p9. 世の中の奴らはろくでもない
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12日目 少しだけ真面目になります。よかったですね
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朝。
何もすることがない。
適当に起きて、早苗さんの所にいく。
借りていた本を返さなければいけない
あ。やらないといけないこと。ありましたね。
そんなことを思いながら僕は図書館に向かいました。
道端には沢山のバッタの死体が落ちていて、自転車の車輪で沢山引きちぎったのを覚えています。
そして雨が降ってきました。
今夜はとても強い雨が降るそうですよと。天気予報のお姉さんやお兄さんが言っていましたね。
虫の死体が水に流される中。僕は借りた本が濡れないようにカッパと脇の間に挟みながら図書館に向かいました。
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13日目 不思議なことです
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不思議な事に早苗さんが図書館で死んでいるのが見つかりました。
第一発見者は僕でした。
僕は開館前の図書館でずっと待機していたのですが、早苗さんは10時になっても図書館を開けてくれなかったので、気になって非情口をこじ開け、職員専用の入口から中に侵入し、司書が待機している図書館のカウンターに足を運んだ所。そこでお姉さんが血だらけのうつぶせで死んでいるのが見つかりました。
とてもいい笑顔をしていたそうです。アヘ顔とかしてたらちょっといやでしたね。
防犯カメラは役に待ちませんでした。
事後観察カメラみたいな感じでしたね。
事後っていうのはお察しください。
どっかのAVみたいなことがここであった事が記録されていました。
酷いニュースとしてしれは街中に知れ渡りました。
お姉さんが実質一人でこの図書館をまわしていたので、後任がなかなか決まらず、町は防犯の理由も兼ねて、この図書館のセキュリティーを強めると共に一度リニューアルすることに決めましたとさ。
その間町は図書館を閉めることにしました。
早苗さんは火葬されましたが、身寄りのない人だったので共同墓地に埋葬されることになりました。
僕はその墓の前で手を合わせることしかできませんでした。
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14日目 という話にしたかったのですが、どうでしょうか
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これは残念ながら嘘ではありません。だから僕は回顧録を綴っているのです。どんなにくだらないことがここに書かれていようが、それはお姉さんと僕の日々を綴った記憶だからです。
惰性図書館-a deadly space- 雨皿 @amasara_kayahata
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