夏のある日 Ⅵ
与えられたその場所で、ただひたすらに生きているだけの命を、
渡し守は泣き続けるふたりを見つめながら、
人間というのは、なんて残酷で身勝手で思い上がった生き物なのだろう。
山の中では生きる
後になってから、どんな言い訳や言い逃れを思いついても、すべて愚かなお
取り返しがつかなくなってから、どれだけ、悩み
なぜ、人間には、それがわからないのだろう。
その上に、なぜ自分の
でも、すぐそのあとに、渡し守は、思い直しました。
それが回り回って、そう思う人間たちを苦しめている。
その身勝手さや思い上がりが目隠しになり、耳も塞いでしまうのだ。自分に
渦に
それが幸せだと勘違いしたまま。
さらには、そういったもの同士で
なんて、因果なことだろう。
渡し守は、ふうと深くため息をつきました。
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