第2話

 森の隙間から見える町の門は、木製ではあるもののローマの様式を取り入れて作られた立派な物で、哨戒についている兵士達の装備がローマ式の金属製であることや、周辺の街路が石畳で整えられていることから、この町がローマ帝国の確たる支配下にある事を示している。


「……すごいですね」

「そうか?」


 驚いているユリアーネを見て、気のなさそうな返事をするクアルトゥス。

 ローマ本国や地中海の諸都市のみならず、ギリシアやオリエントの大都市を幾つも見たことのあるクアルトゥスにとって、この町は貧相で小さな辺境の集落に過ぎない。

 まあ、そういう場所であるからこそ、田舎暮らしをしたいと希望し、退役後の生活場所として選んだので、クアルトゥスに不満は無いのだが、それでもすごい町と言われれば違和感がある。

 そんなちぐはぐな感想を持ったことを、クアルトゥスは察したが、ユリアーネは違った思いを抱いたようだ。


「感動が薄いですっ、年を取った証拠ですね!」

「俺はまだそんな老けちゃいない!」


 頬を膨らませて不満を表明しているユリアーネに、最近心持ち広くなったかと気にしている額を抑えつつクアルトゥスが即座に言い返す。

 しかし、そんなクアルトゥスの言葉を不審感一杯に聞いていたユリアーネは、ぷいっと顔を逸らすと言葉を継いだ。


「どうだかわかりません」

「いいや、俺はまだそんなに老け込んじゃいない!本当のローマの町を知っているから驚いたりはしないだけだ!」

「何ですか、本当のローマの町って、クアルさんは私を馬鹿にしています。ここだって立派なローマの町じゃ無いですか」

「そ、それはそうだが……これはなあ……第一、俺はここに何度も出入りしているんだぞ」


 確かにユリアーネの言うとおり、ここも歴としたローマ帝国領上ゲルマニア属州に所属する植民市コローニアだ。

 しかし、やはり本物を知っているクアルトゥスには、ここがローマの町という名称を付けられてしまうことには違和感がぬぐえないのだ。


「……まあ良いですけど?クアルさんの老け具合は今更変わりませんし」

「どういう結末だよ!」


 やいやいと言い合いながら町へと近付く2人。

 やがて到着した門の前で、警備中の兵士達から呆れ顔で誰何を受ける。


「止まれ!うるさい……どこから来て、どこまで行くのか?鑑札があれば提示せよ!」


 威のある声で呼びかけた兵士に、クアルトゥスは慌てて歯を剥いて威嚇しているユリアーネから視線を外し、胸元から1枚の木で出来た鑑札を差し出しつつ兵士に回答する。


「おっと済まない。この先にある開拓農園主のクアルトゥス・シアヌスだ。ちょっと訳ありでね、さっき出たんだが戻って来たんだ……守備隊長はいるか?」

「あっ、これはシアヌス殿!失礼しました……すぐに隊長は呼びますが、事情は説明して頂けますか?」


 クアルトゥスの鑑札と言葉を聞き、訝しげにその顔を見た兵士が驚き、すぐさま態度を改める。

 そして説明を求めてきた兵士に対し、クアルトゥスはポリポリと頬を人差指でかきながら、少し迷いつつも反対の手で荷馬車の荷台を示す。


「ちょいと訳ありでね。後ろのマルコマンニの戦士達を引き渡したいんだが……」

「えっ?……おわっ!?」


 クアルトゥスの示す方を見た兵士が驚きの声を上げる。

 そこには縛られたまま、だらしなく寝転ぶ大柄なゲルマン戦士達の姿があったからだ。

 慌てて周囲の兵士達に指示を出し、彼らを馬車の荷台から引き出す。

 その光景を見ながら、門衛の兵士、元シアヌス百人隊の兵士だったカシウスが小さな声で問う。


「……何があったんですか?隊長」

「おいおい、俺はもう退役したんだぞ……まあ、事情はグラニウス守備隊長に話すから、一緒に聞いてくれ」

「わかりました、おい、守備隊長を呼んでこい!」


カシウスの命令で年若い兵士の1人が門の中へと走る。


「済まないな」

「いえいえ……まあ、こんな場所にマルコマンニの戦士がうろうろしているのは確かに不穏ですからね」


 カシウスの言葉に、クアルトゥスは深く頷くのだった。

 そんな2人の遣り取りを見ていたユリアーネが、クアルトゥスの服の裾をちょいちょいと小さく引いた。


「何だ?」

「あの……ひょっとしなくてもクアルさんはソコソコ偉かったのですか?」

「エライかどうかって事だったら、そんなに偉くは無い」


 つれない答えに、ユリアーネがずっこける。


「なんですかあ~それはっ」

「まあ、偉くは無いが、百人隊長だったんだ。もう退役したけどな」


 クアルトゥスの続いた言葉に、ユリアーネが少し考えてから言う。


「それは、そこそこエライのではありませんか?」


 よそ者のユリアーネから見ても、ここの兵士達の態度には、クアルトゥスに対する敬慕の念が溢れている。

 ユリアーネはクアルトゥスが、彼らにとってただの同僚兵士という訳ではなさそうだと予想したのだ。


「そうだとも!」


 クアルトゥスがその回答を口にするより早く、傍らに居たカシウスがばっと掌をかざして割って入った。

 そして2人の中尉が自分に向いたことを確認し、得意げに鈍色に光る鎧の胸を反らして言葉を継ぐ。


「聞いて驚けゲルマン娘!このクアルトゥス・シアヌス百人隊長はオリエントのパルティア国境紛争やダキア戦線で部隊の最先頭で常に戦い続けた猛者なのである!しかも怪我をしたことが無い!そして味方を見捨てない!シアヌス百人隊長に救われた士卒は枚挙に暇が無いほどなんだ!」


 呆れるクアルトゥスを余所に、一気に言い切ったカシウスは満足げな笑顔。

 そして、目を白黒させつつもコクコクと頷きながらカシウスのクアルトゥス自慢を聞き切ったユリアーネに、その笑みを向けながら更に言葉を吐き出す。


「かく言う俺も、シアヌス隊長にオリエントで命を救われたんだ。あれは熱く乾いた風の舞う沙漠の中……あっ?」


 しかし、その言葉はかちんと言う小気味よい音と共にカシウスが驚き、中断される。

 カシウスの後方から現れた、赤い房付きの兜を被った初老の男が、彼の兜へ指輪の填まった自分の指で軽く小突いたのだ。

 驚いて振り返るカシウスに、その男は苦笑を漏らしながら言う。


「……元の隊長自慢はそろそろ終わらないかね?カシウス先任兵士」

「あっ?守備隊長……済みませんっ」


 慌てて下がるカシウスの前を、悠然と歩く守備隊長のグラニウス。

 そしてグラニウスはクアルトゥスの前に出ると、しばらくじっと互いに見つめ合った後に、互いの腕をつかみ合う握手をクアルトゥスと交わす。

 と、お互いの肩を叩き合う。


「久しいですな、クアルトゥス隊長」

「隊長は今お前だろう?グラニウス」


 その言葉に笑顔で応じるクアルトゥス。

 守備隊長のグラニウスもまた、かつてクアルトゥスの配下であったのだ。

 そして、彼もクアルトゥスに苦況を救われたことがある。

一頻り近況の報告をしあった後、グラニウスは笑みを浮かべて口を開く。


「わざわざ俺を呼ぶとはどんな難事だ?」

「ああ、グラニウス……守備隊長には申し訳ないが、ちょっと一介のローマ市民には手に余る事態に巻き込まれたんでね」


 傍らのユリアーネを示しつつクアルトゥスが寄越した回答と、兵士達に連行されるマルコマンニ族の戦士達を見て、グラニウスの顔が真剣なものへと変わる。


「分かった、ここでは差し支える。行政庁舎へ場所を移そう」









 町の行政庁舎で一通りの事情を説明し終えたクアルトゥスとユリアーネは、早々に解放された。

 旧知のクアルトゥスが同伴していることもあり、話は割合すんなり通る。

 トイトブルク森林の戦いの故事もあり、最初は策略を疑ったグラニウスだったが、マルコマンニ族の戦士の尋問が進むにつれて、その疑いも晴れた。

 早急に上層部へ連絡することを約束され、クアルトゥスとユリアーネはお役御免となったのだ。

 町中をゆっくり歩きながら、クアルトゥスは荷馬車を預けている駅逓へと向かう。


 その後にユリアーネが続いた。


「クアルさん、ありがとうございました。お陰様で私の氏族も戦乱に巻き込まれずに済みそうです」

「ああ、それは良かったな……まあ、俺は何もしてないが」


 クアルトゥスの言うとおり彼がしたことと言えば、最初の口添えと守備隊長への紹介ぐらいで、その後のことについてはユリアーネが自分自身で説明をしている。

 国境警備隊と軍団への伝令、周辺住民への注意喚起と情報収集、更には属州総督府を通じてのローマ本国に対する報告。

 これら一連の流れが早くも決定され、実行に移されている。


「いえ、クアルトゥさんがいて下さらなければ、これ程早く話が進むことは無かったでしょうから、とても助かりました」

「そうか?」


 熱心に感謝の言葉を述べるユリアーネに対し、冷めた反応を返すだけのクアルトゥス。

 しかし、以前のようにユリアーネは腹を立てること無く、その後を大人しくついていく。

 しばらく行った場所で、クアルトゥスがふと問いを発した。


「氏族ってどのくらいの規模なんだ?」

「私の一族は村一個分ですから、どうでしょう?数えたことはありませんが、大体30家族ぐらいでしょうか?」


 それを考えれば、確かに今いるこの町でも十分大きいと感じることだろう。

 この町は小なりとはいえ、1000名近くの人間が集住している。

 クアルトゥスとユリアーネは、他愛の無い話をしながら町を歩く。

 ゲルマン人やガリア人の行商人と旅人が多く、住人もゲルマン人とガリア人が半分ずつくらい。

 ローマ人は行政官や軍人がほとんどで、後は少数の商人のみ。

 飛び交っているのはラテン語では無く、ゲルマン人の諸言語が多い。

 しかし異人種間の取引や会話は基本的にラテン語で行われている。

 ユリアーネはそんな喧噪を物珍しそうに眺めながら歩いており、一方のクアルトゥスは既に買い物を済ませてしまっていたこともあって、それ程興味を持っていない。


「それで……お嬢はこれからどうするつもりだ?」

「そうですねえ、お役目も終わりましたし、少しこの町やローマ領の様子を見ていきたいと思います」

「そうか、がんばれよ」


 そう言って手を振りつつ、あっさりと離れようとするクアルトゥスの裾を、ユリアーネがわしっと掴んだ。

 立ち止まったクアルトゥスが、振り向かずに問う。


「……何だ?」

「あの……ここで見捨てられてしまうと大変困ってしまいます」


 ちらりと後方を振り返るクアルトゥス。

 しおらしい言葉とは裏腹に、ユリアーネの手にがっちりと握り込まれた服の裾は、振り解くに相当の手間が掛かりそうである。

 その手を見てからクアルトゥスは視線を上げ、ユリアーネの整った顔を見て言った。


「そうは言ってもな。家畜がいるから俺は農場に戻らなくちゃならない。お嬢は町を見たいんだろう?じゃあここで別れるしか無いんだが……」

「それはそうですが、クアルさんと一緒で無ければ、私はただの不法入国者ですので」

「なんだ、分かってたのか」


 事情があったとは言え、関所を避けてローマ帝国領域内に不法侵入したユリアーネ。

 当然正規の鑑札や入国許可を得ている訳では無いので、故郷へ帰るにあたっては、また国境破りをするしか今のところ方法がない。

 しかし、他ならぬユリアーネ自身のもたらした情報によって、国境の警備と監視は強化されている。

 今度は内側からとはいえ、国境を越えるのは相当難しくなっていることだろう。


「クアルさんも分かっていたんですね?」

「そりゃあ……なあ」


 非難を含んだ視線をユリアーネから浴びせられ、ついっと視線を逸らして頬をかくクアルトゥス。

 クアルトゥスとしては、トラブルメーカーに違いないユリアーネと行動を共にする理由はないし、本音を言えば避けたいところである。

 しかしながら、未だ確証は無いとはいえども、国境紛争や政治情勢に絡む貴重な情報をもたらしたユリアーネである。

 事情を説明して願い出れば、鑑札発行などの便宜は図って貰えるはずだ。

 そういう訳で、一刻も早く氏族の集落へ戻って貰いたいので、あえてそれには触れず、不法入国を臭わせて国境の向こうへ追い払おうと考えたのだ。


 かつて監視塔であった場所を格安で払い下げてもらい、周辺を農場として開拓したクアルトゥス。

最近ようやく経営が軌道に乗ってきたところなのだ。

 ここで長期間農場を空けて、せっかくの成果を無駄にしたくない。


「俺には帰りを待っている家鴨と鶏と山羊がいる、じゃあな」


 再び背を向けたクアルトゥスに、ユリアーネが追いすがった。


「私も行きます!」

「え?何の冗談だ?」

「冗談ではありません」

「いや、来て貰っても困るんだが……」


 先程までと違い、はっきり迷惑である事を告げるクアルトゥスだったが、ユリアーネはめげずに言う。 


「家鴨と鶏と山羊に負けるのは納得がいきません!」

「いや、でもあいつらの方が素直だしな」

「くぬっ、でも負けません!クアルさんには私の面倒を見て貰いますっ!私にはクアルさんしかいません!」


 これが妙齢の美女からの台詞であれば、クアルトゥスもぐらついた可能性があるが、実際は年の相当離れた少女。

 そしてクアルトゥスは、健全な趣味嗜好の持ち主だった。


「他を当ってくれ、お嬢ぐらいの器量があったら、誰でも協力してくれると思うぞ」


 クアルトゥスはユリアーネの言葉を本気にせず、相手にしない。

 そして馬丁に銅貨で料金を支払い馬の返却を受けると、駅逓の駐車場所から荷馬車へ馬をつないでから引き出し、諭すような口調で言葉を発した。


「ここの守備隊長に鑑札を発行して貰うよう掛け合っておくから、近い氏族の者を見つけて一緒に帰ればいい」

「冗談ではありませんし、帰るつもりもありません」


 それでもユリアーネは頑なに帰郷を拒否し、さっさと荷馬車の傍らへ移動してしまう。


「それに、私の持ってきた知らせがどうなるか、はっきりしないまま帰る訳にはいきませんから」

「おいおい……」

「クアルさん、お願いします。このまま町に1人でいれば、拐かされるかも知れませんし」


 呆れるクアルトゥスへ、すがるような視線を向けるユリアーネ。

 事情は理解できるが、本来であれば1人で過ごすつもりだったのだろうに、明らかにクアルトゥスを頼ろうとしている態度が見え見えだ。

 まあ、ゲルマン人の美少女が1人で、しかも不法入国してここへ来て、マルコマンニ族の不穏な動きを告げたところで、すぐにローマ軍が動くことは無いだろうし、そもそも情報を渡すべき人物にまで辿り着く事が出来たかどうかも怪しい。

 それを考えればクアルトゥスと出会えたのは、ユリアーネにとってとても幸運なことだったのだろう。


 しかし既に目的は果たされた。


 ユリアーネがクアルトゥスに拘る必要も理由も無い。

 それとも余程クアルトゥスのことを気に入ったのか。

気に入られる理由が無い以上、恐らく何らかの事情があるのだろう。

 それに、確かに彼女の言うとおり、係累の全くいない不法入国者の美少女など、ローマ人の奴隷商人やゲルマン戦士の良い餌食だ。

 関係ないと言えばそれまでだが、縁を持った以上見捨てるのは確かに忍びない。

 加えて、ゲルマニア全体に関わるかも知れない大きな情報を届けに来たユリアーネの勇気と気概、そして純真さは保護されて然るべきだろう。


「お願いしますクアルさん」


 必死に頼み込むユリアーネに、クアルトゥスもとうとう根負けした。


「分かったよ、じゃあ知らせはウチの農場へ届けて貰うよう頼んでおく。ただし!ウチにいる間は農作業を手伝って貰うからな?しっかり働けよ」

「あ、ありがとうございます!農作業は……あの、ローマ式はやったことありませんが、がんばりますので教えて下さいっ」


 それまでの不安そうな表情を一変させ、花の咲くような笑顔で見つめるユリアーネから思わず目をそらし、クアルトゥスがつぶやくように言う。


「ん?ああそうか……ローマ式ね」

「はい、私に出来ることなら何でもしますが……分からないことも多いと思いますから」

「あ~まあ、大丈夫だろう?」


 馬丁に幾ばくかの銅貨を手渡し、守備隊長に対して自分の農場へ情報の可否と結果を届けて貰えるようにとの伝言を頼みつつ、気のない返事をするクアルトゥス。

 それが終わってから再び言葉を発する。


「俺の所はそんな大きな農場じゃないから、まあ大丈夫だ」

「はい?」


 怪訝そうに言うユリアーネを見て、御者台へ上りつつクアルトゥスは彼女の心配に思い至った。

 ゲルマン人も蛮族とは言え農耕を行っており、集落では小麦や大麦などを育てている。

 粗放的な農法を行うゲルマン人は、家族や村総出で農作業を行うのが普通であり、ローマのように奴隷や小作人を大量に使っての大規模奴隷農業ラティフンディアや大規模農業コロナートゥスは行われていない。

 なので、ユリアーネがローマ式の農作業をしたことが無いというのは、大規模農場のことを言っているのであれば当たりだ。

 しかしながら、クアルトゥスの農場はかつてローマの平民達がやっていたような粗放的な農場なので、ゲルマン人のものと作業自体が大きく変わることは無い。


「恐らくお嬢が家でやっていたのと同じような感じだと思うぞ」

「そうですか」


 少しほっとした様子のユリアーネを見ながら、クアルトゥスはため息をついて言葉を継ぐ。


「仕方ない!まあ、ここまで関わったのも何かの縁だ。報告した情報の結果が分かるまでの間なら面倒を見てやる」

「ありがとうございます!」


 クアルトゥスの言葉に、ユリアーネは嬉しそうに笑うと、御者台に座るクアルトゥスの横へぱっと飛び上がる。


「おわっ?何してる、危ないだろうっ……後ろの荷台へ乗れよ」

「ここが良いです」


 ゲルマン人の瞬発力の良さを見せつけられて驚くクアルトゥスが、そうユリアーネを窘める。

 しかしユリアーネは満面の笑みのまま、その横へと小さな尻を滑り込ませた。


「……しかたないなあ」

「ふふふっ」


 渋々クアルトゥスが席を譲ると、ユリアーネは楽しげにその身体を預けた。


「よろしくお願いしますね!」

「何だかなあ」


 してやられた感じがないでも無いが、まあこういうのも悪くない。

 それに何より、久しぶりの客だ、精々もてなしてやることにしよう。

 そう思い、クアルトゥスは顔に笑みを登らせながら手綱を引き、馬に進行の合図を出すのだった。

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