第13話 エリザ
マリアが部屋の扉を開くと、その隙間からベッドにプラチナブロンド髪を持った少女が横たわっていた、少女は余りにも儚げで触れた壊れてしまうような雰囲気がある。
「マーニャお姉さま、ステラお姉さまようこそ、そちらの方は奇跡師様ですか?」
マリアとステラを出迎えた笑顔がトワを観た途端にエリザの表情が暗くなる、会話の流れからすると奇跡師にいい思い出が無いのかと思った、そうならば彼女は病にかかり長い時間ベットに横になっているだろう。
「トワ様こちらに」
マリアがこちらの紹介しようとベッドに近づくように促す。
「旅人のトワ様です、この子が末の妹エリザです」
トワはエリザの前まで行くとニーナに通信をする。
(「ニーナ、エリザを身体スキャンをしてくれ」)
(【身体スキャン開始します、・・・身体の一部が機能不全している箇所があります】)
(「ニーナこれは治せるか?」)
(【肯定します、マスターの持っているメディカルキットのメディクカプセルを使用してください】)
トワは何故か目の前の少女を助けたいと思った。
トワが何も言わずに佇んでいると懐から金属製の箱を取り出すのを見るとマリアが慌てて制止させようとする。
「トワ様一体何をしようとしているのですか!?」
「心配しなくてもいいですよマリア様、エリザ様は元気になりたいです?」
エリザはいきなり知らない男性が元気になりたいかと聞いてくる、エリザは一瞬怯るような表情をするが諦めたような顔をになる。
エリザは生まれつき身体が弱く、色々な奇跡師に診て貰ってが体調が良くなら無いのでもう諦めている、例え目の前の男性が何をしようと元気になれるはずが無い何時もの事だと思ったが、目の前にいる男性に対して何故か不快感を感じ無い、それどころか信じてもいいと思ってしまっている。
「はい」
その一言を聞いたトワと呼ばれている男性はフードを被っており口元しか見えないが優しく微笑んでくれた、エリザはそれを見て胸が熱くなるが少女のエリザには理解出来ない感情だった。
トワはメディカルキットからカプセルを取り出してエリザに告げる。
「これをお飲みください」
「これは?」
「元気になれる薬ですよ」
「トワくん、大丈夫なの?」
「自分を信じてください」
トワが渡したメディクカプセルとは、超微粒のナノマシンでカプセルとして口内から入り患部まで血管等を通り、患部を分解して良好な細胞に再生して治療が終われば汗などで排出される肉体を切らない外科手術である。
「マーニャお姉さま、ステラお姉さま、私はトワ様を信じます」
エリザはトワからカプセルを受け取り飲み込む。
「すぐに眠くなりますが安心して眠ってください」
エリザが眠ろうとした時にトワがフードを下ろすエリザが重くなった瞼がでトワを見て一瞬驚いて目を開こうとするが睡魔に勝てずに目を閉じた。
「レイお兄様」
兄を思う言葉言いながら眠りに着いた。
「王の依頼完了、宿を探さないといけないから帰っていいかい?」
「いけませんトワ様、お城にお泊まりください、エリザの件もですがオルターを看取ってくださいました方を何もせず帰したら王家の恥です、何卒お願いします」
「気にしないで構わないのですが」
「まあまあ、トワくんお城に泊まってってよタダで色々サービスするからさ~」
「いえ、そうですね、飯と寝床が頂けるだけなら泊まってと思います」
「泊まってくれるんだね‼マーニャ姉さん」
「はいはいステラ、お父様にトワ様が今夜は泊まってくださるとお伝えして、私はトワ様をお部屋にご案内致します」
「え~、トワくんの案内は僕がやるよ」
部屋を出ながらエリザを見ると最初の儚げな雰囲気が薄れ、優しい寝顔でいた。
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