研究員の日記 七月十八日(プロローグ 21/25)

 研究員の日記 七月十八日


 定期会合のため叢雲むらくも博士がやってきた。亮次りょうじも一緒だった。


 亮次は、ゆっくりとながらも松葉杖なしで歩行できるまでに快復していた。

 研究所の医師はその快復の早さに驚き、ねぎらいの言葉を掛けていた。

 博士はいつも以上に多くの荷物を持ってきていた。訊くと、今日から自分もこちらに寝泊まりして研究を行うという。

 博士の研究室でなければできないことはほぼ終えたため、今後はこちらで我々の力を借りて研究を行いたいと言ってきてくれた。願ってもないことだ。


 私は錬換れんかん技術の研究に直接触れることを思うと、体が震えた。

 亮次も同時に博士の助手としてこちらに常駐することになった。

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