第14話 メイド参上
結局マリアとステラの二人に部屋まで案内されてソファーに座っていると扉がノックされた。
扉を開けるとナージとメイドが立っていたので、部屋に入るように奨めたがナージは仕事中なので遠慮すると言いながら預けていたナイフを差し出してくる。
ナイフを受け取り腰に挿すとナージは帰って行ったがメイドは残していくので部屋に入るように促す。
そしてメイドを見る、特に頭部を見る、余りに注視していたらメイドが怯るような気がした。
「ああ、すまないえ~と名前は?」
「トワ様の専属メイドを承りました、キティと申します以後お見知り置きを」
「専属メイド?」
「はい、トワ様のおはようからお休みまでのお世話をさせて頂きます」
「ああ、ところで自分は初めて見るけどその耳は本物?」
そう彼女を注視していたのは、頭部に獣耳があるからだったのだが。
「トワ様は獣人を見るのは初めてですか?」
「ああ、キティ君に会うまで人以外に会ったことが無いなだから、不快を感じさせたなら謝る」
「お止めください、トワ様がお城に居られる間は私はトワ様の専用メイドですから」
「分かったよ」
「では飲み物を御用意致します」
トワがソファーに座るとキティは飲み物を用意するため部屋に持ってきたワゴンからポットとカップとソーサーを取り出して準備しているとまた扉がノックされた。
「キティ、自分が出るよ」
キティが手を止めて出ようとするのを制してトワが扉を開けるとまたメイドが立っていた。
「私はメイド長のナリアです、トワ様に王より夕食の招待を承っておりますのでご参加のお願いを」
「了承した」
「場所はそこに居りますキティがご案内しますので今より二時間後に食堂へお願いします服装はこちらののお召し物を着用してください」
トワはナリアから服を受け取りるとナリアは要件が済んだのでと早々に立ち去る、ソファーに戻るとお茶とお茶請けが用意されていた。
「服を受け取ったがこの服は似合わないような気がする」
トワが独り言で呟くとキティには聞こえていたのか騒ぎだす。
「トワ様ならこの服装が良くお似合いになられるはずです」
トワは頭を掻いてそうかなと?苦笑する。
「トワ様まずは湯浴みです」
部屋に備え付けてある風呂に案内されて服を脱ごうとすると。
「何をしようとしている?キティ」
出ていくものと思ったキティがトワの服を脱がそうとしているのでトワが止める。
「トワ様のお世話をしようとしているのですが?」
キティは当たり前のように言う。
「服を脱ぐのも風呂に入るのも一人でやるから部屋で待ってくれよ」
「しかし」
「自分の事は自分でやるよ、だったら風呂から上がったら飲み物が欲しいから用意していてくれ」
「分かりました、何かあればお呼びください」
キティはそう言って渋々と脱衣場から出ていく。
風呂から上がり用意されていた服を着る、白が基調の上下に肩留めの黒いマントを着用する服装を見て、たかだか夕食を食べるだけでこんな服を着るのかとトワが思いながら脱衣場から出るとキティがこちらを見て固まっている?
「どうしたキティ?・・・ああ、この服が似合わないかやっぱり」
トワが苦笑しながらキティの近くに行くと、キティは突然スイッチが入ったように返答する。
「いえ、あのはい、良くお似合いです、・・・と言いますか、格好よすぎです」
ワタワタと忙しないキティ、落ち着くのを待つ事にしてとりあえずニーナに通信する。
最後の方が聞き取れなかったためニーナに確認したら【確認出来ませんでした】と不機嫌になっている、この星に来てから急に不機嫌になる、この星の影響だろうか?
「トワ様、そろそろ夕食の時間ですね、食堂へ移動しましょう」
お茶を飲みながらキティと会話をしていたら、夕食の時間が来たようだ。
キティに案内されて夕食の会場である食堂に到着した。
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