第56話 つぶあんVSこしあん

永遠のライバル、つぶあんVSこしあん。


私はつい最近まで、つぶあんなんてものが存在する意味あるのかな?と考えるほどバリバリの、こしあん派だった。


赤福を買えば、下のお餅が邪魔だと思い

それを誰かに言えば、「ならこしあん買ってきて食べてればいいのでは」と言われるが


それも美味しいよ。けれど赤福としてのこしあんが良いんだよ!と思っていた。


きっと私と同じように、つぶあんなんて信じられない!という人たちが結構いるのだろう、最近ではあんぱんにも、こしあんが増えてきた。


「ほーらやっぱり、こしあんの方が断然美味しいんだよ。つぶあんなんていらないじゃん」


と思っていた私を変えたのが『たい焼き』だった。

特別なたい焼きじゃない。どこにでもありそうなたい焼きだ。


久しぶりに食べた、たい焼きはとても美味しく、その中に入っているのが

私が「消えてもいいんじゃない?」と思っていた、つぶあんだったのをしばらく忘れて味わった。


あれ?私は今、つぶあんを美味しいと思って食べてる?

たい焼きを食べ終わる前にそれにやっと気がついた。


そして、このたい焼きのあんが、こしあんだったらどうだろう?と想像してみたのだ。


……あり得ない。

たい焼きは、こしあんじゃダメだ。つぶあんだからこそ美味しい。


こしあんのたい焼きを食したことがあるわけじゃないのに私の舌は簡単に思い浮かべた。

それからだった。

つぶあんのありがたさを認識したのは。


相変わらず、こしあんが大好きだ。けれど、つぶあんも今では存在していてほしいと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る