Choice Round (3)


「こういうのは、子供に順番を譲るもんだ。坊主、先に選びな」

オニマサさんはそう言って、キング君に促した。


 キング君はオニマサさんを一瞥いちべつすることもなく、

『ならば遠慮はしない。カミヅキ、サトウ、お前たちにする。ついてこい』

と、パソコンの画面に表示した。


「えっ、オレか!?」

自分の名前が書かれているのに気付き、うろたえているオレに対し、


「ゆあらをあごでつかえるほどのきりょうが、あなたにはあるのかな?まあでも、なかなかおもしろいくみあわせです」

ユアラちゃんは言うが早いか、もう既に席を立ち、先にある扉のほうに向かっていく。


 仕方ない。こちらも腹を括るしかないか。

「わかった。よろしく頼むよ」

オレも席を立ち、オニマサさんが誰を選ぶのかを確認することにした。



「誰を選ぶかより、誰を残すかも重要だな、こりゃあ……」

オニマサさんは考えに考えた末、

「よし、アリス嬢ちゃん、レイナ姉ちゃん、頼むわ」


「「コイツとだけは絶対にいや」」

見事に二人から拒絶された。


「いやいや、ちょっと聞いてくれ。残ってるメンツに、婆さんがいるだろ?さっきみたいに考えるのと体を動かすの、両方が必要になってくるなら、どんな部屋かわからない次の部屋でのクイズは、難しいんじゃないか?

 それに、ユキチくんなら、最初の部屋もその組み合わせでクリアしてるし、何とかなると思うんだ」


「それってつまり、ボクが一番大変ってことやないです? あと、やっぱりユキチ呼びは直す気ないんすね……」


 チュウキチさんは愚痴っているが、確かにウメコさんが次の部屋に行くのは、大変かもしれない。

「あらあら、みんなもうおうちに帰っちゃうの? さびしいわぁ~」

とか言ってるし。


「んじゃ、あたしがチュウキチの代わりに残るわ。それなら問題ないんでしょ?」

レイナさんは、そう自分から提案した。


「いいんです? あんなにさっさと出たがってたのに」

チュウキチさんはそう尋ねるが、

「さっきあの人形も言ってたでしょ。どうせ先に進もうがここに戻ってくるって。なら下手に動かずここでクリアを目指したほうが安全じゃない?」

そう言ってポケットから煙草を取り出し、腰を落ち着けるレイナさん。



『ではでハ、ちーむのほうもきまったようですシ、あらためてかくにんいたしまス。

 「キング」さマ、「ユアラ」さマ、「ユウキ」さマちーむ。

 「オニマサ」さマ、「チュウキチ」さマ、「アリス」さマちーむ。

 こちらの2ちーむはさきのトビラにすすんでくださイ』


『「レイナ」さマ、「ウメコ」さマ、おふたカタはこのオオヒロマにたいきしていただキ、「メイジ」さマのトウチャクをおまちくださイ』


 メメがそう言った途端、先にある大広間の扉が、勝手に開きだす。



『こころとあたまのじゅんびハ、おーけーでしょうカ?

 それでは、つぎの「クイズ」にむけて、すたーとしてくださイ』

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