第2話愛嬌だと受け止めてください
「木からちゃんと降りられたんだな?」
「うううん!」
「どっちだ」
木登りは得意じゃないので、力を使って猫を救出するも、降りることを忘れていて半泣きになった。なんとか降りたはいいが、症状が発生し急いでコンビニに駆け込んだのであった。
「あんまりこういうことしてるとな、今はなんとかなってもそのうち怪我するぞ」
「もう問題が発生してるよ…。さっきの授業の提出、遅れたら課題増やされるって先生が先週言ってたし、休んだ分のノートも誰を頼ればいいか…」
「そうじゃなくて…」
絶望、まさしく絶望である。
やる気と根気に満ち溢れた先生は、若いうちに苦労しておいた方がいいとすごくいい笑顔を浮かべてみんなを驚愕させた。
付き合っていた恋人に浮気されて捨てられたショックからものすごくいい笑顔で鬼畜な課題をたくさん出してくるのだ。
うちのクラスはいわゆるリア充が多いから、みんなが休日にデートに出かける暇もなクスくらいの課題を出して嫌がらせしてるんだ大人気ない!!!とは、クラス中の心の声である。
「ノートは放課後にでも見せてやる」
「いいです!遠慮します!」
「即答かよ」
腕時計に目を落とすとそろそろ次の授業の時間だ。
さすがに次も出ないのは罪悪感で良心が痛む。
ゴミが入っているコンビニの袋を縛ってかばんの奥底に封印する。
「行くぞ」
「先行っていいよ」
「…なんでだよ」
こんなところまで探してくれる面倒見のいいクラスメートだが、こういうところはいただけない。
君みたいなクラスならず学校中で一目置かれてる系の男の子と私のような太ってて地味なのが一緒にいたら色々勘ぐられた挙句、私の残りの高校生ライフがひどく生き辛いことになるのは、火を見るよりも明らかだからだよ!
・・・とは、善意で私なんかとおしゃべりしてくれる目の前の男の子には言えないけれど。
結局なんだかんだ理由をつけて先に行ってもらった。
課題を提出してから行くと言っても、時間がないから後回しにしろと言われ、散らかしたから掃除して行くといっても、散らかっていないし気になるなら手伝うと言われ、最終的にトイレに行きたいと言ったら無言になられて気まずい空気が流れて、謝られて先に行っていただいけた。
乙女的な何かが崩壊した気がするが背に腹は変えられない。
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