第1-4話 スキ-スキ

 私たちはスキあっている。……のだろうか?


 スキなんてキライだ。スキになることは傷つくことに繋がってくる。スキの反対は無関心ではなくキライという自分では止められない暴走。たとえ少しでも解き放てばいつの間にか自分が思いもしないようなところに行ってしまっているのがキライなのだ。だからこそスキを極めても幸せになることなんてなくて行き過ぎたスキの先にはただ虚しさが残るだけだ。虚しさの先には何もないだからわたしはスキをキライ。


 スキをスキと言ってもいいのにキライはキライといってはダメだという。どんなにスキを極めても結局は心の奥底でキライは芽生えてしまう。だからこそキライにもスキにも心が傷つかないように吐き出させてほしい。 吐き出すことができれば少しだけ心は軽くなり重くなる。


 光あれば影があるように、スキがあればそれだけキライがある。影があれば光があるように、キライがあれがスキがある。決して離れることはない表裏一体の関係。だからこそどこかで折り合いをつけないければいけない。


 決して簡単なことではないからこそ心は戦っていく。簡単に勝てることもあれば拮抗することもあるし逆転することもある。


 いつか心砕ける前に見つけなければならないのかもしれないこの答えを……でなければ心は砕け散り何も見えなくなってしまう。そうなった時にはもう元に戻ることなんて出来やしない。心腐病だ。


 これが私のわたしたちのスキ?それともキライ? ただ傷つきたくない傷つけたくない……臆病者・卑怯者。捨てることができるのに捨てることができない唯の怠惰。


 私はもうその答えを見つけることは出来ない、なぜならばもうスキとキライに出会ってしまったから。この2つに浸食され汚染され穢されて、グチャグチャに融合してしまったのだから。

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