Scene43「極致」


―――11次元境界域コロニーデュカリオン・メインシャフト付近。


『では、始めるぞ。準備はいいか? アハト』


『りょーかい』


『こっちも大丈夫です。神野艦長さん!!』


『こちらクリフリッケン・バイン。PS4‐イーグル……周辺領域に現在のところ異常無し。警備は万全だ』


『分かった。では、これよりオペレーション・ディスカバリーを発動する!!』


 何処とも知れぬ異次元の狭間。


 七色の不可思議な領域に囚われたコロニーのメインシャフトを牽引して。


 巨大な数km単位はあるだろう三角錐。


 フォートレス級ガーディアン。


 エピオルニスがその漆黒に金の縁取りをされた機体を一点へ向けて猛烈に加速させ始めた。


 その四方の切っ先には巨大な牽引用ワイヤーが括り付けられたパーツが装備されており、同じく巨大なコロニーのメインシャフトをゆっくりと動かしていく。


『おお!? 動いたぞ!!?』


 メインシャフト内部。


 コロニー内部の人々がどよめき。


 其々に肩を叩き合って喜びに湧いた。


『こちら龍宮マナ。リングシャード。謳います!!』


『マナ。がんばれ!!』


『うん。アハトちゃんも聞いてて……きっと、此処からみんなで出よう!!』


 エピオルニスの円錐頂点部分。


 其処にまるでパラボラアンテナのような部分が存在し、その中心には桜色のガーディアンが一機、機体を固定されていた。


 コンチェルト級ガーディアン。


 リングシャード


 主にリンケージが謳う事で奈落を浄化し、戦意高揚、加護の如き奇蹟を起こす支援用機体として開発されたソレの中で響く歌声が中継する機材の頚城を越えて、大きく世界に響き始める。


 それはAL粒子の力だけではない。


 波動と呼ぶべきものが世界を構成する全ての物質と共鳴したかの如く。


 響き合い、奏で合いながら、拡散しているのだ。


 異次元の狭間をステージにして謳われるのは何ら特別な力無き彼女の持ち歌。


 だが、その明るい曲は確かにコロニー内で聞く人々の心を奮い立たせた。


 上がる歓声と共にリングシャードの周囲でスカート状の翼から拡散されていたAL粒子の輝きが大きく広がって、メインシャフトとそれを牽引するエピオルニスの周囲がぼんやりと光に滲んでぼやけ始めた。


「空間の歪曲始まりました!! AL粒子フィールドの収束開始!! 次元境界への干渉拡大!! 重力が消えていきます!! 前方12.14232km地点に平坦な時空が出現!! 艦長!! 突破可能となりました!!」


 コロニーの真後ろで接続用のアームに船体の前部のほぼ全てを埋め込んでいたギャラクシー級高機動戦艦のメインブリッジで目的の座標が必要な状態になったのを確認した神野信一郎が頷く。


「メインブースター点火!! これより我が艦はデュカリオンを押し出し、この次元を突破する!!」


『了解!!』


 オペレーションを行なうメインシャフト内の技術者達や周囲での観測を行なっている作業員達がその声に返し、巨大なコロニーの残骸が大きく動き出した。


「周辺監視を厳に!! 些細な情報も見逃すな!! アハト!! バーニアの出力は安定しているか!!」


『こちらエピオルニス。出力異常無し』


「では、第二次加速に入る!! 合せて行くぞ。カウントダウン開始!!」


『カウントダウン開始。15、14、13―――』


 メインシャフトが前から引かれ、後ろから押され、何も無さそうな虚空へと向けて加速していく。


「艦長!! リングシャードが突入するまでに残り6320mを切りました!!」


「聞こえているな。マナ君」


『は、はい!! 神野艦長さん!!』


「これより君の機体がこの次元の壁を突破する最先頭となる。だが、ブリーフィングで言っていた通り、我々の知る宇宙、我々の知る時間軸に戻れるかどうかは分からない。戻れたとしても、そこが生存可能かどうかもな。だが、君の歌が繋がる先にある世界を、ALを奏でられたならば、可能性は在る。だが、同時に君の機体が周辺環境に耐えられるかどうかはこの作戦上、考慮されていない」


『分かってます……』


「時間も無く。機材も有り合わせ。オペレーションに至っては一時間で立てた即席だ。だが、酸素の都合上、これしかメインシャフト内の人々を助ける方法は無い……だから、私からはこの言葉を送ろう」


 サウンドオンリーの先に青年はハッキリと告げる。


「戦え。君の目の前にある壁の全てと。私は軍人で君は歌手だが、その乗り越えるべき壁はきっと同じものだ。リンケージとなった時から、ガーディアンに乗った時から、我々はその先へ行く為に生きている」


『はいッ!!」


 その少女の声に神野はグッと拳を握った。


「間も無くリングシャードが平坦な時空に突出します!! リングシャードからの情報を解析した結果が出ました。事前の推測通りです!! 歌声に反応した次元境界先のAL反応を検知!! 解析結果を元にコロニー側からの航路予測出ました!! リングシャードに送ります!!」


「リングシャード突入まで残り12秒!! 10、9、8―――」


 桜色の機体が振動に襲われる中。


 その機体を据え付けたエピオルニスの中から声が響く。


『大丈夫。マナは絶対、守るから!!』


「うん。ありがとう……アハトちゃん」


「リングシャード境界に突入!!」


 ゴッと巨大な衝撃がエピオルニスとメインシャフト、ギャラクシー級に襲い掛かる。


 今まで光学映像で観測されていたエピオルニスの先端部がまるで見えないカーテンに覆われて行くかの如く……消失していく。


 その消えた部分とまだ見える部分の境界には幾つもの稲妻が走り抜け、それをAL粒子が弾き返していた。


「リングシャードとのリンク部分途絶!! 映像と音声は送られてきません!! ですが、フィールドでコーティングした回線は生きています!! 次元境界内からの情報は―――な、何コレ?! た、多数の奈落反応検知!!?」


「状況E!! コロニーシャフト内の住民へただちにコールドスリープ開始!!」


 信一郎の言葉に従って予め生命維持ポットに入っていた大半の住人達がその目を閉じ、深い眠りへと入っていく。


 その間にもエピオルニスの四角錐状の全体が半分以上掻き消え、稲妻に覆われていた。


「解析班からの情報です!! 突破先の現状を確定!! 宇宙―――座標は……大気圏上層部?! 奏でられたALの反応先はローレシア北部諸島付近です!!」


「大気圏突入中の戦闘になるか?! いや、それよりもメインシャフトを減速させられるのか?!! クソッ?!!」


 思わず信一郎が拳を艦長席に叩き付けた。


「エピオルニスからの音声、映像情報途絶!! ですが、送られてくる情報では武装がフル稼働されています!!」


「エピオルニスにバーニアへの直撃だけは貰うなと通信を送れ!! これより本艦は迎撃体勢に入る!! 突入と同時に全無人哨戒機を発艦させるぞ!! 砲雷撃戦用意!! 今は突破の事だけを考えろ!! 副砲と主砲の管制をこちらに回せ!!」


「了解!!」


「エピオルニスの全体が突入しました!! 続いてコロニーメインシャフト前方!!」


「必ず彼らを生きて帰すんだ!! 無論、我々もな!!」


 額に汗を浮かべながら、信一郎は艦内の全ての人員クルー達に告げる。


「そして、帰ったら友人知人両親恋人。誰にも自慢しようじゃないか。我々は次元の狭間からすら帰ってきた生還者サヴァイヴァーだと!!」


―――オオオオオオオオオオオォォオォォォォォォオオオオオオオオオオオ。


 腕を振り上げる整備師達。


 銃を振り上げるMP。


 駆け込んで来るだろうケガ人を待ち受ける衛生兵や医者達。


 艦が一帯となって信一郎の言葉に答えた。


「シャフト後方突入、本艦突入まで残り十秒!!」


「対ショック体勢!! 何かに掴まれぇえええええええ!!!」


 その時に備えて誰もが周囲の取っ手に掴まった。


 そうして、彼らは一瞬にして、その不可思議な色合いの空間から怖ろしき化物が跋扈する地獄の如き暗い濁流の中へと呑みこまれた。


 視た事も無い生物。


 視た事も無い造型。


 視た事も無い恐ろしき世界。


 それは確かに狂気に彩られた世界の果ての景色と。


 人の無力へ絶望するに足る状況だった。


―――機械が刻んだ時間にすればたった十秒の強行突破―――無限に続く奈落の使徒と狂気の化物達が狂乱する悍しい紫色の世界の果てに―――霞む光の筋を視て―――彼らはその意識を失った。


 *


―――オペレーション・ディスカバリーより数時間前。


 世界の中心で愛を叫べば、大抵は嘲笑されるか。


 あるいは目を丸くされるのがオチだろう。


 しかし、それがもしも怒号と鬨の声ならば、人々は感動すら覚えるかもしれない。


 即ち。


 中心とは戦場であり、戦場とは壁であった。


 壁は分厚く。


 30mの岩盤を一層毎に3mの合金とALの皮膜で覆う代物。


 その絶対の地下隔壁と32機の飛行型ファランクス級ガーディアン。


 スーパーとカバリエの中間機体を前にして。


 それでも荒那七士は絶望とは程遠い戦場の温さに浸っていた。


 ファランクス級と言えば、集団運用特化型の防衛兵器としてはトップクラスの力を持つ機体だ。


 互いにカバーし合いながらの戦術はハッキリ言って普通の機体に乗っていた頃の少年にしても厄介という認識だった。


 しかし、今や彼が乗っているのは超絶無比と言って差し支えないだろう旧い世紀の遺産。


 ついでに数ヶ月の運用によってようやく馴染むようになった機体の反応速度は日増しに彼へ最適化されていると今だからこそ、彼には分かった。


 コックピットの操作性は彼が大昔から乗ってきたライトニング級と然して変わらないが、それは見掛けだけなのだ。


 魂というべきものが機体と重ね合わせになった時。


 少年はたぶん意識するだけで乗ってもいない機体が動かせるようになると直感する。


 故に強く強く自らを保つ事もまた必要な事だろうと操縦桿を握り締めた。


 今やその瞳には自分の全身に浮かび上がりつつある緑炎の紋様が見えつつある。


 少しずつ通常の科学技術では理解出来ないだろう超常現象的な侵蝕に冒されているのだ。


「……少なくとも契約が終るまでは喰らい尽くしてくれるな」


 軽口を叩いて。


 少年は動き始めた空からの襲撃者達に腕を広げるようにして機体を晒した。


 その背後には5つの剣が浮かんでいる。


 その両手には2つの刃が握られている。


 そのフェイスのアギト内部には揺ら揺らと緑炎が燻ゆっている。


 ガトリングキャノン。


 ビームバルカン。


 レールランチャー。


 ショットガン。


 ライフル。


 バレットクラスター。


 まるで兵器展覧会の様相を呈した32機の同時波状飽和攻撃。


 既に大規模な基地を落としている宇宙人には此処でご退場願おうと基地の敷地内が猛烈な爆風によって地上施設の防御隔壁が軋む程の圧力を受ける。


 だが、それに満足する防衛部隊ではない。


 敵の能力は少なからず巨大なフォートレス級を軽く上回ると試算されており、加速された質量と熱量と圧力だけではまったく足りない。


 故に四方から強襲した12機のファランクス級が円陣を縮めるようにして高速で未だ敵機のいるだろう猛烈な火柱の中へとその両腕に装備された鉄杭パイルバンカーやソードレールガンを向けて突撃した。


 その加速力。


 弾丸すらも超えるだろうALの塊の突進が次々にようやく火柱の中に輪郭を浮かび上がらせた剛刃桜へと突き出された。


 十二機の同時近接攻撃。


 一機、二機ならば相手もどうにか出来るだろうが、十二機のまったく連携の取れた同時攻撃が避けられるはずもないとファランクス級のパイロット達は勝敗が決した事を確信していた。


 全天から襲ってくる全方位攻撃。


 炎柱の中に差し込まれる腕の表面装甲が熱量で解け始めるのも構わず。


 パイルとソードの群れが突き込まれ、激発した。


 椀部の炸裂機構から複数の加速用炸薬を使い切った薬莢が排出され、剣身部分が中心より割れた刃の柄内部から電磁加速されたアルミが接射される。


 剣そのものをレールとして打ち出された攻撃は全て一撃としか思えないような正確さで同時に放たれたのだ。


「やったぞ!!?」


 そう、ファランクス級の一機。


 その内部で喝采が上がった時だった。


 正面装甲を打ち抜く為に片腕を突き出していたその機体内部のモニターに緑炎に染まる2つの頭部センサーの色が朧げに浮かんで―――。


 ドゴォオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!


「うぁああああああああああああああああああああああああああああ?!!!?」


 次の刹那。


 正面の三機の中央。


 ファランクス級の頭部が吹き飛んでいた。


『ぜ、全機追げ―――』


 背後からソードを両手で突き込んでいたファランクス級の首が再び三つ飛んだ。


 三本の剣の切っ先が炎柱の中から迫り出していたのだ。


 刈り取られた首がクルクルと虚空で空転し、妙に間延びした落着音を立てる。


『う、うぁああ、あああああああああああああ!!!?』


 武器を放して片手のガトリングキャノンを速射した数機だったが、火柱の色が突如として変質して緑色に染まる。


 そうして、まだだと。


 加護を叫んだ者が多数。


 だが、何も起らない。


 まるで加護を一定時間発動不能にする加護。


 スィンを使われたように加護自体が起動せず。


 それでも何とか攻撃しようと剣を手放し、腕をパージして離脱した8機が上空の機体と連携して防御陣形を取りながら一定距離を保つ。


「この歳で曲芸に挑戦するのはな……」


 緑炎の柱が吹き払われた時。


 其処にいたのは無傷の剛刃桜だった。


 しかし、その全身を使ってやっている事に誰もが息を呑む。


 全方位からの攻撃。


 それを止めた手際は神掛かっていた。


 両腕の肘の内部に二本。


 両腕の前で浮遊した剣で二本。


 両腕の指先で二本。


 上げた片足の膝裏で一本。

 更に残った背後の刃で五本。


 6つのパイルと6つのソードが逸らされ、受けられ、絡め取られ、全ての攻撃が直撃していなかった。


『化物め!!?』


 パイロット達が畏怖したのも仕方ない。


 同時に12機の攻撃を“操縦技術”で受け切るパイロットなんてものは彼等の常識の範疇を超えていた。


 確かに機体性能差もあるだろう。


 イグニスの如き刀剣は特別にも見える。


 だが、直撃していないとはいえ。


 それでもずらされた攻撃は紙一重で機体の表面装甲スレスレを“通過させられている”。


 どんなクソ度胸があっても、死の恐怖に抗わずして、そんな神業が成功するはずも無かった。


『各機中距離戦闘に切り替えろ!!』


 近接戦はまるで歯が立たない。


 だが、遠距離攻撃は緑炎で無効にされる。


 ならば、中距離での弾丸とビームの速射で削り倒すしかない。


 その結論に到った彼等の心境を一言で表現するならば―――絶望だった。


 雄叫びは畏怖を覆い隠す鼓舞か。


 鬨の声すら虚しく響く。


 砕けた腕と剣が落とされ。


 剛刃桜は身軽になった様子で片刃の大刀を両手で掴んで構えた。


「悪いが、無駄に相手をしている暇は無い。剛刃桜……出来るな?」


 問いに答えが返る。


 機体の出力が上がっていく。


 緑炎が全身の関節から噴出した。


 地獄で炎に染まる鬼の如く。


 あるいは全てを破壊する阿修羅の如く。


 強大な気配を纏った機体の周囲の地面が大きく沈み込んで。


『こ、攻撃開始ぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!』


 放たれた弾丸が、砲弾が、ビームが、ミサイルが雨霰と降り注ぐが、全て大刀の一線。


 薙ぎ払いにおいて発生した緑炎の衝撃で散らされていく。


 その間に少年が大きく上段へ構え。


「隔壁を断割れ!! 剛刃桜!!」


 振り下ろした。


 途端、上空から攻撃を仕掛けていたファランクス級が膨大な圧力によって吹き飛ばされた。


 攻撃の余波だ。


 ピシリと基地中央に奔った緑炎の細い一線。


 それと同時に地下隔壁が、30m以上の岩盤が、合金とALの皮膜毎割れ。


 大地が大きく亀裂に軋んで罅割れていく。


『ば、馬鹿な?! 隔壁を?!! いや、これは大地ごと?!!!』


 常軌を逸した光景。


 その中で救いが唯一あるとすれば、最初から基地に人がいなかった事か。


 基地襲撃があまりにも分かり易い順で、奈落兵器の貯蔵数順で襲われていた事から、事前に防衛部隊以外は退避させられていたのだ。


 もしもの時は基地の奈落兵器を自爆させるか。


 あるいは大量破壊兵器。


 弾道弾の飽和攻撃で沈める。


 そう決められていた故に。


 だが、それを知ってか知らずか。


 まるでさっさと逃げた方がいいとでも言うように機体が上空で失速しそうになっているファランクス級達を一瞥すると割れた隔壁の下。


 奈落弾頭と発射用サイロのある場所へと消えていく。


『こちらHQヘッドクォーター!! ただちに全機その場から離れてください!! 五分後に弾頭を自爆させます!!』


 後方の司令部からオペレーターが通信してくるに至り、彼等は自分達が任務を全う出来なかった事を悟った。


『聞こえたな。全機この場から離―――』


 ゴッと亀裂の合間から吹き上げた猛烈な緑炎にファランクス級の内部で多くのパイロットが悲鳴染みた声を上げて、機体を後退させる。


『ま、まさか?! もう!!』


 一線に上空へと飛翔した緑炎の塊が遥か弧を描いて何処かへと落ちていく。


 それを呆然と見つめながら、もう追い付けないと悟った現場指揮官は司令部にこう呟いた。


『こちら防衛隊……敵機は奈落弾頭の殆どを破壊。少数を奪取した可能性がある。我が方の損害4。ただし全機健在。追跡は不可能と判断。ただちに救援と救助を請う』


 結局、手加減されていた。


 命すら取る手間を惜しまれた。


 その致命的な実力差とプライドを打ち砕く完璧な敗北は全てのパイロット達に一つの答えを導き出させる。


『隊長……アレの中に乗っているのはきっと兵士にとっての理想、なんでしょうね』


 軍人として目指すべき極致を目の当たりにして彼等は後にこう報告書へ書き残す事となる。


 敵は宇宙人などではなく。


 真に力ある兵士であるはずだ、と。


 無論、多くの軍高官も政府高官も誰一人として、そんな非常識な戯言に耳を貸さなかった。


 それが本当ならば、敵は人類というものの中で最も優れた存在に違いなく。


 無能の烙印を押される事を忌避したからだ。


 いつの世も同じ。


 彼等は自分達の領分が及ばない領域の事柄を一括りに正体不明の代名詞で片付けた。


 それが今回は宇宙人というだけの話だったのである。

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