p8. kに宛てて


       ***

11日目 僕は本が読めなかった

     ***


「アルル君はなんで本が読めなかったの?」

「そうですね、多分漫画ばかり読んでいたからだとおもいます」

「漫画読んでた子だって本は読んでると思うの」

「長くて退屈だったんですよ。おねぇさん」

「君のチンチン、なかなかイカスじゃない」

「話をごまかさないでください。それにここ、図書館ですよ? おばさん」

「お姉さんですわ~」

「とって付けたように僕のチャックを外さないでください。図書館ですよ」

「そしてあたしは図書館の司書」

「背徳的ですよ」

「今アルル君といる本棚、分類的には哲学の場所だわ?」

「哲学なんてここにないですよ」

「ズボンの向こう側には宇宙があるわ」

「おねぇさんキモイです」

「そこは『さ、早苗さんダメです!…こんな所でッ…!』みたいな感じじゃありません?」

「違います。断じて違います」

 僕はお姉さんをカッターは鋏でギザギザにすると、図書館を後にしました。

 勿論哲学の本棚はそれから一年くらいカラっぽになりました。

 皆血と性欲で汚れてますからね!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る