第149話 町でゆったり
夜になって、
「んふ~♪」
風呂上がりのサーシャをトリミングしていた。そして、詐欺師、脳筋、
スターナも同じ部屋に集まっている。なんでだ?
「自分の部屋に戻れ。」
「いや、そのぉ……ゆ、勇者殿!!」
脳筋が叫んだ、ビックリさせるな。
「あの、そのですね、わ、私にも……」
うつむきながらボソボソと呟く脳筋。
「何がだ?」
「前に私の髪にも櫛を通してくれましたよね?だから、これからは、
えっと、サーシャちゃんが終わったら私にも……ダメですか?」
泣きそうな顔で言うなよ。
「……わかった、時間があればな。」
「本当ですか!?やった!」
「あらあら~、じゃあワタシもしてもらえるかしら?」
なぜかスターナも参加してきた。
「え?なんでスターナさんも?」
「だって、せっかくやってもらえるなら、ワタシもしてほしいもの~。
いいでしょ、勇者ちゃん?」
「まぁ構わんが。」
脳筋がむくれてる気がするが、気のせいだな。
「そういえばさ、今さらだけど何で私とアリアだけ、アダ名なの?」
「本当に今さらだな。」
確か、あの時はステータスの称号を見たんだっけか?
「あ、じゃあワタシも付けて~。」
「いきなり何だ。」
「だって、そっちの方が仲間って感じするじゃない?」
「いや、別に。」
スターナが唇を尖らせて不機嫌アピールをする。
「ぶーぶー、冷たいわ~。サーシャちゃんも付けて欲しいわよね?」
「我が輩どっちでもいいである。」
ふて腐れてしょうがないので、スターナの称号を確認する。
そういえば、久々に仲間のステータス画面をちゃんと確認した気がする。
今までは見ても、状態異常にかかってるかくらいだったしな。
【低反発ボディー】☆
物理、魔法攻撃を食らった際、ダメージの5%分だけHPが回復します。
……何だこの、微妙に古い感じのセクハラ。
「どうしたの勇者ちゃん?」
「いや、やっぱりスターナでいいな。」
「酷い!?」
しかし、この効果はあまり意味がないかもな。
HPが回復するとはいえ最大値が低いから、一撃で大ダメージを食らった場合、どうしようもない。
魔法だけならともかく、物理は耐えられないだろう。
そういえば、称号って一つなのか?
画面には称号という文字、称号、ページ数しか記載されてないので、
無いかと考え、何の気なしに、設定されている称号を触ってみると、
エクセルのプルダウンだったか?のように、いくつかの文字が出てきた。
スターナの他の称号を見てみると、
【天然女王】【紙装甲】【魔法特化】【無駄にエロい】【肉爆弾】
……あまりロクなのがなかった。
なんか意味が重なってるのもあるが、もうそこは深く突っ込みたくない。
ちなみに効果はさらに微妙だったので、結局そのままにする事にして、
次にサーシャの称号を確認した。
【高級羊毛】☆
属性攻撃を軽減します。体調により軽減率に5%~15%の差があります。
【甘えたがり】【おじいちゃんっ子】【モコ♪フワ】
【THE・マスコット】
羊だったのか……いや、ひづめがあるから不思議ではないか。だから
どうしたという事もないんだが。
最後に気になったので、自分の他の称号を確認してみた。
【現地妻クリエイター】【むっつり・ウブ】【調教好き】
【据え膳食わず】
やっぱりこの世界はちょくちょく俺をコケにしてくる仕様らしい。
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