第8話 2回目の訪問

「あの」研究機関にたどり着いた。森の中に隠れたその怪しげな組織は異様な雰囲気を漂わせていた。



看板にはsignalと書かれていた。今までゆっくりとここを見たことなかった為、怪しい建物位にしか思わなかったが、このようにきちんと看板が建てられてるところを見ると表向きでは普通の研究機関なのだろうと思えた。


確かに建物も普通の建物だ。3階位の大きさの建物で洋風。偏見も無く見ると何の変哲も無い建物だ。



俺はあまりここにいい思い出はなく、少し入るのを躊躇いそうになった。だが、担いでいる淳を見るとそんなことは些細なことだと割り切った。





中に入るより先に数人の黒い服装にガスマスクをした人間が俺に駆け寄ってきた。



「我々は彼のサポートチームのものです。彼を渡して頂きたい。」



俺は言われるがまま淳をその男たちに引き渡した。



「ではあなたはこちらへ。」



ガスマスクの男の指示に従い、施設を案内された。目の前の白衣の男の従業員に案内されるまま施設を歩いていった。



10分ほど施設内を歩き、奥へ奥へと足は進んだ。



従業員は応接間のような扉の前で立ち止まり、ドアをノックし、



「失礼します。」



と言い扉を開いた。



「よく来てくれたね!また会えて私も嬉しい!」



目の前には前にこの研究所にいた時にいた男だった。金髪で長髪で会議室のような部屋には似合わない男だった。俺はこの組織の何かしらを感じ取った、その時の男だった。



君は戻ってくれたまえ。と男は従業員に指示し、従業員を下げた。



「前は自己紹介もせずに失礼した。なにぶんあの時は人生で一番忙しいと言っても過言ない状態だったんでね。私は黒柳拓哉。このsignalという研究機関の所長を務めている者だ。」



よろしく。と立ち上がり俺に握手を求めた。


「よろしく・・・・。」


俺はそう言い、握手を交わした。俺はこの黒柳という男を信用出来なかった。


「お、あなたがあの大久保隆かいな?はぁ?。あんたがね?。」



俺が後ろを振り向くとドアが開き、白衣を着たいかにも医者のような40代位のじいさんがいた。



「おっと、失礼。私の名は伊集院実。ご覧の通り医者みたいな野郎さ。」



軽く手を振る。実という男はヘラヘラとしていた。



「そんなことより所長さんよ、アイツの事でちょっとよ。」



なんだね?と所長が聞き返し、立ち上がった。



「まあ来てくれよ。隆って言ったっけ?アンタも来るかい?」


実は俺に話しかける。


「俺?」


つい聞き返してしまった。



「だが、他言は無用。まあ言おうもんならあんた死ぬんだろうけどな」



実のそんな物騒な事を言いつつもカッカッカッ!と高笑いを上げて実はドアの前を離れた。



来るかね?と所長はもう一度問う。



「行きます。俺は多分行かなきゃ行けない。そんな気がするんです。」



俺は男二人についていく事にした

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