135区 紗耶のイタズラ

食事とミーティングを終え、布団でゴロゴロしていると携帯が鳴る。


えいりんだろうか。


そう思い、携帯を見て「あれ?」と思う。差出人は紗耶だ。


しかも紗耶は私の斜め前で携帯をいじっている。

なんだろう? メールをよく見ると添付ファイルがあることに気付く。何かの写真だ。


中身を見た瞬間、私は声を上げてしまった。みんなが一斉に私を見る。


2つ隣の布団にいた紘子が、私の所までやって来て携帯を覗き、同じように声を出す。


「紗耶さん? どう言うことですか! いつの間にか撮ってるし!」

そう。私の携帯に送られてきたのは、紘子の寝顔だった。なんと紗耶は、私が起きる前にすでに紘子の寝顔を撮っていたようだ。


「でも、可愛いからいいと思うんだよぉ~」

「ごまかしてもダメですし」

わりと本気で紘子は怒っていた。


「まぁまぁ。聖香も朝、紘子ちゃんの寝顔を見て可愛いって言ってたかな」

晴美がにやにやしながら意地悪そうに声を出すと、紘子は急に大人しくなった。


いや、大人しくなる意味が理解できないのだが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る