第四話

次の日、夏斗はいつもどうり自分の家の自分の部屋で二人を待っていた。

「おそい。」

おそいと言ってもまだ集合時間の20分前だ。

「ちょっと散歩してこよ。」

こう言って夏斗はお母さんに散歩にいくと言ってから家を出る。外はすごく暑かった。

まだ外に出て1分もしないのに汗が流れ落ちてくる。

「はぁ~あっつい。」

夏斗は暑さを我慢してひたすら歩く。しばらく歩いていると前から車が来た、夏斗は少し右による、車が近づいてくる。

「(歩いてても暇だし)」

と思いながら車を運転してる人を見る。

「(あ…れ?)」

車には見覚えのある人が乗っていた。

「おと…うさ…ん?お父さん!」

夏斗は車を追いかける、もちろん追いつけるはずがない。そうわかってても勝手に足が動いてしまう。

「あっ!」

ズザザザァ!!!

夏斗は豪快にこけてしまった。

「くそっ!くそくそくそ!!」

車が遠ざかっていくのをただただ見るだけだった。夏斗は諦めて家に帰る事にした。

「車の色しかわからなかった……せめてナンバープレートだけでも見たかった。」

などと言ってる内に家に着いた。

「ただいまー。」

と言ってそのまま自分の部屋に行く。階段がいつもより長く感じる、部屋のドアも重く感じた。

「夏斗!その傷どうしたんだ!」

「実はお父さんに会ったんだ。」

「しゃべれたの?」

「いや、お父さんが車に乗ってるところを見てそのままおいかけた。」

「無謀だな…」

「それでそんなに傷だらけなんだね。

で、車は何色だったの?」

「黒色、ナンバープレートは見れなかった」

「そう…車の大きさは?」

「大きかった。」

「じゃあ、黒色の大きい車を探せばいいんだな。」

「それより夏斗の傷を消毒しないと。」

「頼む」

美土里は夏斗を治療する、絆創膏をはり終えたあと、夏斗は勢いよく立ち上がった。

「よし、探しに行くか!」

「でも、どこから?」

と、佐熊は聞く

「んー、わからない。」

「おい。」

「車はどっちの方向に向かってたの?」

「確か、イタズララボの方に向いて走ってた。」

「なら、まずはイタズララボにいきましょ。」

「そうだな。」

こうして三人はイタズララボに向かった。


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あの日の夏休み 天草 @serato

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