第132話 何故狙われたか

俺が他の部屋を見に行くとすべて終わった後だった。

「あら~勇者ちゃん大丈夫だった?」

「あぁ、他のヤツらも問題なかったみたいだな。」

「全員無事よ~。」


奇襲をかけたのも良かったらしく、スターナとレフィカのグループは

魔法で、フレーグベルのグループはマノムの特殊能力で大体は

片付いたらしい。

やはり範囲攻撃が使えるのは楽でいいな。だが、

「もうヤダ、死にそ……」

「筋肉を、もっと……!」

「お肌がボロボロよぉ……」

それで倒せなかったヤツらが中々に強敵だったみたいで、スターナ以外の

グループにいたヤツらは結構、傷付いていた。


「旦那様!妾は無事です!」

「いや、聞いてないし、その呼び方も何とかしてくれ……」

マノムの呼び方はどうにかならないだろうか?


「とりあえず全員、無事で良かったわ~。後は勇者ちゃんが捕まえた

人から話を聞くだけね~」

そう言われたので、眠らせておいたヤツを確認しに、俺が戦っていた

部屋に行くことになった。



「おい、起きろ。」

「う、う……ん。」

「おい!」

「あ、ここは……!お前らは!?」

「さて、洗いざらい話してもらおうか?」

グレムリンの周りを囲む十一人、それに城の精鋭達。

さすがに命の危険を感じる以上に、ヤバい雰囲気を察したのか、

聞いたことには素直に答えた。


暗殺ギルドは元々、趣味で人殺しをして生計を立てている異常者の

集まりで、あまりメンバー同士で組むことはない。

組んだとしても少数なのだが、今回の依頼は額と相手が異常だった。

金は2000金貨を前金に、成功報酬で8000金貨、計1万金貨。

日本円に直すと1億円。

戦う相手は六魔と、イオネ国の王でも歴代最強と名高いスターナ。

そして進入経路などの情報は、事前に調べられていた。

最初は疑ったが、実際に金を貰ってるし、情報についても正確だった。

相手が強敵でも不意を付けば、倒せるだけの実力があると思ったから、個々に倒して

警備がキツくならない内に、同時襲撃する事にした。

依頼してきた相手はピエロの格好をしていたと。


「アイツかよ……」

「知ってるの?」

「不本意だがな。」

多分、普通に戦っても勝てないから搦め手で来たんだろう。


「依頼してきた相手はどこに行った?」

「し、知らねぇよ。マジだって!依頼のやり方自体が、手紙と金を

ギルドに送って、確認の為に一回会うだけだから、どこ行ったかなんて

わかんねぇよ!」

「それだけ?罠だった場合は?」

「ん、んなもん殺しちまえば全部一緒だし、金があればどうとでも

なる。」

脳みその出来が残念すぎだろ。


「コイツはどうする?」

「ん~、そうね……レブズちゃん、お願いできるかしら?」

「わかったわぁん。うふ、アタクシは種族差別はしないから、た~っぷり

と可愛がってあ・げ・る♪」

……暗殺者なんぞに同情するのは初めてだ。

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