ゲームスタート(4)
「ようこそお越しくださいました」
招待状に書かれた場所に行くと、白いマスクを被った男がおれを出迎える。
マスクに変声機でもついているのだろうか、届いた言葉は肉声ではなくどこか機械的だった。
おれはこちらへという仮面の男の声に導かれバラが咲く門をくぐり、蔦が這う妖艶な屋敷へと入った。
おれが屋敷に入ると自動的に扉が閉まる。少し驚いて思わず閉まった扉を見つめた。
赤銅色の扉は妙に不気味に見えた。
そんなおれの行動を尻目に仮面の男はさらに進んでいく。
しばらく歩くとまた扉があった。今度は白に近い灰色の扉だ。
その扉を開けて部屋に入ると、中には七人の男女がいた。おれと仮面の男を含めれば九人か。
いや、10人だ。隠れるように隅にいたメイドが俺が部屋に入ったのを確認して扉を閉める。ガチンという大きな音が響く。扉を施錠したのだろう。
仮面の男は白い壇上に登ると一礼。
「よくぞ、お越しくださいました、皆さん」
仮面の男の声が不気味に響く。全員が無言だった。
「さて早速ですがここにおられます七人にあとあと登場していただきます特別ゲストを含めた八人でゲームを始めたいと思います」
若干の緊張がおれを包んでいた。それでもマスクの男の話は続く。
「さて申し遅れました。ワタクシ司会進行のマリオネと申します。後ろにいますのがメイドの
そう言われ、おれはメイドを見た。メイドはニコリともせず無表情でおれたちを眺めていた。
「ちなみに彼女は諸事情で喋れませんので何かありましたらワタクシにお申し付けください」
マリオネが申し訳程度に付け加え、さらに一呼吸おいて続けた。
「それでは改めまして、先程申し上げました通り特別ゲストがこのたびゲームに参加致します。ご紹介しましょう」
マリオネが拍手すると、数人がつられて拍手をする。おれは拍手しなかった。嫌な予感がしたのだ。
それに合わせて助手の和美が、おれが先程入ってきた扉を開く。
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