第31話 光
階段を降りていくと、まず眼を引いたのが広い部屋の真ん中で光のような水を噴き上げている
地下に降りてきたはずなのに、満月に照らし出されているかのように、その噴水を中心に、あたりは明るく照らし出されていた。
ただし、光は上空から降りてきているのではなく、噴水の吹き上げている水、それ自体が
室内は、やはり装飾の少ない石造りとなっていて、床もまた同じ材質でできていた。
その上に、わたしたち全員が水浴びでもできそうな
水盤の中心からは、太い光の柱が上空に吹き出されていた。
吹き上げられ、流れながら、それと同時に
しかし少し視線を上にずらせば、
その想像以上に激しい衝撃のせいで
水盤に落ちてしまうと水は輝きを失い、黒々と波打つ水面に
噴水の
わたしたちが、噴水へ近づいてゆくと、部屋の
こちらの方は、ランプや、
この二種類の光源によって、地下の部屋は
室内は、広々とした空間となっていて、奥の方にはわたしの背ぐらいの石造りの棚が整然と並んでいた。
手前には、
爺さんは奥の石で出来た棚の方に向かい、
わたしもまた、背負い鞄を身につけていたことを思い出し、やっと思い出したというようにその重みが肩にのしかかった。
そのせいだったのか、どうなのかは、はっきりしない。
わたしは爺さんのいる方からふと目を動かし、
残骸の山の中で、壁の隅に取り分けられたように残っている石造りの棚があったのだ。
それは、四方を
水槽の中にはまだ元の形を残したままの何かが置かれているようだった。
その四方を
当然、そういうものは、中をよく見てみなくてはならないので、わたしは、
その辺は手馴れたもので、にゃんにゃんにゃんと簡単にたどり着くことができた。
どんがらがっしゃん!
うしろで何か聞こえたような気もするけど、気がするだけに決まってるので、聞かなかったと判断しよう。
そうしよう。
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