第19話 番外編 ――ハードSF観――
2016年6月3日あたりに新紀○社がtwitter上で「あなたが好きなSFは?」というアンケートをとりました。URLはこちら:
https://twitter.com/Shinkigensha/status/738719224772722689
その結果は、「少し不思議。日常SF」に対して「ハードSF」はダブル・スコアをつけられる結果となりました。「少し不思議。日常SF」にスペース・オペラ、サイバー・パンクがほぼ並んで続く。だが、ちと思うに、サイバー・パンクに投票した人のどれけがニューロマンサーあたりを意識していたかは、すこしばかり疑問に思います。スペース・オペラも同様ではないかと思います。スペース・オペラやサイバー・パンクだってハードSF足りうるでしょうから、言い方としてはともかく、少し不思議からラノベ系からハードまでの幅があるでしょう。そうすると、スペース・オペラやサイバー・パンクに投票した人は、どういう作品や世界観で投票したのかという疑問が出てきます。というのもスペース・オペラやサイバー・パンクに投票した人の中にもすくなからず少し不思議やらラノベ系やら、つまりは「実質的には『少し不思議、日常SF』に投票した」人もいるんじゃなかろうかとも思います。
そこで、そのあたりの補正を行なった場合の可能性を考えてみます:
① スペース・オペラ: 24%
サイバー・パンク: 21%
ハードSF: 15%
少し不思議: 40%
② スペース・オペラ: 19%
サイバー・パンク: 16%
ハードSF: 15%
少し不思議: 50%
少し不思議が50%越えの可能性もないではありませんが、それは悲しいので考えないでおくことにします。
50%越えがなければ、おそらくは、実質的にはこの二つの間のどこかでしょう。なので、こう考えてみます:
③ スペース・オペラ: 22%
サイバー・パンク: 18%
ハードSF: 15%
少し不思議: 45%
パンクなサイバー・パンクがハードSFに近付いているあたり、気分としては「実質的にはこんな感じかも」とも。あとは少し不思議とスペース・オペラの間での調整なのかもとも思います。
こんな感じだとしたら、「少し不思議、日常SF」に焦点を絞ろうという結論になるかもしれません。
だが、ちょっと待ってください。
さて、新○元社のアンケートを見て、自前でアンケート (https://twitter.com/nHMsf34/status/739311073786892288) を取ってみました。一つめは、このような項目、および結果でした:
新紀○社のアンケートで、ハードSFが最下位。一位の少し不思議とはダ
ブルスコア。なぜハードSFが最下位なのか、読み手の立場から……
その他、あるいは他の項目でもRTなどでご意見をいただければ。
馴染みがない or 出版数が少ない: 27%
興味がない: 08%
読むための知識・知能がない: 48%
その他: 17%
ここで「読むための知識・知能がない」という項目は受け流してもらえればと思います。だって、62票も投票が来ると思ってなかったんです。内輪に近い票数だと思ってたから、軽いジョークのつもりで……
ともかく、およそ半数が、「読むための知識がない」という結果でした。ここについては、またあとで触れます。ともかく、「ハードルが高い感」が一番ということと読んでおきます。
次いで「馴染みがない or 出版数が少ない」が来ています。%だと大きな差がついていますが、実質的にはこの差はもっと小さいのではないか、あるいは小さくできるのではないかという印象です。
まぁ、出版数が少なければ、そりゃ馴染みがなくても、「そうだろうなぁ」と思えます。なので、出版社側が「こんないい作品あるのにな。でもハードSFは売れないしな」と思われているのであれば、ぜひ潜在的需要はあると考えてみて欲しいと思います。新○元社ではありませんが、今もカバーをラノベふうにしたり(個人の感想です)してるのですから、それも含めたり他にも、とりあえず手に取ってもらえるための方策はあるのではないかと思います。もう「ここ、基本的に固いの出すよね」という出版社にも、あるいはだからこそできることもあると思います。新紀○社は新規参入にまだ近いので、古参より打てる手は多いと期待します。
自前で取ったアンケートの二つめ (https://twitter.com/nHMsf34/status/739313953130479618) の項目と結果はこんなものでした:
もう一個ついでに。
ハードSFを……
読んだことがあり、内容が難しかった: 12%
読んだことがあり、内容が難しい印象があった: 41%
読んだことはないが、内容が難しい印象がある: 12%
その他: 35%
投票数は17票です。
まず、「その他」ですが、項目から考えて、「読んだことがあり、楽しめた」、「読んだことがあるが、理解不可能だった」、「読んだことはないが、楽しそう」、「興味がない」くらいから35%になっていると思います。「楽しめた」と、それ以外での割合は不明ですが。
それは置いておくとして、読んだことがある人は割合としてはいます。しかも「印象があった」程度でした。「難しかった」わけではなく、「印象があった」です。都合よく解釈すれば、「難しかった」も、「理解できなかった」とは違うかもしれません。
ついでに、「読んだことはないが、内容が難しい印象があった」も、ひとまず「印象があった」程度だと考えてみましょう。
ところで、上のアンケートでも「読むための知識・知能がない」と「馴染みがない or 出版数が少ない」で七割越えてます。機会さえあればハードSFの道って拓けるのではないでえしょうか。新○元社は「ファンタジー関連書籍」とかの老舗です。「SF関連書籍」もガシガシ出して、ハードSFを援護射撃する方向も考えて欲しいなぁと思うところです。
さて、自前の一つめのアンケートのところで「あとで触れます」と書いたことがらです。
細かい理由はともかく、6件いただいたRTで「古参読者が怖い」というものが3件ありました。他の1件は、「ハードSFも好きだけど、サイバー・パンクの方が好きだから」というものでした。1件は、「科学理論の解説部分が理解できなくても、因果関係が分かっていればSF小説として楽しめました」というものでした。1件は、それら以外のものでした。
「古参読者がこわい」というのは、あ〜、まぁわかると言えばわかります。それぞれにこだわりがありますから。古参のみなさん、優しくなりましょう(笑)。昔にくらべれば既に当社比(笑)30%くらいに優しくなっているとは思いますが。もうすこし優しくなりましょう。それと、やっぱり新紀○社さんにとってはチャンスではないでしょうか。「SF関連書籍」、ぜひ出してください。
「ハードSFも好きだけど」というRTですが、それを見て思ったのが、新○元社さんのアンケートで、複数回答が可能だったら、少しなりとも結果が違ったんじゃないかということです。少し不思議に追い付くのは無理だったとしても、スペース・オペラとサイバー・パンクにはもうすこし並んだんじゃなかろうかと。二個選択可能として、「スペオペ&少し不思議」と「サイバー・パンク&少し不思議」の選択により、もっと悲惨な割合になった可能性もありますが。
というわけで、希望的な結論にいきます。
「ハードSFは需要がないわけじゃない。潜在的読者にとっての環境が整っていないだけ」なのかもしれません。
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