第133話 一息ついて
六魔は事後処理のために、今日のところは自分の城に帰り、俺たちは
スターナの城の一室でゆっくりしていた。
「ふぅ、やる事も終わったし、お風呂にでも入っちゃいましょうか?
みんな汚れちゃったわよね~。」
「いいんですか?」
「もっちろんよ~。」
「やった~!汗でベトベトだったから洗い流したかったのよね~。」
スターナ達は風呂に入ってくるらしい。その間、俺はどうしようか?
「勇者ちゃんも一緒に入る~?」
「「「は?」」」
変な言葉が聞こえた。
「お前は何を言ってるんだ?」
「一緒の方が楽しいじゃない。」
「ス、スターナ様!?いくらなんでも、それはちょっと……」
「そんなの襲われるに決まってるじゃないですか!!」
「襲わん。」
脳筋と詐欺師が騒ぎ出す。
「あら~、そんなに魅力ないかしら~。」
「そういう問題じゃない。」
「我が輩は別にいいであるけど。」
サーシャ、頼むから今は口を挟まないでくれ。
「ダメです!」
「私も反対よ!」
「ん~、それじゃあサーシャちゃんとワタシと勇者ちゃんで「入らねぇ
よ!」」
久々に叫んだ気がする。
「スターナ様ったら、いくら何でも男と女で一緒には入っちゃダメ
ですよ。」
「そっちの方が仲良くなれるかな~って。」
「天然ね、この人は……」
現在、女四人で風呂に入っている最中。
「それにしても……」
「どうしたの?」
城から出る事が少ないせいか、スターナの肌は白くきめ細かい。髪は
柔らかく見ただけでサラサラなのが分かる。顔にしても造形が整っているのはもちろんの事、 ほんの少しのあどけなさがあるため、近寄りがたい
印象はなく、むしろ守ってあげたくなるオーラを醸し出している。
体が大きい女性を苦手な男性は多いが、一種の芸術品のようでもある
スターナ相手ならば、そのようなセリフは吐かないだろう。
それに何といっても、一番の武器がある。それは、
「大きい……」
「大きいわね……」
「大きいである……」
非常に豊かな胸。
人の顔がスッポリ埋まっても面積に余裕があり、触れた物体に吸い付く
ような柔軟性を思わせる。大きくなったせいで通常より柔らかくなって
いるのだろうか?
曲線を描き終わる頃に、とても綺麗な薄紅色をしつつ、軽めの弾力が
加わった突起が、ともすれば下品になりそうな全体の形状をバランス良く
整えている。
アリアは自分の胸を見る。
今まで会った人の中でも大きい方だと思っていた。子供の頃から外で
遊んでいたので、肌も白くはない。少し濃い肌色という感じで、健康的で
快活な印象を受け、胸も弾力良く膨らんでいる。が、格の違いを認識
させられる。
「どうしたの三人とも?」
「いえ、ちょっと……」
「まぁ私は気にしないからいいけどね~。」
リュリュが桶に汲まれた水に浮かび、ユラユラと漂う。
体自体は小さいが、シルエットはスマート。なだらかな曲線を描き、
小さ過ぎない程度に形状を保っている。アリアよりの体色をしていて、
同じく健康的なイメージだが、突起はアリアよりも薄めだ。
「どうしてそんなに大きくなったであるか?」
「え?あぁ胸の事かしら~。どうしてかしらね~、気付いたらかしら。」
視線から察したスターナが答える。
「サーシャちゃんもこうなりたいの?」
「わかんないである。」
「今は小さいけど、成長するときっと大きくなるわよ。」
サーシャの体はメリハリがなく、全体的に色素が薄い状態のため、誰とも
比べられる状態ではないが、少し膨らみつつある胸が、すぐに存在を主張
するのを予想させてくれる。
「女性としては完璧ですね。羨ましいです。」
「そんな事ないわよ~。みんな違う魅力があっていいじゃない。」
「そんなもんであるか?」
サーシャの言葉に頷くスターナ。
「えぇ。アリアちゃんは胸だけではなく、ふっくらとしたお尻や鍛え
あげられた体が美しいわね。」
「あ、ありがとうございます。」
アリアとリュリュは何か引っかかったが、声に出さない。
「リュリュちゃんは細いけれど、太ももに付いている肉が柔らかそうで、
ついつい触りたくなっちゃうわ。」
「……ありがとうございます。」
何故か嫌な予感がする二人。
「サーシャちゃんはまだ成長過程だけど、それはそれで……
「毛並みである?」
最後のセリフを聞き、硬直するアリアとリュリュにスターナの手が
伸びてきて、頬を撫でつつ、妖艶な顔で舌なめずりをした。
「本当に美味しそう……。」
「「ヒッ!?」」
スターナの城に悲鳴が響き渡った。
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