Second Round -L⇒R side-
Second Round -U- (4)
最初に思ったことは、「何故来たんだ!?」だった。
メリットなんて一つもない。それ程何か
こんな状況で助けが来るなんて、そんな人間がいるなんて、ある訳がないはずだった。
だって、こんなのまるで、ヒー……。
「何ぼさっとしてんのよッ! さっさとこっちに来る!!」
と、アリスに背中を蹴られて、あわてて動く。しかし、いくら両手がオニマサさんとユアラちゃんと繋いでふさがってるからって、蹴るなよはしたないな。
そしてオレたち5人は、アリスに
そして、
『「ジカンギレ」で~ス。それでは、せいかいをはっぴょうしま~ス』
とメメが言うのと同時に、天井が
ズズンッッ…………!!
と、停止した。
『オミゴト! 「キング」さマ・「オニマサ」さマ・「ユウキ」さマ、ぶじ「クリア」で~ス』
『そしテ、こんかい「ユアラ」さマ・「アリス」さマ・「チュウキチ」さマは、「パス」となりましタ。のこりかいすうハ、あと2かいでス』
『それでハみなさマ、さきほどのオオヒロマにおもどりくださイ』
ディスプレイから相変わらずうるさいファンファーレが鳴った後、メメはそう言い映像とともに消えたのだった。
「凄えじゃねえか、嬢ちゃん! あの状況で、誰もミスせずクリアできるたぁな~」
部屋を出るや否や、オニマサさんがアリスを褒める。
「いえいえ、時間の無い中、私の云うことを信じて下さったおかげですよ」
アリスは
「ゆあらにもおしえてくださいよ、いつあのふたへやがてんびんをもしているときづいたのかを」
「あら、その言い方は、アナタも気づいていたのかしら?」
「ざんねんながら、あのじょうきょうではきづいたところで『クリア』できないとはんだんしましたがね」
ユアラちゃんは澄ましているが、何だかんだ悔しそうだ。アリスに尋ねている割には、こちらを見ようとはしていない。
「でも、確かにあの部屋だけじゃ、もう一方がどうなっているのか分からないから、オレももう駄目だと思ってたよ」
「まぁ、こっちからは君らの部屋の様子が映ってたからな。だから、最初3人が床に伏せたのも、剣が迫ってきてチビちゃんが『パス』したのも、全部見てたぞ」
「えぇ? なんだそうだったんですか」
オニマサさんの言葉で、やっとこの「クイズ」の解き方が
「さて、ユウキもピンと来たかも知れないけど、せっかくだから説明するわ」
「要は、あの『クイズ』って6人全員で解かないといけない仕組みな訳ね。
『〇』にいる人数が、『✕』にいる人数より多くなるようになればOK。 ただ部屋の移動は、誰か一人パスしないとできないし、恐らく出た人しかもう一度開けられないようになってたと思うわ。」
廊下を歩きながら、アリスは自身の推理を展開していく。
「で、問題はあの剣がぶら下がった天井ね。あれのせいで、『〇』にいる人間は、正解にも関わらず『パス』を迫られるわけ。ましてや、反対側の様子が分からないなら、自分で判断するしかないし」
そう、だからオレもあの部屋の仕組みは罠だと気付いたけれど、その時にはもう「〇」側の人数が足りなかったから、「クリア」は駄目だと思ったんだ。
「天井の降りてくる速度は、立ってる人数に比例してたわ。2人に指示を出すときに少し試したけど、しゃがむだけで速度が上がってたし。
『命を秤に
「いや、その理屈はおかしい」
そこがどうしても納得できなくて、オレはアリスに尋ねた。
「部屋の様子が見えてたのなら、アリス達2人が『パス』すればそれで済む話だろ? オレ達が多少怪我しようが『ミス』しようが関係ないじゃないか。
何故わざわざリスクを負って、部屋に入ったんだ!?」
「人を助けるのに、あんたは理由が必要なの?」
至極当然のように、アリスはオレの問いに答えた。
「そもそも私は最初から、ユウキ達を含めた6人全員が『クリア』できる最適解しか探してなかったわ。 残念ながら、上手いことはいかなかったけどね。」
そう何でもなく言い放ったアリスが、オレの目にはとても眩しく見えたのだった……。
「すんませぇ~~~ん。ボクまだビビって腰ぬけてるんですって~。
みんな歩くん速いっすよおぉ~~~」
――遠くから、チュウキチさんの声がこだまする…………。
Second Round Clear.
……and, to the Fatal Round.
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