中間報告レポート③
『中間報告』
2104年3月、帝教授の提案により、ブラックホールを用いた空間転移実験を本格的に開始。理論、方向性はすでに決まっており、成功の可能性は極めて高い。
2105年10月、帝教授によるブラックホールを用いた空間移転実験に成功。地中にある汚染物質のみを空間移動させることが可能となる。しかし、汚染物質の量が予想より遥かに膨大なため、転移させた後の処理の方法が見つからず計画は中止。
2106年2月、世界中の人間たちの間で『人食』傾向が見られることが発覚。世界中の人口減少が加速。これを受け、各国の首脳陣、世界再生プロジェクトチームは一つの結論に至った。現状を打破するための方法は一つ、過去の改変であると。帝教授の空間転移の技術を用いれば十分に可能であることは実証済みであった。そのため、空間転移を時間転移へと昇華させるための実験を開始。なお、今後時間転移実験は全面的に帝教授が指揮をとることとなる。
2108年3月、時間移動実験の第一の被験者として帝教授自らが名乗り出た。結果は成功。だが我々がここに存在するということはまだ過去の改変は行われていないはずだ。作戦の成功と同時に研究所内でも『人食』の傾向を持つものが現れる。しかし、そのものは今までとは違い決して死ぬことがない。まるでゾンビだ。我々は『人食病』と名付け、研究を続ける。
2110年一月、『人食病』が感染する病だと発覚した時にはすでに遅かった。研究所員の半分以上の感染を確認。おそらく、この定期報告を書くのもこれが最後だろう。もうすぐ我々は食糧となる。世界の再生、そのすべては帝教授にかかっている。予定よりもかなり過去の改変が遅れている。だが我々は信じて待つことしかできない。ただ残念でならないのは世界の再生をこの目で確かめらr………………この先データ破損により閲覧不可。
『世界再生計画定期レポートより抜粋』
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