第112話 断っていい人間

 ひぐらしのなく頃に解を見ていて、ある事を思い出した。


 羽生が部活にまぜてほしくて、勇気を振り絞って入れてほしい事を伝えるシーン。


 それに対してすんなり入れてくれた仲間たち。


 けれど私はこれ見て、嫌なドキドキしかなかった。


 だって、こういう時に勇気を振り絞っても断られたこと、何度もあるんだもの。


 私は自分で言うのもなんだが、空気は読める方だと思う。


 だから相手の事を考えず私がグイグイを攻めすぎて断られたわけではないと感じている。


 そうではなく、こいつなら断ってもよくね?と思える人間だから私は今までの人生で何度も断れてきたのだ。


 嫌と言っても差しさわりのない人間だと人から認識されているのが私なのだ。


 断っても私がすんなり引き下がる事が相手にも分かっているのだ。


 場合によっては、断らせた相手への配慮の言葉やフォローもする。

 それを相手も分かっているのだ。


 私は断られた気まずさを打ち消したいほどに、相手に罪悪感を与えないように平気なフリをして、むしろそんな事言い出した私がいけなかったと謝罪もする。


 そんな事、一度や二度ではなかった。


 だから、余計に私は人の仲間に入れてもらおうとするお願いや、連絡先交換などを申し出る事を【私からするのが】が嫌いだ。

 苦手というより嫌いだ。


 受け身だと非難されようと、そういう今までの何度もの経験から嫌いになった。



 それでもお願いする事がある。


 8割くらいは断られるかな。

 原因は分かっていないだけで、間違いなく私にある。

 それだけは分かる。


 人望が無さ過ぎるのかな。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る