第150話 屋敷を訪れて

サーシャ、脳筋、スターナの髪を梳き終わって、寝るためにそれぞれの

部屋に別れた。今回、サーシャは俺と一緒に寝るらしい。

「スターナと寝たら、息苦しかったである。」

理由は聞かない。



翌日、朝の準備を済ませて早々に町の外に来た。

「久々って感じね~。」

「長い間、町に居ましたからね。でも、これだけゆっくり休めたなら

気合い十分です!」

次の町までどのくらいあるか分からないから、この町はいい休憩場

だったな。

魔物に襲われる前に訪れたら、何とかしてやれたがな……

「勇者ちゃん。」

そう考えてると、スターナが話しかけてきた。


「ありがとうね。」

「何がだ?」

「この町のみんなのお墓を作ってあげた事、きっと感謝してるわ。」

「泊まった礼代わりだ。」

「ふふっ、素直じゃないんだから~。」

俺達はガングルフ王国方面に向けて歩き出した。



そのまま歩き続けて二日、

「特に何もないわね。」

「平和が一番である。」

俺もサーシャに同意だ。厄介事なんぞ面倒なだけだからな。


「それに、ドゥグァの剣もどうにかしないといけないであるし。」

「すぐに必要と言うわけでもない。蜂を斬る時も問題なかったしな。」

「いや、それはアンタだけよ。」

うるさいな。


その日、日も暮れた頃に見つけたのは、

「大きい屋敷である。」

街道から外れ、少し森の中に入ったところに貴族でも住んでそうな

豪邸が建っていたので、泊めてもらえるか確認しようと言う話になり、

訪ねてみた。

「すみませ~ん!」

ドアをノックした後、脳筋のデカい声が響き渡る。


「はい、どなたでしょうか?」

出てきたのは、見た目が四十代くらいで、いかにも老執事といった

感じの人間の男だった。

「急な訪問すみません。旅の者ですが、今夜一晩でいいので泊めて

いただけませんか?」

「少々、お待ちいただけますか?主に確認してきます。」


それから少し経って、

「お待たせ致しました。主から許可が出ましたので、どうぞ

お泊まりください。」

という返答をもらったので、全員で礼をいい中に入る。


「その主さんはどこにいるのかしら?お礼を言っておきたいの

だけれど~。」

「今は部屋でくつろいでおいでです。今、皆様の分のお食事を含めて

用意を していますので、ディナーの時にでもお会いできるかと。」

「わかったわ~。それにしても夕食もご馳走になるなんて悪いわね。」

「お客様をもてなす事は当然ですので。」

ありがたい事に飯の世話までしてくれるらしい。

そして、晩飯ができるまでの間に空いてる部屋まで案内してもらった。


「ベッドがフカフカで眠くなりそうである。」

「晩飯を食べてからな。」

特にやる事もなくボーっと過ごしていたが、用意が出来たとさっきの

老執事に呼ばれて付いていくと、他の三人はもう座っていた。

俺とサーシャも席に着くと同時に、屋敷の主人とやらが入ってきた。


「初めまして。屋敷の主を務めているケヴィン・モーグレットと

申します。」

サーシャより下の年齢と思われる、人間の少年が出てきた。

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