登場人物紹介 其の二

エルキューレ=ヘラクレス


ギリシャ神話に登場する英雄の一人。


本編では、彼が自身の手で倒したはずのヒュドラと共に登場。彼等とレイジーの間に何があったのかは不明だが、後々明かされることになるだろう。


スサノオととても仲が良く、彼もヒュドラそっくりのオロチと共に、再び本編に登場した。


スサノオと同じく、アレスに憧れを抱き、今日も英雄となる為、訓練を続けている。



ヒュドラ


ギリシャ神話に登場する、ヘラクレスに倒された化物の一体。


オロチと比べれば小柄な方だが、紙園全体で見れば、相当巨大な部類に当てはまる。炎を吐く事ができない訳ではないが、炎よりは毒を吐く事に長けている。


ヒュドラより吐き出された毒は、ヘラクレス本人をも死に至らしめる程の、非常に強力な物である。不死の性質を以ってしても、ヒュドラの毒を克服する事は敵わないのだと、ヘラクレスが語ってくれた。


紙園でも指折りの凶暴性を持つ生物だが、レイジー達を無差別に襲わないなど、ある程度の分別はあるようだ。



八岐大蛇ヤマタノオロチ


凶暴な化物として扱われがちだが、彼本来の姿は、『山神』ないし『水神』とも言われている。つまり、れっきとした神様であるという事だ。


日本神話の連中には、人の形をしていない神格が、他の神話に比べて多く、見た目が化物に近い者も少なくない。


オロチは、ヒュドラとは違って毒を吐く事はできず、代わりに炎を口から吐く。北欧神話や、ギリシャ神話の巨人族達に、勝るとも劣らない取らない大きさで、日本神話の神々の中では随一の大きさを誇る。


彼が動く姿は、正に『山がこちらに迫って来る』かの如き、圧倒的な迫力があり、温厚な神の多い日本神話には珍しく、荒ぶる神としての一面を持つ。


確かに神様なのは間違いないのだが、日本神話でも数少ない『喋る事の出来ない神』である。



九尾ここのお 御沙狐おさき


『九尾の金毛狐』と言い換えれば、誰でも分かりやすいのではないだろうか。


『九尾』という姓は、自身の通称からとった姓である。そして名前の『御沙狐』は、『尾裂狐おさき』というのが本名であり、読み方をそのままに、人の名前っぽく文字を当て字化したものである。


3つの国をまたにかけ、まつりごとの面から、それぞれの国を破滅に導こうとした妖獣……と、本編では説明されているが、彼女本来の姿は妖獣とは真逆の、『瑞獣ずいじゅう』と呼ばれる、平和な世の中を迎える吉兆をもたらす獣であるという、別の一面もある。


妖獣となるか瑞獣となるかは、彼女の気分次第……と言ったところか。



マルザータ=ハルファス・マルファス


グリモワール序列38・39位に位置する双子の大悪魔。階級は、ハルファスが『伯爵』で、マルファスが『総統』であるように、同じ双子とはいえ、階級まで同じではない。


72の悪魔達のなかでも、非常に珍しい、二人一組の大悪魔。食事も、寝る時も、戦闘も、常に二人一組で行動する。因みにこの2人は、レイジーの能力制限も関係なく、元から小柄な大悪魔。半分バエルの弟達のような存在でもある。



ガーナーズ=オロバス


グリモワール序列第55位に位置する大悪魔。階級は後述のガープ、シトリーと同じ、『君主』に属する。


階級は君主だが、見た目はヴィジュアル系……と言えば、彼がどんなキャラなのか、よく分かるのではないだろうか。


は、72の悪魔達どころか、紙園内でも折り紙付き。見た目は悪いが、目立った悪事は片手で数えられるほどしか行っていない。


若干、熱血漢気味なところがあり、アモンとよく親交のある大悪魔である。アモンと絡んでいれば当然、バエルとも親交は深い。その他には、同じ階級であるシトリーやガープ達とも、それなりの面識はある。


大体の大悪魔達は、同じ階級の大悪魔と面識があり、争わない程度には、みんな仲が良いようだ。



バッサール=ガープ


グリモワール序列33位に位置する大悪魔。階級はオロバスの説明でも触れた通り、『君主』に属している。


口調からしても、かなりの堅物で、主である筈のレイジーを、変態キャラと見なしている節が見受けられる。


彼女の能力は、本編の随所に出てきた瞬間転移。一時的に自身の姿や、任意の物体を異空間へと飛ばし、再び自分が存在した元の空間へと、再配置できる能力。


再配置する際、異空間に飛ばした物体を設置する場所に制限はなく、基本的にどこにでも設置できるという特徴を持つ。


本編の説明にもあった通り、物体が飛ばされる直前に運動を行っていた場合、その運動は異空間では行われず、元の空間へと再配置された瞬間、何事も無かったように再び運動を再開する。


能力的にもかなり便利なキャラであり、これからも登場する機会に恵まれるかもしれない。



対超常生命体用直立型機動殲滅機『一号機 デウスクエス』&『二号機 アラストゥム』


数字に表記揺れがあるが、時と場合によって、彼等の表記が変わる事に留意してほしい。


カエデとレイジーが共に所属していた軍が、2人を主軸に開発を進めた異世界侵略用の兵器……になる予定だったのだが、軍は見ての通り、カエデを残して壊滅。操縦者はカエデとレイジーになったままである為、自動的にこの2機は、カエデにデウスクエス、レイジーにアラストゥム……という移り方となった。


実は、一章に入る直前辺りで、上官の発言にあった『電脳連結機能』と言う単語。これはあるモノを指しているのだが、読者の皆は分かっただろうか。


掠奪者の騒動が終わった現在。この2つの機体は、レイジーとガブリエルが創った格納庫にて、メンテナンス兼修理が行われている最中だ。



人工知能 L.u.c.y


彼女は、デウスクエスとアラストゥムの開発を、プログラム面から助ける為に作られた人工知能。


掠奪者に襲われた上官からの指示を守り、カエデがデウスクエスに乗って去った後、たった一人でアラストゥムを守ろうとしていた。……しかし、掠奪者の侵食により、彼女はアラストゥムの機体内から、離脱せざるを得なくなってしまう。


レイジーの救出に尽力しようするが、大悪魔達と自分だけでは力不足と判断。そこで、デウスクエスの機体内に侵入し、上官の命令通り、まずはデウスクエスらと共に力をあわせて、掠奪者に操られたアラストゥムを、なんとか停止に追い込んだ。


実は彼女には、『もう一つの機能』があり、それは遅かれ早かれ、作品内で明らかになる……のかもしれない。



上官(大将 日向 蓮)


カエデとレイジーの上司であった人物。作中にも描写があった通り、かなりカエデに肩入れしている。カエデの親友……と呼べるかどうかは分からないが、レイジーとも会話をしていたようだ。


実は、カエデが所属していた軍が、掠奪者ブランダラプターに襲われたのは、カエデが仮眠を彼に申請してから、たったの五分間に起こった出来事であった。(本編にこの描写を入れる予定だったのだが、その描写自体が上手くいかなかったので、あえなくボツ案となってしまった経緯いきさつがある。色々と察してほしい……精進しなければ)


掠奪者の騒動が終わった現時点で、彼の消息は不明。だが本編で、ルーシーが、襲われた直後の彼を見ている。本編でレイジーと同様に『死亡している』と彼女は言及している。



サタナロス=ベリアル


グリモワール序列第68位に位置する大悪魔。階級は72の悪魔の中でも、9人いる『王』の階級に属する。順番的には一番最後の『王』だ。


彼を表す、最大の特徴として、凶暴かつ物騒な物言いが、なによりも大きく目立つ。そして、さらによく喋る。彼の登場シーンでは、同じタイミングで登場した、他の登場人物よりも、全体的に彼だけ台詞セリフが多かった。


性格は短気で粗暴。彼の暴力的な描写こそ、本編には無かったが、口調にそれが顕著になって表れている。まさに『大悪魔の中の大悪魔』を絵に描いたような、素晴らしい大悪魔だと言える。


現時点で彼の能力は不明。『Ωゾーン』にて、下記の2人と共に囚われの身となっている。



フォルスタン=ルシファー


誰もが一度は名前を聞いた事がある、最も有名な堕天使(悪魔とも解釈される)と思われる。ファンタジー作品にも、頻繁に名前が出てくる堕天使だろう。


実は元々、ルシファー・サタン・ベリアルの3人は、全員堕天使であった。3人それぞれ、階級は違っていたが、サタンはルシファーの従者であったらしい。


堕天した者達は、神に背いた事によって、堕天使としての本質を失い、悪魔へと自分の身を堕としたのだという。


ルシファーは元々、熾天使の階級に属していた為、ミカエルやガブリエル達とも、面識がある。しかしウリエルとラファエルh……(おっと、これ以上はネタバレに繋がるので、お口チャックだ。


ベリアル同様、彼の能力も明かされていない。もちろん、ベリアルやサタンと同じく、『Ωゾーン』にて、幽閉同然の扱いを受けている。



アルベラル=サタン


一般的にも名の知れた、とても強い力を持つ大悪魔。


強大な力を持ち、その力は、ルシファーに勝るとも劣らない程のものだともいわれている。ルシファーを『悪魔族を統率するリーダー』とすれば、サタンは『悪魔族のナンバー2』と言っても過言ではないだろう。


彼の実力に辛うじて敵うかもしれないとされているのが、ルシファーの忠実な臣下である、後述の『メイザース=パイモン』だとされている。ルシファーは相当な力を持つ者しか、自身の身辺に置かなかった為、両者ともそれ相応の実力があるという事だろう。


ルシファーの説明でも語った通り、彼も元はルシファーに仕える天使であった。当然、ガブリエルやミカエル達とも面識がある。


能力は上記の2人と同じく、描写が無かったため不明。



ビシュトル=シトリー


グリモワール序列12位に位置する大悪魔。階級はオロバスやガープ達と同じ『君主』に属する。


何より彼女を表す特徴として……脱ぐ。とにかく脱ぐ。どこでもいつでも、勝手に脱ぎまくる露出狂である点が、真っ先に思い浮かぶ。


彼女は素っ裸にさえなっておけば、自身の能力を全力で発揮する事ができるという、色々とアレな制限がつけられている。本編でも説明があった通り、素っ裸になった彼女なら、相手の心理や秘密を暴いたり、指一本も触れる事無く、相手の身包みを剥いだりできるらしい。


レイジーからは、『足の生えた18禁雑誌』とあだ名されているとかいないとか……。


話す口調は、ねっとりとしたなまめかしい語尾が特徴的。そこら辺の女性キャラよりも、女らしい口調なのでよく分かる……かもしれない。(目立つのは確かだ)



メイザース=パイモン


パイモンは、グリモワール序列第9位に位置する大悪魔なのだ~!! 階級は、72の悪魔に9人いる『王』にいるのだ~!!


……この通り、大声で話すのが特徴で、自然と語尾に『~!!』が付いたり、『~のだ』や『~なのか?』と言った口調が特徴的。この口調は、バエルと似通った部分が垣間見える。


彼女の能力は、作中にもあった通り大声で話す事から、音関連の能力であると思われる。


最大の特徴は王である為、頭に小さな王冠を乗せている事。彼女とは対照的に、バエルは頭に王冠が乗っていない。これが意味する物とは、一体何なのだろうか……?


彼女は元熾天使であった、ルシファーの重臣である為、熾天使とも面識がある。さらに72の悪魔に所属していない大悪魔達とも、同一の組織に所属している為、想像以上に彼女を知る者は多い。



イリュージス=ダンタリオン


グリモワール序列第71位に位置する大悪魔。実はさりげなく、今まで出てきていなかった階級の『公爵』に属する。


頭に被っているシルクハットを、全ての紙園内に住む者達を模った仮面で、アクセサリーの様に、デコレーションしている。……ただし、『ある人物』の顔だけが彼のコレクションに加わっていない。


外見は、とにかく顔が無い事が特徴。タナトスですら目があるのに比べて、ダンタリオンに、顔のパーツは何一つとしてない。彼の顔にあるのは、整った顔の輪郭と、鮮やかな紫色の髪だけである。その他のパーツは、全て黒い穴が開いたように、黒く塗り潰されている。


ミステリアスの塊と揶揄してもよさそうな彼だが、幕話にあった通り、少しお茶目だったり、物忘れなどの抜けている部分もある。


「貴方の、その麗しきお顔マスクをどうか、この顔を持たない私めに――――?」




作者からの一言


全部『ビシュトル=シトリー』って奴の仕業なんだ!! 


奴の存在を知らないままでいられたら、この作品に『性描写有り』の注意書きを、付け足さなくてもよかったんだ……。『叡智の紙園 ~エイチノカミゾノ~』は、良い子が間違って見てしまっても大丈夫な、健全作品でいられたんだッ!!(心の叫び

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