明けの三日月 Ⅱ

 渡し守は、言いました。

「むくわれない命なんて、あるはずがない。もし、その命がむくわれないと見えたとしたら、それは、そう見えた人が、ただ、そう思っただけのこと。どの命も、お月さまやお星さまから見たら、みんな同じように、たいせつな命なんだよ」 


 ふたりのかたわらでは、虹の橋行きの船が次々に出発していきます。


 渡し守は、そのこを抱き上げてたずねました。

「このまま 虹の橋に出発するかい? それとも……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る