【入門用少人数シナリオ】ブランケット・デイズ2

【入門用少人数シナリオ】ブランケット・デイズ2


メタリックガーディアンRPG


使用ルールブック メタリックガーディアンRPG(基本ルールブック) EXルールブック(サードワールドウォー)


【入門用キャンペーン・シナリオ】


ブランケット・デイズ~焼けた陽光~


【セッション概要】


キャンペーン用セッション。

少人数用入門シティ・シナリオ。

ミドルフェイズ有り。


*ブランケット・デイズ~一夜の始まり~から続けて遊ぶ事を前提としています。対象人数4人に変更しました。思ってたよりもエネミー強かった……強いクラスじゃないと詰む事がかなり多かったので。


【対象人数】4人


【推奨レベル】7~9


【場所】イヅモ特別区鳳市


【NPC】2人


【モブ】複数


【エキストラ】複数


【経験点】基礎195点+α


『195点』


シナリオ・ミッションを達成した。


『1点』

セッションに最後まで参加した/グランドミッションを達成した(人々の平和を守る)/個人ミッションを達成した。


評価点


『1点』

良いロールプレイをした/他のプレイヤーを助けるロールプレイをした/セッションの進行を助けた/手配、提供、連絡、調整を行なった。


【アフタープレイ時のPC成長】


次回キャンペーン推奨レベル12~15。


【セッション・トレーラー】


 世の中、本当に困った事が起ると大きく分けて二つの人種にお鉢が回ってくる。一方は根っからの善人。もう一方は根っからの仕事人。彼等の間には深い溝があるようで実際には紙一重だと言う者もいる。確かに人々はその目で目撃するだろう。例え、人種が、民族が、思想が、地位が、資産が、門地が、性格が、性別が、あらゆる全てが違おうと……彼等はやはり似た者同士なのだと。夜の帳に再びの影が落ちる時、助けてという声は響いた。


 次回メタリックガーディアンRPG。


 ブランケット・デイズ~焼けた陽光~


 そのはがねかいなで悪を討て!!!




【ハンドアウト】


キャンペーン・シナリオの2話である為、無し。


*注意


 本シナリオはブランケット・デイズ~一夜の始まり~においてPC1、PC2がいた事を前提として作られたものであり、シナリオ改造の際には変更、削除、追加を行なっても構わない。




【オープニング・フェイズ】


『マスターシーン』


登場者/???/エキストラ6人

場所/イヅモ鳳市郊外


???「はぁはぁはぁ……」


 静けさに沈む郊外の森林地帯は鳳市にとっての水源やキャンプ地などが点在するレジャースポットの一つだ。


 しかし、現在その閑静なはずのキャンプ場の道を息を切らして歩く者が一人。


 季節外れな事もあって、休日以外は閉まっている敷地内は蟲の僅かな声しかせず。


 ポツポツとある外灯も電源が入っていない為、夕闇に沈み始めた周囲は薄暗かった。


???「ッ……!!」


 そんな声ならぬ声と共にアスファルトの道に僅かな紅の筋が引かれる。


 たぶん、素足を転がっていた硝子のようなもので切ってしまったのだろう。


 何とかそこまで辿り着いた人影は足を引き摺りながら外の道路へと続く道を急いだ。


 振り返っても未だ追ってくるのは影ばかり。


 それが良かったのか。


 悪かったのか。


 その出入り口を封鎖する鉄製の門扉を何とか乗り越えて。


 ポタポタと落ちる紅で道に染みを残しながら、人影は山岳部から見える鳳市の明かりに向かって歩みを進めた。


 そんな奇妙な素足の何者かが、その場から消えて数時間後。


 まったく人影の無いキャンプ場の正門前に複数の足音がやってくる。


足音の主A「見つけたか?」


足音の主B「いや、まだだ」


足音の主C「どうする?」


足音の主D「この地面に落ちた血の様子からして、向かったのは間違いなく市街地の方だろう」


足音の主E「面倒な事になったな」


足音の主F「だが、山で遭難されるよりはずっと探し易いだろう」


足音の主A「これより探索を再開する。各自、捕獲用の装備を点検し、行動に移れ」


足音の主BCDEF「「「「「了解」」」」」


 答えた複数人の足音の主達は数分後には正門前を車両で走り抜けていった。


 遠方に見える街の明かりは何一つ変わらず。


 煌々と輝き続けていた。


 その内側に新たなる事件の種を孕みながら………。




『オープニング・フェイズPC1の場合』


登場者PC1/オリジナル・エキストラ4人

場所/鳳市繁華街


風景描写


 今日も鳳市の繁華街は賑わっていた。以前に世間を騒がせた事件からはしばらく立っている。客引きの声に路地に屯する若者、露天のアクセサリーが輝いたかと思えば、鳳市警のパトランプも点滅する。本日も平和だと分かる世界には飲み屋のダクトから吐き出される料理の匂いが満ちていた。そんな路地の道端で数人の若者達が何やら話し込んでいる。


台詞


青年A「なぁ、やっぱ警察に言った方がよくねぇか?」

青年B「つったってよー。110番するわけにもいかねぇし。つーか、電話番号分かっちまうしなぁ」

青年C「公衆電話が生きてる時代でも無ぇからなぁ……」

青年D「でも、ありゃたぶん育児放棄ってやつだぜ?」

青年A「イクジホウキ? 何だそりゃ」

青年B「ま、運が無かったって事で……まあのガキもそのうち帰るだろ。あっちの方は飲み屋しかねぇしよ」


結末


 不穏な会話を聞いて、子供の下へ向かったら終了し、PC2のオープニングに続く。1人の場合はそのまま次の合流シーンに飛ぶ。


*ちなみにPCが感心を示さないような事があれば、合流シーンにおいて少女の方から偶然にPCへと近づいてくるという具合に進行する。




『オープニング・フェイズPC2の場合』


登場者PC2/オリジナル・エキストラ4人

場所/鳳市繁華街/同時間帯


台詞


女子高生A「ちょーかいわそーだったんだけどー」

女子高生B「でもさーあたしたちに出来ることなんてないし」

女子高生C「で、でも、やっぱケーサツに言った方が……」

女子高生D「やめときなって。無駄に話聞かれてメンドーな事になるから」

女子高生A「確かあっちってヤバイ連中が集まってるところだったんじゃ……」

女子高生B「どーせ、オヤがそのうち見つけにくるって。それよりこのバッグどう? どう? 実はブランドもんなんだよね~♪」


結末


 不穏な会話を聞いて、子供の下へ向かったら終了し、合流シーンに飛ぶ。


*ちなみにPCが感心を示さないような事があれば、合流シーンにおいて少女の方から偶然にPCへと近づいてくるという具合に進行する。




『オープニング・合流』


登場者PC1/PC2/オリジナル・NPC/オリジナル・エキストラ4人

場所/鳳市繁華街の飲み屋横丁

シナリオ・ミッション/少女を守る


風景描写


 飲み屋街の端。薄暗いビルの路地裏で泥が付いたスーツに怒る酔っ払ったその筋の人間が複数人声を荒げていた。その中心には少女が一人頭を抱えて蹲り、震えている。彼等は確かに聞いていた。助けてという小さな言葉を……。


台詞


ヤクザA「おい。このガキィ!! 人の服に泥付けて何逃げようとしてんだ!!」

ヤクザB「薄汚ねぇガキだな。どっから湧いて出たんだ?」

ヤクザC「おい。何とか言えよ!! 親何処だ!! 親!!?」

ヤクザD「何とか言わねぇか!! ああん?!!」

ヤクザE「チッ、白けちまったぜ。せっかくイイカンジだったのによ……」

ヤクザF「おい? オジサン達が怒る前に少しは何か言った方がいいんじゃねぇか? ああ?」


判定 少女を助けられるか?


判定はどちらか一つ。自信のある方で選ばせてよい。目標値は公開。


【反射or体力8】

成功/ヤクザ達の肉体が佳麗に地面へと張り付く。

失敗/ヤクザ達の反撃で傷を負った。HP-1


【幸運or知覚8】

成功/ヤクザ達は奇襲によって何も出来ずに地面へと沈んだ。

失敗/ヤクザ達の反撃で傷を負った。HP-1


 少女の状態:ヤクザの言動に震えて頭を抱えて縮こまっている。ヤクザが排除もしくは逃げていったらPC達を見て、その後ろを付いて来る。尚、喋れず受け答えは出来ないが意思表示は首を立てに振るか横に振るかで示す。


少女の描写


 年齢10歳。白いローブのようなワンピース姿。薄汚れており素足。喋れない。海月のような縮れ毛を纏めると顔は歳相応に愛らしい。


 1 PCに助けられた場合


 少女はヤクザ達を追い払った君達を見ていたが、すぐに立ち上がると傍に来て頭を下げた。


 2 PCに付いていく場合


 少女はどうやら君達の方が気になるようで、その指先でPC達の裾をチョコンと握っている。


 3 PCの問い掛けられた場合


 少女は済まなそう顔で何も喋らず俯いた。


 4 PCが笑った場合


 少女もまた君に笑い掛けた。


 5 PCが警察に行こうとした場合


 少女は今にも死んでしまいそうな顔で首を必死に横へ振って、君の身体に縋り付く。


結末


 PCが自発的に住宅へ連れ帰るとした場合はそのままミッションを与えて終了。それ以外の場合は警察が騒ぎを聞き付けてやってくるので少女を連れて逃げないと警察に拘留される事を伝えて、共に逃げ自宅に匿う事を推奨してシーンをミドルフェイズへと続ける。



『ミドルフェイズ/開始』

登場者PC1/PC2/オリジナル・NPC

場所/PC達の住宅


*PCが2人の場合はどちらかの住宅へ済し崩し的に泊り込んだ事とする。また、此処で少女はPC達に懐いた事とし、RPで仲良くなっても良い。適当なところで何かしらのメディア、新聞やラジオ、テレビ、インターネット等で昨日ヤクザが倒れていたニュースを入れる。その後、イヅモ防衛隊の駐屯地で恒例の感謝祭が開かれる旨が報道され、それに少女が行きたいと態度で示す。


台詞


報道「昨日午後11頃、鳳市繁華街において特定指定暴力団××組の構成員と思われる二十代から三十代の男等数人が少女に暴行を加えようとしていたとの通報で逮捕されました。本人達は見知らぬ相手に自分達が暴行されたもので、何もしていないと話しており―――」


報道「本日は鳳市防衛隊の駐屯地において恒例の感謝祭が開かれており、参加者人数は1万人程になると見込まれています」


結末


 少女とPC達のRPを行い演出を終えたら、最終的に感謝祭へ赴く事と決まってシーンを終了。


*少女はどんな事をしても感謝祭へと赴こうとするのを演出する事。行かないとPCが言い張ろうと最終的には赴く事になる。




『ミドルフェイズ/防衛隊感謝祭/情報収集』

登場者PC1/PC2/オリジナル・NPC1人/NPC1人

場所/防衛隊駐屯地


風景描写


 鳳市を守る防衛隊の顔というべき人物が周囲の観客達を前にして演説している。しかし、客達の視線はどちらかと言えば、出し物の方へ向いており、一応は聞いているというポーズに過ぎないようだ。駐屯地の敷地の端から端までズラリと並んだ露店には定番のものから軍用レーションやモデルガン、軽い軍事オタク御用達の小物を並べる雑貨店まで多種多様。殆どの店はどうやら駐屯地の人間がやっているらしく本格的でディティールにも凝っていた。


台詞


矢車コウゾウ(MGR166)


「え~本日はお日柄も良く。この鳳市を守る砦にようこそおいで下さいました」

「あ~これから駐屯地所属の部隊が皆様にシッカリとした訓練の成果をご覧に入れる事となるでしょう」

「では、これにて感謝祭の(以下略)」




調査・判定内容


1美味しい露店の在り処

【理知9】

2素早く露店で食料調達

【反射10】

3人混みで少女に気を使って歩けるか

【体力11】

4露店の誘惑に負けず少女を休ませられるか

【意思12】

5少女にお祭りで一番人気の景品を取って上げられるか

【幸運13】

6祭り中の少女の仕草から素性に関する情報を得られるか

【知覚10】


判定成功時・調査結果

1美味しい露店を見つけた事で少女からの好感度+1

2素早く露店で食料を調達した事で少女からの好感度+2

3少女に気を使って歩けた事で少女からの好感度+1

4露店の誘惑に負けず休ませられた事で好感度+3

5一番人気の景品を取って上げられた事で好感度+4

6少女の歩き方が足音を消す為の特殊な軍で覚えられるものだと知れる。


判定方法


 2D6を振る。2人の場合は其々に違う判定を行なう。複数のPCで一つの判定調査を行なう事は出来ない。


クリティカル判定


6以外の判定にクリティカルした場合、その時の好感度に+2


結果


好感度+6以上で少女が地面に数字の羅列を書いて何かを伝えようとしてくる。その場合、クライマックスフェイズでイベントが起こる。それ以外の場合は少女が楽しそうな素振りでいながらも、何処か視線が寂しげだった事をPC達は感じる。


結末


 感謝祭が穏やかに過ぎて行って終了。ミドルフェイズ戦闘へと移る。




『ミドルフェイズ/戦闘』

登場者PC1/PC2/オリジナル・NPC/エネミー(モブ)複数

場所/防衛隊駐屯地


風景描写


 感謝祭を満喫している人々の和やかな雰囲気の中。夕暮れ時となった現場からはゆっくりと人が捌けていく。また来ようとせがむ子供に笑みを浮かべる両親。そんな景色を何処か寂しそうに少女は見つめていた。しかし、その時、駐屯地のレーダーが爆発と共に砕け散り、儀仗兵として並べられていたミーレスが遥か頭上から降り注ぐ閃光によって貫かれる。それは逃げ惑う人々の悲鳴に乗じてやってきた。




【エネミーデータ】


『ヴィクラマ重強襲型』


種族アビスミーレス


レベル(モブ)5 サイズL


移4 行10 FP45 EN55


命10 回6 砲11 壁5


武装1:大出力ビームサーベル

攻:(光)+14/白兵(10)  C値:11

対:単体 射程:0~1


武装1:大型ビームマシンガン

攻:(光)+14/射撃(10)  C値:11

対:単体 射程:1~4


武装1:多連装ミサイルポット

攻:(炎)+10/砲(11)  C値:11

対:単体 射程:1~6


防御修整:斬15 殴15 炎15 


特技:《攻撃強化3》《シールドガード20》《状態獲得:飛行》《斉射2》


PC1人に付き×3体


戦闘プラン


 エネミー配置時PC周囲に近距離、中距離、遠距離の順に武装が届く距離で置く。また最初のラウンド中は近距離、中距離以外のエネミーは移動せずに攻撃。近距離、中距離のエネミーは移動して出来るだけ近付き攻撃して終了。


『ヴィクラマ重強襲型』の戦闘時ダイス


大出力ビームサーベル(光14+3D6)

大型ビームマシンガン(光14+5D6)

多連装ミサイルポット(炎10+5D6)


*地形マップに付いて


 防衛隊の駐屯地という事で地形には移動困難・障害物を複数配置する事。また基地である事を考慮して部分遮蔽と完全遮蔽を壁際に幾つか置いておくものとする。




戦闘後描写


 突如として襲撃してきたガーディアンを破壊する事に成功したものの。周囲には戦闘の余波で怪我をした軍人が多数。その上、民間人を避難させていた為に満足な迎撃体制を取れなかった事で一部では防衛隊に対する非難が始まっていた。しかし、戦闘を終わらせて軽い事情聴取に追われた彼等はその後に知る。避難させたはずの少女の姿が何処にも無いという事に……。


結末


 少女の行方をPC達が探し初めて終了。




『クライマックス・フェイズ』

登場者PC1/PC2/オリジナル・NPC/エネミー(BOSS)/エネミー(モブ)複数

場所/鳳市郊外旧市街廃墟


対決描写


 少女が何処に言ったのかを聞き込んだ結果はすぐに知れた。一人の成人男性が眠っていた少女の親族と名乗り、そのまま車両で走り去ったと言うのだ。どうにかその足取りを掴んだ彼等は旧市街廃墟へと向かう。其処は未だ処理費用も出せずに放置されている瓦礫の山、嘗ての人の営みの残骸だけがあった。その最中に目的の車両を見つけた今、もはや何を躊躇う必要も無い。男を打ち倒し、誘拐された少女を取り戻せ。


対決ロール


方法 GMとPCで2D6を振る。誘拐者の能力値は対決能力表示横のもので行う。対決は一つの値に複数人のロールが出来ない。反射対決に勝利した場合は知覚対決を行なわない。


『意思』4+2D6

勝利/少女の姿に躊躇わず車両の車輪に攻撃を命中させた。

敗北/少女の姿に躊躇した結果、車両にダメージを与えられなかった。


ダメージを与えた場合、次の対決において判定値+2する。


『反射』5+2D6

勝利/車両に飛び移り、車両を停止させた。

敗北/車両に接近したが、拳銃を避ける為に引き離されてしまう。


車両を停止させた場合、その場で知覚判定を飛ばして体力判定へ。


『知覚』3+2D6

勝利/相手の車両コースを見切り、前方へと出て速度を無理矢理落とさせた。

敗北/相手車両の運転が一枚上手か追いつけない。


速度を落とさせた場合、次の体力判定値に+2


『体力』5+2D6

勝利/何とか車両内部の相手を制圧した。

敗北/抵抗に会い車両が横転した。

敗北(反射勝利後)/車両の中から何とか少女のみを助け出した。


敗北において車両が横転した場合、車両内の少女が気絶し、ミドルフェイズ時に数列を教えられていてもクライマックスバトル時イベントが起こらない。


対決時のクリティカル及びファンブル。


対決ロールの何処かでクリティカルした場合、奇跡的なPC達の活躍によって少女は無傷で助け出される。


対決ロールでファンブルした場合、次の対決ロールにおいて対決値に-1される。




『イベント/強襲』


風景描写


 少女を救出した瞬間。彼等は山間から飛び立ち、自分達のいる場所まで高速で飛行してくるガーディアンらしきものを捕捉する。それはアビスミーレスの群れと一際大きなフォートレス級アビスガーディアンだった。何の為に少女を狙うのかなど知る由も無いが、一つだけ分かっている事がある。仲良くなった少女を見捨てて逃げられる程、彼等は臆病でも無ければ、無力でも無いという事だ。


 今こそ、その鋼の腕で悪を討て!!


『イベント/少女の正体』


条件/ミドルフェイズ調査にて少女に数列を教えてもらっている。尚且つクライマックスフェイズの対決ロールにて少女が気絶していない。


描写


 ラーフのガーディアン部隊が襲い来る最中。少女は意を決したように小さな声で歌い出した。それは言語というよりも数字の羅列を謳い上げているようでもある。それに呼応してか。巨大なフォートレス級ガーディアンが高度を落として墜落していく。それと同時に少女もまた額に汗を浮かべて崩れ落ちた。その胸からアビスシードが浮かび上がり、華を散らすように消えていく。


効果


 BOSS属性エネミーからFP-50。加護からトールとオーディンを削除。




【エネミーデータ】


『高速突撃型ヴィクラマ』


種族:アビスミーレス


レベル7(モブ) サイズM


移4 行15 FP65 EN50


命13 回7 砲14 壁4


武装1:ベアリング・ショットガン

攻:(殴)+15/射撃(13)  C値:12

対:単体 射程:0~3


武装2:ハイパーラムジェット・ミサイル

攻:(炎)+20/砲撃(14) C値:12

対:単体 射程:2~6 代償:弾数1

弾数:2


防御:斬15 殴15 炎15


特技 《攻撃力上昇4》《シールドガード15》《BS付与:放心》

    《射程外砲撃:2》《状態獲得:飛行》《鬼才10:射撃》


描写


 バックパックの横に二発の大型ミサイルを積み。片手に持ったショットガンが印象的な飛行強襲型ヴィクラマ。その鈍重そうな外見とは裏腹に素早い連携で絶え間無い波状攻撃を仕掛ける事が可能。


PC1人に付き3体。



『デュ・バリエ重砲撃型』


種族:アビスガーディアン


レベル13 サイズXL


移5 行5 FP250 EN80


体14+4 反10+3 知12+4


理12+4 意15+5 幸12+4


命16 回3 砲18 壁3


武装:無線誘導式ビームリングチャクラム

攻:(光)+25/白兵(16) C値:12

対:範囲3Σ 射程:0~4


武装2:オールレンジ・イグニスバースト

攻:/(光)+40/砲撃(18) C値:12

対:範囲2Σ 射程:3~7 代償:弾数1

弾数:2


特技 《プロテクション20》《状態獲得:飛行》《鬼才9:白兵》

   《状態撃破4:放心》《指揮能力2》《BOSS属性》《攻撃力上昇3》 


防御:


加護

《トール》×2 ダメージロール直前に使用。ダメージに10D6。

《オーディン》 加護打消し。

《ヘルモード》 リアクションをクリティカル。または任意の位置に移動もしくは退場。

《フツノミタマ》 攻撃のダメージに自らの【FP-実ダメージ】分のダメージを上乗せする。

《ミューズ》×2 イニシアチブ時、即座にメインプロセスを行なわせる。


描写


 全高80mの漆黒の巨人。背後に背負った巨大なラック内部から放たれる使い捨てのイグニス群によるオールレンジ特攻攻撃と両腕に据え付けられた巨大な4つの無線誘導式ビームリングチャクラムで敵軍を殲滅する超重量級フォートレス。




戦闘プラン


 エネミー配置時、モブはPC周囲に近距離、中距離、遠距離の順に武装が届く距離で置く。また最初のラウンド中は近距離、中距離以外のエネミーは移動せずに攻撃。近距離、中距離のエネミーは移動して出来るだけ近付き攻撃して終了。BOSS属性エネミーはPC達から最も遠くの位置に配置し、最初のターンは移動してミューズによってモブの行動回数を増やして終了。次のターンからPCに対して攻撃を開始する。初撃と撃破寸前時にオールレンジ・イグニスバーストを使う。


戦闘描写/特技使用時


《プロテクション20》


その巨躯が鳴動した時、装甲を覆うフィールドが唸りを上げて輝きを増して攻撃を弾いていく。


《鬼才9:白兵》


変幻自在な機動を描く攻撃が四方から相手へと殺到した。


《状態撃破4:放心》


その隙を見逃さない攻撃がガーディアンの間隙を穿つ。




戦闘終了描写


 撃墜されたヴィクラマからラーフのパイロット達が脱出し、逃げ出していく。しかし、彼等の目には自分達の指揮機であるフォートレス級ガーディアン。デュ・バリエは無いようだ。砕けていく機体が自重で崩壊した時、そのコックピット内部が露わになる。しかし、其処にパイロットは居らず。複数のアンテナが突き出た奇妙な箱のようなものが載っているだけだった。それもまた崩壊の最中に消えていく。そうして、いつの間にか夜の帳が落ちた周囲には防衛隊と鳳市警の車両が押し寄せてきていた。PC達の傍らでは少女が今は穏やかな寝息を立てている。


結末


 少女を守り抜いた事で事件は終了し、少女の事を知られたPC達は警察や防衛隊に事情を話さざるを得なくなる。少女と共に事情を説明しに行って終了。




『エンディング・フェイズ』


登場者/PC1/PC2/

場所/ひまわりの家正面玄関


シナリオ終了描写


 調査と検査の結果。少女はアビスシードを持つラーフ側の秘密工作部隊が運用していた無線操縦式ガーディアンの被検体である事が分かった。しかし、少女は強制されて実験に付き合わされていた事が分かり、お咎めは無しとの司法判断が下される。少女は最初、防衛隊の研究施設などに預けられる事が決定していたが、人道上の問題からすぐその話は撤回され、鳳市にある“ひまわりの家”という孤児院に預けられる事となった。全てが終って数日後。彼等は珍しく明け方の光の中で立ち止まっている。何度も振り返っては笑顔で手を振っていた少女がひまわりの家へ入っていくのを見届ける為だ。これから学校にも通える事となるらしい。踵を返した彼等に夜を守る理由が増えたのは当然の事だろう。夜の住人には目に焼け付く陽光は眩し過ぎて、欠伸と共に視界が滲んでいた。そういう事にしておきたいのが大人の矜持というものなのだろう。




【総括】


 一見して何も関係が無さそうな話を続けているが、キャンペーンシナリオは複線を張り巡らせるのも醍醐味の一つとなる。今回のシナリオの特徴はヒロインの導入と日常的なRPの練習、そして緊迫したカーチェイス。ハラハラドキドキするような映画で言うところの敵やヒロインの追跡展開である。想定されたキャンペーンシナリオの話数は8話。その中でキャラクターのレベルは最大で30くらいまでを想定している。途中でダレてしまうのを防ぎ、キャラクターをドンドン強くしていく喜びがあれば、高レベル帯でのチャレンジするモチベーションにも成るはずだ。基本的にはキャラクターが死なない程度に敵が強いシナリオと多めの経験点でPC達には遊んでもらい、レベルだけではなくパーツやオプションの購入、特技取得や能力を伸ばす事で長く楽しく遊べればよい。


               シナリオ【ブランケット・デイズ~焼けた陽光~】了

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