詩 

『エメラルド』


言葉を返して


吐息をお願い 

返して頂戴


亡くす筈の無いものは

誰にも 筈なのだから


私のことも 責めないで

昔も今も 近寄らないで


この朝は 黄色い太陽に

すべて飲まれて 笑いあい


一瞬で綴じ合う 口唇に似て

憎まず交わして 重なりあって


意味の飽和に 

すべてを忘れることを願って


やわらかな痛みを 胸に穿つことだけ 

繰り返せるなら


私は誰より 自由になれる


迎え来る 白々しい日々に

また飽くことが ないならば


私は嘘を 生きて行ける 


誰に隠すのでもない

見せるための命を 


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