第7話 ナイトメアの少女
「私の名はドゥルーチェ・アフェット。代々ナイトメアの力を持つ一族からこの王城へやって来たのです。この王国の勝利の為にこの力を…使うのです…。」
彼女の言葉はどこか途中で詰まったように聞こえた。何かに怯えているのだろうか。俺は憶測に走った。
「我がグランディオソ王国は、現在隣国のフォルツァ帝国による攻撃により、劣勢である!この危機を脱す為、このナイトメアの力を持つ者を連れて来た。」
横でヒソヒソ話す声が聞こえた。『俺、聞いた事あるぞ。隣町の僅かに残る一族に代々続く力が有るって。』この王国にそんな一族が続いていたのか…。ん?ナイトメアの力。俺は記憶の糸を丁寧に紡ぎ出してゆく。父さん…?すると急に頭痛がした。頭を抱え、そのまま前を見やる。彼女が視界に入る。この違和感が強さを増す。すると、彼女は新兵たちの隊列に目を泳がせている。何だ、これはっ…?
整列が解かれると、後ろから声を掛けられた。ここに来る行進の最中に話すようになったアルコだ。2人で話しながら宿舎へと解散していると、アチェルさんに会った。
「アチェルさん、どうしてここに?」
「おお、アタッカ!元気にしてたか!俺は新兵の教官としてここに来たんだ。よろしくな!…っと、横にいるのは?」
アルコはアチェルさんに敬礼を向けた。
「自分はアルコ・ピアーノです!」
流石、アルコはしっかりしている。
「おっと、そんな堅っ苦しいのはよしてくれ〜。はっはっ。何か性に合わなくてな、じゃ!またな〜」
背中を見送りながらアルコが言った。
「アチェルさんっていい人だな〜。頼り甲斐のある方だね。」
そしてまた宿舎へと歩き出した。
しかし、さっきの頭痛…違和感は一体なんだったのだろうか。そしてナイトメアの力については何か知っていた気もするのだが…
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