白い来訪者

 ここしばらく暖かい日が続いたから

 もうすっかり冬の気配は消えちゃって

 白い白い一張羅 遠くの山ばかり着飾っている

 

 こないだまでの少しばかりいつもより寒い日々は

 ふもとの街にまで魔法のこなが振りまかれて

 でもあの景色がうそみたい 今はもうすっかり元通り


 ちっちゃなちっちゃな女の子

 実は寒いのちょっぴり苦手

 けれどもしっかり着込んで待っているよ

 空からの友達待っているよ


 青い青い澄み切った空に

 遠く遠く立派な山がぼやけてる

 そこからやって来るとても冷たい風


 寝不足の瞳もパッチリと

 急ぎ足の雲が空のカーテン閉じていく

 いつの間にかどんより天が重くなる


 ちっちゃなちっちゃな女の子

 枯れ木の一番てっぺんに登って

 ずっとずうっと見上げてる


 やがてはらはらと音もなく結晶たちが舞い降りて

 ゆっくりとゆっくりと世界を同じ色に染めて

 夜の間中ずっとこのままなら多分きっと

 夢から覚めた後の景色に期待しながらまぶたを閉じるよ

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