバチバチと放電現象が起きている。
《無効属性:砲》
アビスのオーラが巨大な壁となって迫り出し、ミサイルを、ビームを、遠距離からの攻撃を呑み込んで消し去っていく。
戦闘プラン
エネミー配置時、ライバル属性持ちエネミーの範囲4以内にモブ・エネミーを壁のように配置する。また最初のラウンドではライバル属性エネミーは《瞬発行動》を使用しない。モブ・エネミーは《移動力強化》を使ってPCに接近し、射撃武器で攻撃し、次のラウンドにおいても移動し、白兵攻撃を仕掛ける。その後はPCを武装の射程内に収めたモブは動かずに射撃攻撃を行い。ライバル属性エネミーは先にオールレンジ・スプレーガンを打ち尽してから白兵攻撃を仕掛ける。
戦闘時台詞
マリーカ「敵機捕捉。供与された拘束呪法はやはり不完全である事が推測される」
マリーカ「ストレージ内の検索続行。襲撃に際してデータを消去された可能性有り」
マリーカ「供与された新式アビスジェネレーターの出力正常。データ収集を続行する」
FP60以下
マリーカ「撤退に向けて痕跡の消去を開始」
マリーカ「鳳市防衛隊所属ガーディアンを脅威と判定」
撤退時
マリーカ「本作戦継続不能。グラビトロン級の奪取失敗。ただちに帰投する」
戦闘終了描写
機体が崩壊する刹那、その機影はまるで風景に溶けるかのように消え去っていく。それと同時に周囲で人々の寝起きの声が上がり始める。確かに彼等は基地の人々を守る事に成功したのである。
結末
主人公達の活躍で鳳市防衛隊駐屯地を守り切れば、シーンを終了。エンディング・フェイズに移行する。
『エンディング・フェイズ』
登場者/PC1/PC2/
場所/任意
もしミズホと出会っていれば、事件に付いてのあらましを聞くという体で歓楽街の何処かで落ち合い、酒やら食事やらをしているシーンとする。それ以外の場合は出会ったPC1とPC2の男ばかりの悲しい晩酌をするシーンとなる。
ミズホから齎される情報
*密かに防衛隊に新型ガーディアンが運び込まれており、敵はそれを狙っていた。
*どうやらレムリアの魔法使いが事件には関わっていたらしい。
*新型ガーディアンのパイロットに何故か選ばれてしまった。
シナリオ終了描写
難しい事は彼等の上司が何とかするだろう。君達にとって本当に価値ある勝利とは仲間を、あるいは得意先を救った。それだけでいいのだ。これが幾多の戦いに巻き込まれる序章だという事を彼等はまだ知らない。
【総括】
今回のシナリオは探索と判定をとにかくこなす事を目的にしたシナリオである。ホラーサスペンス的な要素を取り入れ、ゾンビこそ出てこないが不気味な雰囲気を演出していく事はGMにとっても経験となるはずだ。いきなり倒れた人々、ずっと感じられる視線。このような緊迫した状況の中で判定をしていく事は段階的に気分を盛り上げる事にも繋がる。判定する事にPCやGMが慣れる事はセッションの時間を効率的に使う大事な要素だろう。もたついて判定していると緊張感が薄れたり、惰性が生じるものだからだ。判定に慣れたら、より複雑なセッションを効率よくやっていく事が可能になるだろう。
シナリオ【視線を追え】了
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