今日は「確かなもの」だけを摂取しよう、と決めた。
サイフォン式の珈琲が飲める、ちょっと上等の喫茶店に来た。
信用の置けるクオリティの紙の書籍が手元になかったから、
大事に取っておいた本作をタブレットに呼び出すことにした。
本作のタイトルに冠された「みひらき」とは、
「文庫本の見開きサイズの掌編」という意味である。
コントのようなアクの強いショートショートではない。
といってオチのない話ではなく、各話、ビシリと締めてある。
簡潔な文章が完璧なタイミングで情景を切り取る。
さまざまなテイストの掌編が取り揃えてあるが、
どの話もカラリと乾いた気風が感じられるのが好みだ。
テンポよく読み進めてあっという間に最終話、寂しい。
どうにも最近、疲れすぎて眠れない。
マイペースとハイペースが混同してそろそろ限界だから、
「確かなもの」を摂取して、休み方を思い出したい。
――こんなコンディションの貴方には、ぜひ。
日常のささいな出来事が、文章になったとたんに、ほんのりと光を帯びる感じ。
情景が浮かんで、きっとショートムービーにしたらいいだろうな、なんて思う感じ。
ライトなタッチは好きなんだけれど、ラノベの作法にはどうもなじめません。
でもこれは……
昔々、ジュブナイルって分野があった頃、本を読み始めた子供の頃を、なんとなく懐かしく思い出しました。
これは小説集に発展していくんですか?
他の話も読んでみたいです。
【追記】
新作を読んで、ますます唸る。
ああ、最初に書いたレビューはちょっと見当はずれだったかな。
しまったな、最初は★星1つにしとけばよかったよ。
これ以上星が増やせない。
僕の中では、今星が五つになりました。