第3話
マックといつのも所=高野は目と鼻の先だ。
あいつは珍しくもう来ている。
俺はゆっくりと近づいて軽く体をぶつけてやる。
今日はフレッシュライムね。
一発でコロンを当てやがる。
クレージュのスカートにラネロッシュのスポーツ・シャツ。
仄かにフィジーが香る。
そして指には、いつか俺が買ってやったV字の銀のファッション・リング。
まだメンソールなんか吸ってるの。そのうち不能になっちゃうわよ。
得意の軽口だ。
俺が不能なんかじゃないってことは、自分が一番よく知っているくせに。
さっきのTVゲームのうまいハマトラの女の子が、今度はシティ・サーファーと一緒に歩いている。
あいつと一緒に歩いている俺を見て、ウィンクを寄越す。
まずは腹ごしらえ。
俺はシェイキーズのピザが良かったんだが、あいつの主張でNOPPOのハワイアン・ハンバーグにする。
さっきマックのハンバーガーを食べたばかりなので、ちょっと重い。
食べ終わってNOPPOを出ると、今度は俺の主張で御苑に向かう。
春の御苑は素晴らしい。
秋にはいつも、ポプラ並木のベンチに腰掛けるんだが、春はなんと言っても芝生だ。
二人でごろりと寝転がる。
さりげなくあいつの太腿に頭を乗せる。
家族連れやカップルが多い。
むこうでは高校生らしい一団がバレーボールに興じている。
うとうとしていると、あいつがボウリングをやろうと言い出す。
コパボウルは意外と空いていて、30分ほど待てばできるとフロントで言われる。
待つ間、ピンボールなどやってみる。
あいつと一球交替でやるんだけれど、あいつは下手ですぐにアウトになってしまう。
1回も上がれないうちに、放送で呼び出され、レーンが指定される。
スコアはあまり良くない。
3ゲームやってボウリング場を出る。
気持ちよく汗をかいた後は、喫茶店に入る。
レモンティーとカフェオレを飲みながら、とりとめもない会話。
もう長い付き合いで、お互い知り尽くしている。
下手な飾りはいらない。
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