小さな宝物

 黄金色の波を風がくすぐっている

 用水路の脇の小さな小路

 首輪を忘れた犬がとことこのんびり歩いてる


 色づき始めた景色はやがて落ち着きを取り戻し

 静かな風にゆっくり共鳴しています

 目を閉じてうたうようにそれは神秘的ですらあり


 ちっちゃなちっちゃな女の子

 森の秋の恵みに舌鼓

 甘い甘い幸せに

 自然に体が動きます


 爽やかな風と秋風ダンス

 みんなみんな見ているよ

 みんなみんな踊っているよ


 空を泳ぐ魚のような雲

 手を振って挨拶したら

 返事の代わりに風が吹く


 幸せって何だろう

 数え切れないほどの答えがあるけれど

 きっと今からほおばるこの梨の味を

 体中でゆっくりゆっくり味わうって言うのも

 心の奥底から感動する幸せのひとつ


 夜には虫たちのコンサート

 やわらかい闇に沈んでいくよ

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