Fatal Round (4)
『そもそも、
キング君は、オレ達が大広間を出た後、話の続きを打ち出す。
『一番想像しうるのは、マツタケがメイジとキンジョウを殺害し、何処かに死体を
キング君の推理は的外れではないとオレも思う。
ただ、ひ弱な老人であるウメコさんが、見た限り
「キング君が疑うのはよく分かるよ。 でも、余りにも状況証拠が揃い過ぎてる。 あれじゃあわざわざ疑って下さいと言ってるようなもんさ。」
『裏をかいてる可能性はどうだ。』
「それこそ、言い出したらキリが無いし、まずはレイナさんの無事を確認できるかどうかさ。」
オレ達2人のやり取りに気付いたオニマサさんが、こちらを振り返って
「ありゃ、いつの間にやら仲良くなったみてぇだなぁ。 良いねいいね。」
と、話しかける。
「そういや、風邪の具合はどうなんだ? まだ声は出そうにないのかい。」
「風邪?」
「おう、坊主は途中で風邪ひいちまったらしくて、最初の部屋を出てから全然話してくれなくなってよぉ~。 おっちゃんとしては心配だったのさ。」
オレが思わず反応すると、オニマサさんがそう答えてくれる。
と、急に肩をグイッと引かれ、キング君を見ると
『余計な事は喋るな。』
そう釘を刺された。
廊下は来たときと同じく一本道で、一応壁や床に仕掛けがないか確認しながら進んではいるけれども、誰も手掛かりは見つけられないまま最初に落ちてきた地点にたどり着いた。
落ちてきた当初は暗くて気付かなかったが、この場所だけ吹き抜けになっていて、廊下よりも少し広く、開けたホールのような所だ。
ここで廊下は行き止まりになっていたけれど、3方向の壁にそれぞれ3枚の絵が飾ってあった。
「最初は特になんも思わんかったけど、改めて見ると怪しい場所っすね……。」
チュウキチさんが云うように、この3枚の絵が露骨に怪しさを出している。
向かって左の絵には、『首を吊った骸骨』が描かれていた。というより、処刑台の絵だろうか? 骸骨は首吊り用の縄を握りしめて、階段を上っていく瞬間のように見える。
反対の絵は、『磔にされた骸骨』だった。十字架を背負った骸骨が、左右の斜め下から槍で突かれている。まるで聖書にでてくるキリストの最後を暗示してるかのようだ。
そして真正面の絵には、
「剣を持った首のない男の絵があるとか、わざとらし過ぎますよねぇ?」
とチュウキチさんが誰にともなく問いかけると、不意に後ろから
ガシャーーーーーーン!!!
という音とともに、扉が上から落ちてきて、オレたち4人を閉じ込めた。
扉にはディスプレイがついており、例の如く「アイツ」が画面に現れる。
『――…あーっ、アーッ。 まいくてすっ、まいくてスッ。 ホンジツもセイテンなリ。 みなさ~ン、きこえてますカ~? おまたせしましタ。 それでは、「クイズ」をハジめまス。』
Fatal Round Clear.
……and, to the Third Round.
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