寒風日和

 柿たちが仲良く軒下に並んでる

 冷たい風に遊ばれてもうすっかりしぼんでる

 一番初めにあの甘さを見つけたのは誰だろう


 ちらちら雪が目の前を飾っても

 すぐにまたほら元の景色

 そんな海のそばの田舎の風景


 ちっちゃなちっちゃな女の子

 枯れ草並ぶ野原にひとり

 いつもの調子で歩いていくよ


 こんないい風の日に

 凧の一つも泳いでないなんて

 ほんの少し前までの当たり前の風景

 今はどこを見渡しても見つからなくて


 メダカの数が減ったなんて

 最初は何かの冗談だと思ってた

 いつものようにやって来た寒い季節

 この風の冷たさは昔から変わっていないのに


 ちっちゃなちっちゃな女の子

 薄曇りの空見上げてる

 これから降ってくるのは多分

 優しい雪じゃなくて冷たい雨


 星の見えない淋しい夜に

 電信柱が悲鳴を上げる

 スキマ風 僕の廻りでくるくる遊ぶ

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