第9話 地下の秘密
どれだけ階段を下がったか分からない。少なくとも地上ではないと思う。
エレベーターはあったが秘匿次項だからかどうかは分からないがエレベーターを容易に使えないようだった。
「もう少しで着くから待っとけよ。」
実はこのような発言をしたがヘラヘラとした態度を俺はあまり好きになれなかった。
真っ暗な道を真っ直ぐ進み、横に反れた時だった。
「ここだよ。」
と実は言い、懐からIDカードのようなものを取り出し、目の前の機器にかざした。
ピッといった音の後に解錠音がなり、目の前の鉄の自動ドアが開いた。
中に入ると薄暗い部屋に多数の機械が設置されており、そこに中々の人数の白衣の研究員が慌ただしく作業に追われているように思えた。
「ここは一体何やってんです?」
俺はこの状況を飲み込めず、つい実に説明を求めたが
「まあこっちにこいよ。」
質問に答えるはずもなく、実に言われるがままにその部屋の奥へと連れていかれた。
また先ほどのようにカードを通す動作を行い、中に入る。
「なんなんだよ・・・・!これは!」
俺は怒りに震えていた。
そこには淳の頭にボウルのようなものを被らされ、そこにコードが被さっていた。他にも椅子に手足を縛られボウルに繋がれたコードはまたどこかの機器に繋がれているようだった。
見れば分かる。これは人体実験だ。手足を縛られ、自由がなく、目の前の淳はボウルから放たれている何かに苦しめられもがいている。
目の前の研究員が手元のレバーを下げれば電流みたいなものがボウルに伝わり、淳は悶える。
「てめえら!やめろよ!」
目の前にいた研究員を殴りつけ、目の前のレバーを上げた。
すると電流が止まったのか淳がクタっと頭を重力に任せて落とした。
「困りますよ!隆さん!」
拓也はやれやれと言ったようにため息をし、冷静そうに言ってみせる。
「お前ら!何やってんだよ!こんなの!」
俺は怒りに震えていたのだ。こんな事が許される筈がない。
「はぁ・・・」
と、拓也はため息をつき、パチッ!と指を鳴らした。
気がつくとは何故かベッドにいた。真っ白な部屋に白いシーツとベッド。まるで医務室のような居心地だった。
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