第5話 状況確認

「トワ殿、起きてくだされ」


 眠っていたトワをオージが声を掛けて起こす、目を瞑って身体を休ませていたらいつの間にかに眠っていた事にトワは驚く、トワは連続行動で三日三晩休ますに行動が出来るのだか、この星に着いた際に思っているより身体に疲労が溜まっていた様だ。

 身体に異常が無いか首や腕を動かして確認していくと、膝に違和感があるので眠り方が悪かったのかと膝を見ると、そこにはアリアナがトワの膝を枕代わりに頭を載せて眠っていた。


「あい、アリアナ」


 声を掛けながら肩を揺る、何度か揺するとアリアナが目を覚ましてトワと目が合いアリアナは少しボーとしていたが、自分の今の状況を理解したのか素早く動きで飛び起きる。


「お、お、おはようございます」


「ああ、おはよう」


 アリアナは髪を整えながら挨拶してくるのを返してから、オージに向き直りトワは用件を聞く事にする。


「用件はなんだ?」


「出発の準備が終わりましたので声を掛けさせて貰い申した」


「ああ、了解した」


トワも自分の装備を確認してからオージとアリアナと並び歩く、街道を歩き出してトワはニーナの索敵と自分の感覚を使い、周囲を見渡して安全を確認してから、オージに情報収集の為に会話を始める事した。


「少し聴きたいことがあるが構わないか?、かなり遠くの僻地から来たから色々勝手が判らないのでこの国の事などを教えて貰えると非常に助かる」


「この辺りの事を知らないと成ると、東方の出、邪馬台国辺りとお見受けするが?」


「地名も無いような辺境の地さ」


「僻地の民も稀に見掛けますが、まぁいいでしょう」


 オージは深くは踏み込んで来ないのは、人柄かトワと敵対する気が無い事の意思表示だと思う。


「私に答えられる事ならば答えよう」


「先ずは、ここから王都迄の道のりは後どのくらいだ?」


「このまま徒歩で歩いていくのならば、王都には今の速度で3日、夕方に宿場町で休んで朝出発を2日挟む計算である」


「次に自給自足の生活と、此処までの道のりは物々交換などで来たから、金銭の価値や金の単位が解らないので教えてくれ」


 この問答はニーナからの指示だ、なんでも『正しい現地民とのファーストコンタクト・入門編、by惑星連合宇宙開発委員会』らしい、ってか入門編以降もあるのか?


「ほう、なかなか豪気であるな」


オージはそう言いながら腰袋に手を入れて数枚のコインを取り出してトワに見せながら説明を始める。


「屑貨、鉄貨、銅貨、大銅貨、銀貨、金貨、今手持ちにないがこれの他に、白銀貨、白金貨がある、例えば今夜の普通の宿代なら大銅貨数枚か上質宿なら銀貨二・三枚と言うところか」


 オージの例え他にも聴いてトワは大体の価値で推測すると下から、一円、十円、百円、千円、一万、十万、百万、千万に該当すると理解した、そして主だった庶民達は銀貨位迄を使って生活するらしい。


「王都の他に大きな都市はあるのかい?」


「大きい都市で交易があるのが六大都市が挙げられる、人族のアーイル王国、獣人族のリガイ獣国、魔族の魔都ヒビク、海人族の水都アクアリア、森人のユーフォレスタ、隠者のマルキス地下都市であるな」


「魔族?海人?森人?隠者?ってなんだ?」


「それはの・・・」


オージの説明を要約すると 、獣人族は名前の通り獣の耳や鼻等が特徴の人種、魔族は人と変わら姿だが、体の一部に魔力器官という角や魔石があるのが特徴の人種、海人は海に住むため、エラや水掻きが体の特徴の人種、森人はエルフや妖精の総称で長命で一定の成長で姿が止まる特徴の人種、隠者とはドワーフや術者の事で工房に入って出て来ない事や鉱山などに住む者達の通称だそうだ。

(オージの説明を噛み砕くこんな感じだ)


「交易が無い都市もあるのか?」


「竜族や有翼族の都市があるが、環境や移動手段が無いから交易が無いな」


 それからこの星の色々な話を聞きながら街道をゆっくり進む、オージとトワが並んで歩く後ろにアリアナがトワの外套掴んで歩く。

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