事前投稿と言う名の墓標で

 真面目に初めに登録し、サービス開始に向け完結まで投稿し終えた全ての人へ、この歌を捧げたい(捧げない)


 検索が不便で、ピックアップか新着によってしか自作品を宣伝し得ない生まれたてのサービス、カクヨム。


 もう実際に投稿を終えた方ならお気づきかと思いますが、事前投稿で全てを掲載し終えていると、運営の気まぐれでピックアップされる以外に、気軽に読み手が作品まで辿り着くケースは絶無となってしまいます。


 なぜならば、作品が完結してしまっている以上「新着」にその名が刻まれる事は無く、かといって「なろう」の様に秘密基地、能動的な宣伝コミュニティが無い状況ですから、要は「検索によって読者がたまたま辿り着き、且つ手にとってくれる」という奇跡に近い状況を待つ他なくなる訳です。


 Twitter?Facebook?LINE?待ってくれ、筆者がそんなにリア充である筈が無い。言わせないで下さい。SNSで宣伝して読者が付く様な大御所なら、筆者は今ここでこんな怨嗟を垂れ流してはいないでしょう。


 まぁそれはさて置き。筆者もまた事前投稿に死んだ一人で、サービス開始直後にやっと気が付きました「待て、俺の作品、運営に拾ってもらう以外に救われる手立てが無いじゃないか」と。




 最もこの問題に際しては、対策もあるにはあります。

 それは作品を一度削除し、書きなおして強引に「新規」としてねじ込む手法です。


 勿論筆者もそれをやりました。やらざるを得ないでしょう……PV0のまま埋もれていく我が子を、あなたは見殺しに出来ますか?(いいえできません)


 しかしそんな作業に手を染めながら「なぜ私はこんな二度手間をやらかしているんだ……」と深夜自問に咽び、所詮再投稿した所で☆のつかない我が子の不憫に、さらなる涙で枕を濡らした訳です。――結論。ウケない作品は新規投稿した所で、どのみちウケない。


 


 ここで筆者がカクヨムに望むのは、相互評価を伴わないユーザーの宣伝コミュニティの確保と、事前投稿のまま闇に埋もれた作品群の救済措置(事前投稿された作品を優先的にピックアップしてあげるなど)です。

 

 元々が他所で有名な人物を除けば、相互評価の戦略無しには泡沫が存在を主張する事すら許されないのが現状のカクヨムの厳しさの一つだと思います。




 墓標にはせめて名を。

 名すら知られずに消えゆくのは、生まれ出た者にとって最も悲しい死の一つです。

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