招待メール

──ゲームや身に覚えのないサイトからの招待メールもよく、迷惑メールに混ざっていたりする。いつもなら、すぐに見もしないで削除してしまうだろう。でも、ちょっとでも興味本意で見てしまったら………。




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いつも登録している総合ゲームサイトから、興味のないランダム招待メールが来る。

まぁ、あたしも招待ガチャしたいがために送ったりするけど、こうもあからさまなゲームが好きなヤツがいるんだなって呆れてしまう。

……あたしが送った相手もそう思ってるかもしれないだろうけど。


「…あれ?こんなサイト、登録したっけか?」


『《黒の門番》ゲームサイトからのお知らせメールです。』


たまに興味本意で事前登録しているから、それかな?ただ登録申請したことを忘れただけかと思い、クリックする。


『ルームが開設致しました。下のURLから、本登録を24時間以内にお願いします。』


……全く記憶がないなら、クリックするべきじゃなかったと後悔したのはかなり経ってから。

あたしは、URLをクリックしていた……。


全体的に他のゲームと何らかわりない操作指示が並び、あたしは促されるままに進めていった。


『ここがあなたのルームです。ルームに入ったら、挨拶を忘れずに。』


流れ作業で、一際大きな《ルーム》ボタンを押した。


『アイナさんが入室しました。』


あたしが入室した、そう表示される。

………何故か、他には誰もいない。

暫くすると………。


『ダイゴさんが入室しました。』

『エリナさんが入室しました。』

『ヒサさんが入室しました。』

『サクラさんが入室しました。』

『ユキヤさんが入室しました。』


次々と入室表示されていく。

あたしは挨拶文を入力した。


『こんばんは。アイナです。よろしくね。』

『こんばんは~!サクラです!よろしく!』

『こんばんは!ダイゴです。よろしくお願いします!』

『こんばんは。ヒサです。よろしく。』

『こんばんは♪ユキヤです。よろしくね!』


………あれ?一人だけいくら待っても、挨拶チャットが表示されない。

ええと、"エリナ"さんだ。どうしたんだろう。

皆も、挨拶からは誰も打とうとはしない。

………30分が経過した。



『エリナさんが強制退場されました。挨拶はちゃんとしましょう。』


…え? 30分、挨拶が遅れたらルームから出されちゃうの?

あたしは違和感を覚えた。


"入室"したのだから、"退室"と表示されるべきじゃ? それに、"挨拶はちゃんとしましょう。"なんてわざわざ表示すること?


誰も何も言わない。何だか、下手に発言も出来ない気がする。


『挨拶がちゃんと出来た皆さん。お待ちかねのゲームです。』


突然、表示された文字に面食らう。

ゲーム? なんのゲーム?


『今から男女ペアを作ってください。その相手が運命共同体です。』


……あたしは不審に思った。1人居なくなったのにペアを作ると1人余る。


『すみません。エリナさんが強制退場されたので、1人残ってしまうんですが、どうすればいいんですか? 』


ヒサさんが代わりに聞いてくれた。

……その瞬間。


『ヒサさんが強制退場されました。これで、ペアが出来ますね。』


……あたしは寒気がした。

どういうこと……?


『今から5分以内にペアを作らないと、強制退場されます。ペアを作ってください。』


皆が尻込みしているのが、画面越しでもわかる。なにかがおかしい。

けれど、ペアを早く作らないとヤバい気がする。


『ユキヤさん、あたしとペアを組みましょう。』


あたしはインスピでユキヤさんを指名した。


『いいですよ。よろしくね。』


……返してくれた。


『よし、サクラさん。ペアを組もう。』

『あ、うん。よろしく!』


必然的にダイゴさんとサクラさんのペアも出来た。


『良くできました。では、皆さんに宿題です。』


あたしは、不安と共に何だかイライラした。

こいつ、さっきからすごい上から目線だ。頭に来る。


『一週間後に指定された場所まで、ペアで来てください。夜の8時がタイムリミットです。遅れたら、強制退場されます。個人チャットなどでアドレス交換を行って、一緒に来てください。来なくても、強制退場されます。』


……その表示と共に、今まで合った"監視"されているような感覚から解放された。


『アイナさん、大丈夫ですか?』


ユキヤさんから、個人チャットが来た。


『はい、あたしは大丈夫です。』


『相談もしたいので、アドレスを添付しますね。流石にプライバシーまでは侵害して来ないでしょう。……二人の"強制退場"という表記は気になるところですが。』


そうチャットを打った後に、アドレスが打たれた。有事を考えて、女性に打たせない配慮が感じられる。あたしは急いでスマホを開き、ユキヤさんのアドレスを登録した。


サイトからログアウトし、逸る気持ちを抑え、ユキヤさんにメールを打つ。


『アイナです。ユキヤさん、届きましたか?


すぐに返信が来た。


『メールありがとう。番号を載せたので、ワンコールしてくれますか? 』


確かにメールを打っている時間は惜しい。記載された番号を一回鳴らして切る。すぐに着信が来た。


「も、もしもし? 」

『こんばんは。ユキヤです』


低くもなく、高くもない優しい声が聞こえてくる。


「はい、アイナです……」

『突然だけど、都内かな? 電子機器だとやっぱり不安なんだ』


まだ監視されているかもしれない恐怖が、彼にもあるのだろう。


「はい、神田に住んでます」

『近いね。じゃぁ……』


近場のカフェテリアで落ち合うことになった。



.*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*.



……数十分後、あたしは指定されたカフェテリアに着いた。キョロキョロと見渡すが、ユキヤさんらしき人はいない。先に座って待つことにした。


「……えっと、アイナさん? 」


俯いていたあたしに、聞き覚えのある声が頭から降ってきた。慌てて顔をあげる。


「は、はい! アイナです」

「良かった。声と同じで可愛らしい人で」


寧ろ彼の方が、声と同じくらい優しい面立ちのイケメン……だった。

お互い、飲み物を注文する。


「……本題から入ろう。俺は、あの"ルーム"に入る少し前に"メール"が来た」

「あ、あたしも! 」

「《黒の門番》ゲーム、だね。本登録とかをしたら、直ぐに"ルーム"に通された所までは同じなのかな? 」


あたしは頷いた。


「通話の後、少し調べて見たんだ。サイトの中をね。そしたら……同じ時間にもうひとつの"ルーム"記録が見つかったよ。簡単に入れたんだけど、システムは止まってたみたいだ。"入室しました。"表示は出なかったから、足跡は残らないと思う。取り敢えず、ログだけ拾ってきたよ。それと、"指定場所"の地図。両方印刷してきた」


仕事が早い。あたしは怖くてすぐにパソコンを落としてしまったというのに。

彼は印刷された紙をこちらに向けて置いた。

1つは、他の"ルーム"のログ。内容はほぼ同じだ。こちらも六人で、全員挨拶はしている。しかし、質問者は四名。

ゲーム内容で1人、欠けたことで1人、ペアの意味で1人、移動の文句で1人。

"強制退場"されていた。……綺麗に男女が残っていた。


残った人のハンドルネームは、"マリア"と"サクヤ"。

文面からでは人となりはわからない。

……ユキヤさんはそのままだったけど。

優しいが、何だか女性慣れしている気がした。


そして、指定場所の地図を見た。自宅からでも、一時間圏内の場所。


「……ユキヤさん、あたしの憶測だけど」

「何? 言ってみて」

「ダイゴさんやサクラさんも、近いかもしれない……。同じ日の同じ時間を指定したこと。それは、同時刻の"ルーム"も同じ。確証はないけど、全員同じ場所なんじゃないかと」


ユキヤさんは少し悩む仕草をする。


「……確かに、"相手"が"1人"なら可能性は高いよね」

「"1人"を定義つけるとすれば……。"気配"が消えた途端、システムが止まったことかな……」


ユキヤさんがはっとする。


「そうか。さっき、俺が言ってたね。"ルーム"記録は二つ。あのサイトは"ゲーム"参加者を集めて、絞るためなら…! 」

「そう……! 複数なら、選別して減らすなんて作業はいらないはず。"1人"の可能性は極めて高いと思う」


あたしは他にも考えていたが、流れ的にまだ言えない。


「……あ! 」


あたしは見落としていた。一番気にしていたのに。


「どうしたの? 」


「"強制退場"……された人はどうなったのかな? 」


ユキヤさんに聞いたってわかるはずないのに。


「………そうだね。彼らの安否がわからない」


それ以前にどこの誰かもわからない。本当に存在していたのかも……。


「他にも……他にも疑問点があります」

「ん? 」

「人選について。もしかしたら、共通点があるのかも」


何故、あたしたちは呼ばれたのか。皆目見当がつかない。


「……んー。……みんな独身? 」


……ユキヤさん、意外と天然?

それなら、ある意味ランダムだ。

答えがでるはずがない。けれど、手ぶらだと心許ない。

……当日までに何か対策を練らなければならない。


しかし、あたしたちには何もなかった。きっとアドレスを追っても無意味。チャット文は無機質で感情が感じられない。あたしたちを巻き込んだヤツの性別すらわからない。


わかっているのは……。


『同時刻に集められたのは、1ルーム6人の計12人。1ルーム男女比3:3。"強制退場"されたのは6人。残ったのは、男性3人に女性3人。アイナとユキヤ、指定場所は一時間圏内。一週間後8時が残された6人のリミット。』


.*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*.


何も対処法が浮かばないまま、あたしたちは指定場所に行くことにした。

近くのカフェで待ち合わせをする。

時間は夜の7時半。


「あ、ユキヤさん……」


あたしはユキヤさんを見つけると駆け寄る。


「アイナさん、こんばんは」


不安を和らげるように笑顔で迎えてくれる。



……あたしは、彼が一緒なら何とかなる気がしていた。でも、一抹の不安が胸の中で過る。

彼には伝えず、あたしは"メール"を送っていた。願わくば、徒労で終わりますように……。


.*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*.


夜の8時、5分前。

指定場所の廃ビル前に来た。


……あたしは期待を裏切られる。

せめて、同じ"ルーム"の、"ダイゴ"さんと"サクラ"さんがいると信じていた。

けれど、そこにはあたしたち以外いない。

あたしは不安に駆られ、ユキヤさんを仰ぎ見る。彼は察してくれたのか、優しく笑いかけてくれた。


「大丈夫だよ。ビルって入り口が三ヶ所くらいあったと思う。ほら、通常の入り口と従業員用と、非常口。3組だけなら、ピッタリ」


確かにそうだ。あたしたち宛の地図にはここから入るよう、矢印がある。

他の二組はきっと、他の入り口を使うように記載されているのかもしれない。


あたしは不安がぬぐいされないまま、ユキヤさんと廃ビルの中へと踏み出した。


中は真っ暗ではなかった。

電気が通っているらしく、豆電球が等間隔についていた。でも古いのか、通路を照らすのがやっとなようで気味が悪い。

…そっとユキヤさんが、手を繋いでくれた。


「えっと……、嫌じゃなければこうしていていいかな? 」


照れ臭そうに言う彼が少し可愛く思えて、くすりとしてしまう。


「うん、安心する……」


暫し微笑み合う。

しかし、時間はあまりない。

どこまで入ればいいかもわからないから、少しでも奥に行かなくては。

あたしたちはゆっくり、歩みを進めた。



暫くすると開けた場所に出る。

パッと強い光が差し、目をつむった。


『ようこそ、お二方。時間通り。良くできました』


機械音のような声がして、声のする方へ顔を向けた先にスクリーンがあった。

仮面をした、性別不明の人物が写し出されている。


『現在、夜の8時ジャスト。ゲームの時間です。このゲームがクリア出来たら、"自主退室"が可能になります。けれど、出来なければ……"強制退場"となります』


"自主退室"……。やっぱり、意味があった。

"強制退場"に違和感を感じたのは間違いなかった。けれど、確認は出来ない。

チャットの文面で、無駄な発言は確実に"強制退場"になってしまうことはわかっている。

下手なことを言ったら片方が"強制退場"になり、自ずと一人になった方も"強制退場"になるだろう。

異常に"ペア"を主張していたのだから。


『ゲームのタイムリミットは一時間です。では、ゲームの説明をしましょう。内容は至極簡単です。ご安心ください』


安心出来るはずがない。"挨拶"一つで"強制退場"するヤツだ。信用してはいけない。


『こちらに椅子があることをご確認下さい』


……確かに椅子が、スクリーンの真下にあった。


『そちらに1人、座って頂きます。……ユキヤさん、お座り下さい』


何だろう。胸がざわざわする。けれど、言うことを聞くしかない。ユキヤさんを思わず見つめる。


「……よくわからないけど、大丈夫だから」


彼も不安でいっぱいのはずなのに、逐一あたしを気遣ってくれる。

……なんで、そんなに優しいんだろう。

そう考えている間にユキヤさんは椅子に腰掛けた。


『良くできました。……では、肘おきに腕を置いてください』


言われるがままに、ゆっくりと腕を置くユキヤさん。

次の瞬間………。



──……ガチャリ



重い音がした。


「「……え? 」」


あたしとユキヤさんの声が重なる。


………ユキヤさんの腕が、肘おきに硬い金属で拘束されてしまっていた。あたしは青ざめて、スクリーンに恨めしげな目を向ける。しかし、仮面はどこ吹く風だ。


『ゲーム内容は至って簡単です。ユキヤさんを救うために、拘束具の"鍵"を探して頂きます。左下の壁に紙が見えますね? 』


あたしは震えながら、スクリーンの左下に目を巡らせた。

……確かに紙が貼ってある。


『それが、"鍵"の在処を示すものとなります。アイナさん、あなたがユキヤさんを救うのです。この建物の何処かにある"はず"の"鍵"を見つけてきてください。現在、夜の8時15分。制限時間は一時間です。……間に合わなかったら"強制退場"です。では、開始です』


あたしが紙を剥がした瞬間、ゲームが開始された。

制限時間は一時間しかない。


「ユキヤさん、待っててね」


震えを押さえ、ひきつりながら笑顔を向ける。


「うん。信じてるよ」


あたしは紙を握りしめ、奥に駆けていった。



.*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*.



……アイナが角を曲がり、足音が遠くなる。


「信じてるよ……。……ふふ、可愛いなぁ。"アイナちゃん"は」


ユキヤが端正な顔を歪ませて笑いだす。


「見つかるわけないよ。俺が"ここ"を買い取ったときに"見つからなかった"んだから」


愉しそうに笑う。


「初めて会った時と変わらない。君は真っ直ぐで、一生懸命で。……だから、"独り占め"したかった。ここに電波は入らない、俺たち"二人"しかいない。"一時間"経ったら、一緒に"強制退場"しよう。………"この世から"」



.*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*.



……あたしは頭が良くない。

この数字や矢印がどんな暗号なのか、皆目見当がつかないでいた。

片っ端からドアを開けて調べるしかない。

………いくつ目かのドアを開けた時、違和感に気がついた。

何だか、棚がズレてるような……。

近づくと、壁の色が違う。

あたしは………棚を膝蹴りした。


──ゴン……!


重さと勢いで壁にぶつかり……腐っていたようで、棚が半分から上が割れて落ちてしまった。


「……やり過ぎたかな? 」


あたしの趣味が、テコンドーとムエタイだって知ったらヤバイかな。


振り向くと案の定、鉄扉があった。

ゲームによくある棚の後ろにってヤツだった。さびているようで、びくともしない。

あたしは勢いをつけて、蹴りつけた。


──ゴウン……!


そのまま鉄扉は部屋の中に落ちた。部屋の中はここより明るいみたい。あたしは中に足を踏み入れた。


「………!? 」


中を見渡して声が出なくなる。……バカなあたしでも、わかった。こんなの必要なかったと紙を握りしめ、怒りに震えた。

そして、Uターンして戻ろうとした………。


──……コツン


足になにか当たった?

取り敢えず、確認もせずに拾い、走り出した。


気がつくと、40分が経過していた。かなり奥まできていたみたい。あたしは、全力で走った。



.*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*.



……遠くから足音が近づいてきている。

俺の思い描いた終焉が現実になるだね……!

心臓が煩いほど鳴っている。

表情を戻し、アイナを待った。


……別の音が遠くから聞こえる?

いや、幻聴に決まっている。

"誰も知らない"んだから。



.*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*.



あたしはユキヤさんの目の前までノンストップで走った。

ちょっと息切れで顔があげらんない。


「ア、アイナさん? "鍵"……見つかったの? 」


心配そうに見つめていた。

あたしは………。


「……ふっざけんじゃないよ! 」


彼の胸ぐらを掴んだ。

そして、彼の頭の上から何かを降らせた。

それは…………。



──《写真》。



全て"あたし"だ。これはアレだ。"盗撮"ってヤツ。


彼は驚いた顔をした後に………端正な顔を歪ませた。


「……へぇ、"あの部屋"入れなくなってたのに。見ちゃった? 見ちゃったんだ……」


「"見ちゃった"、じゃない! どういうことだよ! 全部説明しな! 」


本気で怒っていた。


「ちょっと苦しいよ、アイナちゃん。離してくれないと話せないでしょ? 」


アイナは渋々、手を離す。


「アイナちゃんの為に、簡潔に話そうか。……全て俺の《自作自演》だよ。名演技だったでしょ? "ダイゴ"も"サクラ"も"マリア"も"サクヤ"も《存在》しない。最初から、"二人"だったんだよ」


アイナは"どうして? "と声にならない声で訴える。


「そうだね。説明がいるね。俺と君の出会いは一年前。覚えてないだろうけど俺は君に救われたんだ。だから必死に調べたよ。……後つけて自宅把握したり、趣味調べたり。……素晴らしい出来だったでしょ? 俺の筋書ストーリーは! 」




……コイツはイカレたストーカーだ。

あたしがいつものように、あのメールを見ないふりをして消してたらこんなことにはならなかった。

あたしにも非はある……。


「……ユキヤさん、あたし。あんたを信じたかったな」


そして……傍のコンクリートの壁を思い切り蹴り破った。



「……! 姉貴ー!! 」


外には妹の紗菜と共に、パトカーが停まっていた。






「……あんたはバカだよ。こんなことしなくてもあたし、あんたが好きだったのに」


連れていかれる彼を遠くに 眺めながら呟いた……。


END

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迷惑メールの恐怖 姫宮未調 @idumi34

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