Interval Round (6)


「さぁさ皆さん、各々過ごされてるとこ悪いんですが、真ん中集まってもらえません?」


 先ほどの4人との会話を振り返り、若干ブルーになっていたオレは、チュウキチさんの呼びかけで考え事を止めた。



 この大広間には、テレビで出る会議室みたいに大きな円型の机が中央にあり、その円の中にディスプレイが3台、上から見て三角形の形で設置してある。そして、その机には簡素な椅子が9つ設置してあり、すでに何人か着席していた。


「さっきまで何ボーッとしてたの? なんていうか、結構考え出したら周りが見えなくなるタイプよね、ユウキは」

 アリスが話しかけてきたため、左隣に座った。


「まぁそうだな、どうしても集中しているとそうなるんだよ。逆に、意識的に周りの情報をカットして、強制的に集中することもできるけどな。自分ではそれを『潜る』って呼んでるけど」

「へぇ、器用なものね。ま、根暗にはピッタリなのかしら」

「いちいち嫌味を挟まないと気が済まないのか」


 席の左側には、意外にもオニマサさんが座っている。

「やあ少年。いやはや、先程は取り乱したところを見せて申し訳ない。とりあえず、力尽くは止めだ。子供たちにも悪影響だしな」

「いえいえ、オニマサさんのおっしゃることもわかりますよ。でも、まずはみんなで現状を把握するのが先決ですよね」

 チュウキチさんの云うとおり、オニマサさんは普通の状態なら、気さくないい人だ。だからこそ、下手に怒らせないようにしないと。


「ふん、わざわざ集まって話すことなんかないと思うけどね。だいたい、どいつもこいつも信用ならない顔してるし」

 そう話すレイナさんは、アリスの反対側に座っている。席が9つだから真反対にならないので、二人は目を合わさずに済んでいるが、内心冷や冷やだ。


「はんッ、一番信用ならないのは、厚化粧しまくってるアンタのすっぴんじゃないの?」

アリスはボソッと言い、

「文句があるならハッキリいいな、小娘が。」

レイナさんはそう言ってこちらを睨む。

「ままっ、二人とも抑えておさえて。そんな顔してると、せっかくの別嬪べっぴんさんが台無しだぁ」

オニマサさんがそう仲裁してくれたおかげで、ひとまず二人は矛を収めた。



「いやぁ、やっと全員集まりましたねぇ」

 その声に振り向くと、チュウキチさんはなんと、両手でキング君とユアラちゃんを引っ張り、背中にウメコさんをおぶってこちらに向かっていた。


「はぁ~~っ、よっこいしょ」

 チュウキチさんと他3名もそれぞれ空いている席に座り、話を切り出した。

「ではでは、皆さん揃ったことですし、さっきまでしてた『に戻りましょか」




「「えっ!? 『実行犯』が誰か知ってるんですか?」」

オレとアリスは吃驚し、思わず声を揃えて口にした。


「知ってるっていうか、恐らく『そいつ』だろうと目星がついてる奴が居たんだ」

そう口を開いたのはオニマサさんだった。

「俺とそこのパソコン坊主と『そいつ』は、最初一緒の部屋だったんだ。そして、俺達はその『クイズ』を『ミス』してしまった。で、三人とも落っこちたんだが、その時、『そいつ』だけ消えちまったのさ」


「そうなんです。ちなみにボクとウメ婆さんが最初に『クリア』して、次がレイナ姉さんとユアラ嬢、3番目がオニマサさん達でラストが君らなんですわ」

と、話を継いだのはチュウキチさん。

「せやから、ボク達はみんなディスプレイ越しに『その人』を知ってるんです」


「今いないから、暫定的にその人が『実行犯』だろうって話なんですね?」

アリスはそう尋ねた。

「あぁ、嬢ちゃんの云うとおり、ぶっちゃけ決めつけでしかないが、この状況だと怪しさ満点だろ? それに、妙に『犯人』と被ってるとこも多かったしな」

オニマサさんはその問いに答え、


「なんせ『そいつ』は、黒いスーツに身を包んだひょろ長い男で、ペラペラと聞いてもないことまで喋ってきたし、自分の名前が『明治あきはる』というから、『メイジ』と呼んでくれって言ってきやがったからな。名前も似てるだろ?」

 そこまで言ったとき、正面のディスプレイの画像からピンポーンッと音が鳴り、画面が『アイツ』に切り替わった。





『――…あーっ、アーッ。まいくてすっ、まいくてスッ。ホンジツもセイテンなリ。みなさ~ン、きこえてますカ~? おまたせしましタ。それでは、「クイズ」をハジめまス』






Interval Round Clear.


 ……and, to the Choice Round.

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