317区 【ブレロ アリス】

【ブレロ アリス】 ぶれろ ありす

★初登場回198区★

誕生日:8月13日

身長:151センチ

血液型:不明

愛用シューズ:アシックス


日本文化が大好きな両親の元で育ったおかげで、風情豊かな古式日本文化だけでなく、近代的な日本文化にも小さい頃から触れて育ってきた。


そのせいか、学校から帰ると、大好きな桜羊羹と緑茶を手元に置き、録画しておいた深夜アニメを見る。それが終わるとゲームのスイッチを入れ、晩御飯までひたすらプレイ。ゲームならどんなジャンルも好きで、幅広く様々なゲームをやる。


晩御飯は家族そろって食べることが多く、ほぼ9割和食が並ぶ。


ブレロアリスが好きな食べ物は、高野豆腐、切干大根、サバの味噌煮である。御飯を食べ終わると、温泉の元を入れたお風呂にゆっくりと浸かり、ベッドに入って本を読む。漫画は両親も好きなこともあり、誰でも知っている有名なものから、逆に誰も知らないようなかなりマイナーなものまで幅広く様々なジャンルを読む。


ここ最近は、両親には秘密で腐女子ジャンルにもがっつり手を出している。ちなみに紙で読むのが好きで電子書籍は未だに手を出していない。漫画だけでなく、一般書籍も大量に読み、特に日本史に関する本が好きであり、古事記・日本書紀を何度も読んでおり日本神話にも相当詳しい。


これが、部活から帰って来たブレロアリスの日常である。


日本文化が大好きな両親の元で育ったおかけで、ブレロアリス自身も、お姫様と言えば、ドレスを纏い白馬の王子を待っている女の子よりも先に、雛祭りで最上段に飾られている姿を先に想像してしまう程度には影響を受けている。


小さい頃から見た目とそのギャップに、周囲から心無いことを何度も言われ、学校ではそれなりに同級生とかかわりを持っても、私生活ではほとんどかかわりを持たず、自分の世界で生きていた結果、上記のような生活スタイルが出来上がってしまった。


なので、正直に言うと、最初永野綾子に強く駅伝部に誘われた際、全く乗り気ではなかった。まぁ、一応永野綾子の顔を立てて、しばらく顔を出し、二週間もすれば「全然きらきらした景色は見えないので辞めさせてもらいます」と言い出すつもりでいた。


だが、ブレロアリス自身、駅伝部に入部して2日目で、ここは今まで自分が接した世界とは全くの別世界であると気づく。


彼女が生きて来たそれまでの生活を考えると、仕方なかったのかもしれないが、後から「意外!」とか「見えない!」とか言われるのが面倒臭く、彼女は新たなコミュニティーに接した時に、真っ先に自分から最初に記載した生活様式の話を語りだす。そうすると大体ほぼ全員が「え? 羊羹?」とか「パスタは? パスタ食べないの?」などと否定的な言葉と冷たい視線を送って来る。そのたびに、ブレロアリスは一瞬だけ期待した自分を恨みつつ、いつもどおりかと、失望するのである。


過去には隠し通そうとしていた時期もあったが、隠していると周囲が自分の生活をあれこれ想像し、期待を思いっきり膨らませ、違うと分かると勝手に失望して余計に面倒臭くなると悟ってしまった。


「家のお風呂のお湯はライオンの口から出ているんでしょ?」と真面目な顔をして聞かれた時は対処に困ってしまった。


そんなわけで、さっさと種明かしをして、早々に失望してもらう方が楽だと思っていたのだが、駅伝部でいつものように自分の生活の話を出した瞬間、真っ先に湯川麻子がくらいついた。それも「そのゲーム、あたしだって、弟と毎晩のようにやっているから、あんたをぎゃふんと言わせる自信はあるわよ。てか、あたしの前でゲームの話を出すってことは、あたしに勝負を挑んでいるってことでいいのよね? ちなみに、あたしは、天原家の三女が一番得意キャラだけどあんたは何使いなの?」と返される。


さらには、他の部員から「すごい! 麻子の相手をしてくれる人材だ! 神だ!」と崇められてしまう。


他にも自分のことを喋るたびに「羊羹は、倉方屋のが一番美味しいと思う」「あの作品の、第2部の始まり方は、漫画史上トップクラスに神がかってたと思うんだよぉ~」「わ……わたしも今、古事記読んでるんですよ」と部員達からあっさりと受入れられてしまう。


その時、ブレロアリスは、「この人達、アリスの見た目と中身のギャップなんて最初から一切気にしていないんだな」と思い知らされるのだった。


また、部員とすっかりと打ち解けたころ、なぜアリスのフォームがあまりにも綺麗で、脚が速いのかと言う話になった時に、「アリスも理由なんて分りませんよ。考えられるとしたら、一昨年アニメ化された箱根駅伝を題材にした『あの風の向こう側まで』って漫画を読みまくったせいでしょうか。アリスあの漫画大好きでアニメのブルーレイBOXを貯めていたお年玉で全部買いました。まぁ、後は日本の風景が大好きな両親に連れられて、小さい頃から毎週のように登山に行ってましたが、それはあくまで歩くほうだから違うでしょうし」

と答えるアリスに部員一同が「絶対に後者!!」と声を揃えてつっこむこともあった。


そして、都大路を始めて走り、全国優勝をしたことで、ふと自分の人生を考えるようになる。


まさか、自分が真剣に走るなんて、ほんの1年前までは考えたこともなかった。さらには、全国優勝までするなんて、想像すら出来なかったことだ。


その経験がブレロアリスにあることを決心させる。

両親の母国、自分のルーツであるイタリアへの留学である。


日本で生まれ、日本で育ったブレロアリスにとって、イタリアは両親の母国であることは理解していても、自分の生活の外にある想像外の世界であった。


この1年、今まで経験したことも考えたこともない、陸上と言う想像外の世界に足を踏み入れた自分が見れた景色は、一生の宝になると断言できるほどに素晴らしいものであった。


だからこそ、あえて想像外の世界であるイタリアへ行ってみたいと思うようになったのである。もちろん、陸上と同じように素晴らしい景色が見られる保証は全くない。

だが、小さい頃から両親は一切何も言ってこなかったが、アリス自身イタリアへの興味が全くなかったわけでもなかった。


改めて、冷静に考えブレロアリスは気付いたのである、自分にはそこに飛び込む勇気がなかったのだと。でも、その勇気は、駅伝部の活動で十分すぎるほどに貰った。

だったら後は、飛ぶだけである。意を決して、両親へイタリアに留学したいことを話すと、あっさりと承諾され「え? もう少し悩むとか、条件出すとかないの?」と、言ったアリス自身が思わずつっこんでしまう始末であった。


留学したいと両親に言い出したのが、2年生の2月下旬、そこから両親によるイタリア語の猛特訓が始まり、卒業するころには、日常生活には困らないくらいのレベルに到達する。


留学するにあたり、父親の妹宅に居候させてもらい、そこから大学にも通う。

イタリアでの生活は、彼女にとって想像よりも遥かに多くの刺激を与えてくれると同時に、見たこともない風景を見て、妙に心が落ち着いたり、食べたこともないイタリア料理を食べて妙にしっくり来たりと、自分にはイタリア人の血が流れていのだと言うことを実感させられる場面も多々あった。


大学4年生になる時には、1人暮らしも始めるが、僅か半年後には工藤知恵がやって来て、同居生活となってしまう。


イタリアと日本、2つの国での生活を経験し、自分にとってはどちらも自分のルーツであると実感したアリスにとって、両方の国を橋渡しする通訳と言う仕事を選ぶのは自然の流れだったと言える。

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