とある男の参加理由と末路(2)
あーちゃんと行動するようになってから友人が減った。臭いやつと一緒にいるやつと誰が遊ぶかだそうだ。くだらねぇー。こっちがお断りだっての。
要するにこいつらは社長令嬢から一転、貧乏になったあーちゃんをコケにしたいんだ。上流から下流へと堕ちたあーちゃんをとことんコケにして優越を感じたいだけなのだ。
あーちゃんはお父さんが社長だろうと元社長だろうと、性格に変化は無かった。傲慢などでは決してなく気の弱い女の子だった。
だからあーちゃんをいじめては駄目だった。だからだろう、あーちゃんは自殺した。
あーちゃんのお父さんはショックで一瞬にして白髪だらけになった。生気を失った。
あーちゃんのお母さんはあーちゃんと同じく気の弱い人だったから、あまりのショックで寝たきりになった。
クラスメイト全員があーちゃんを殺しやがった。それどころか、あーちゃんの家庭をめちゃくちゃにしやがった。
そしてオレの胸にもぽっかりと穴が開いた。なんでだろうと思った。
オレはあーちゃんのことが好きだったと気づいた。好きで、好きでたまらなかった。「気にするな。おれがいる。おれがずっとついている」となぜそう言ってやらなかったのか。そう思った。
今更だった。だから後悔などしてなかった。してはいけなかった。
むしろ憎悪が湧いていた。自分自身とクラスメイトに。
殺してやりたかった。
いいや、そんな願望じゃ気がすまなかった。
殺してやる。
そう思った瞬間、オレを頭痛が襲った。
それでも殺意は消えない。むしろ増していく。
「死んでせいせいした」
「これで綺麗な空気が吸える」
そんなことを口々に吐くクラスメイトなど一人残らず、殺してやる!
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