318区 【園村 晴美】
【園村 晴美】 そのむら はるみ
★初登場回 1区★
誕生日:11月7日
身長:153センチ
血液型:O型
園村晴美と澤野聖香が初めて出会ったのは、幼稚園の入園式である。
「さわの」「そのむら」と名字の五十音が近かった2人は席が隣同士であった。
どちらともなく、おしゃべりをし、その日のうちに仲良くなり、そこからずっと一緒にいた。
好きな食べ物、好きな音楽、考え方、趣味、どれも2人は全く違ったが、お互いの考えや趣向をきちんと尊重していた。
それがゆえに、中学時代は、下校時に陸上部の練習が終わった聖香が美術部の活動場所である美術室に晴美を迎えに行くのが恒例となっていたが、行くたびに美術部員から「晴美、彼氏が来たよ~」「はる、彼女がきた」「晴美ちゃーん、ママがお迎えにきましたよ~」などと、毎回ネタにされていた。ただ、一度「はるみ、逃げてたポチが帰ってきたよ~」と言われた時は、聖香から「せめて人間扱いして!」とつっこまれている。
また、中学時代は聖香のレースに何度となく晴美が応援にも行っている。
晴美自身、聖香は城華大付属に行くものと思っていたし、聖香が都大路に出た時のために中学3年生のお年玉は貯金かなとぼんやりと考えていたら、聖香から衝撃の話を聞かされる。
かなりのショックを受け、生気を失っていた聖香に、「どこにいても、何をしてても、何もしてなくても、聖香は聖香。私の大切な親友に変わりないかな。幼稚園から今までがそうだたように、高校でも2人で思い出いっぱい作ろう……」と言うのが晴美の出来る精いっぱいのことだったが、澤野聖香はその言葉に随分と救われたようである。
駅伝部のマネージャーとなってから、気付いたのは、澤野聖香が恋愛ごとに随分と疎いと言うことであった。
1年時のナイター陸上、若宮紘子のアプローチに全く無反応な澤野聖香を見て、逆に若宮紘子を可哀想に思ってしまう。なので、2年生の文化祭で若宮紘子に相談された時は、全力で協力してあげていた。
ただ、若宮紘子には申し訳なかったが、澤野聖香が告白を承諾することもないだろうなとは思っていた。
そんな晴美も、まさかあの場面のあの流れで澤野聖香がキスをするとは思っておらず、それを見た瞬間に「え? ほんとうに聖香って、ここまで恋愛音痴なんだ……」と唖然としていた。
なお、澤野聖香や、部員には誤魔化して秘密にしていたが、園村晴美の将来の夢はスポーツカメラマンであった。それも陸上競技を専門とするスポーツカメラマンを目指していたのである。
きっかけは、1年の時に文化祭用に作った作品である。モザイク画の元になった澤野聖香の写真が自分自身の中で奇跡の1枚と言えるほどに綺麗に取れており、その写真に写る澤野聖香が躍動感にあふれカッコよく見えたことから、スポーツカメラマンに興味を持ち始める。
ちなみに、その写真は少し大きなサイズで現像し、写真立てに入れて園村晴美の部屋の机の上に飾られていた。
そして、高校3年の時に書いた、都大路のポスターは、当初全く別の絵を描くつもりでいた。
自分が撮った駅伝部の練習風景などを参考に下絵を作っていたが、美術部顧問の津田先生から「今、園村さんが撮ったことのある写真を元にするんじゃなくて、将来こんな写真を撮ってみたいという絵を描いてみたら?」とアドバイスされ、もう一度最初から考え直す。
駅伝という競技をどういう風に撮れば、躍動感のある写真が撮れるか考え抜いた末に、あえて斜め後ろから撮ってみたらいいのではないかと言う結論にいたる。
「いいわね、これ。ランナーをこう言う構図で見るのは私初めてかも。園村さん、絶対に良いい写真がいっぱい撮れるカメラマンになれるよ」
と、完成した絵を見て津田先生は絶賛していた。
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